チョコレート
にんじん
円高
爪先を伸ばしたかった
ただそれだけのことだった
誰かを蹴るとか
階段から落ちるとか
足をひっかけてやろうとか
そんなことではなくって
ただまっすぐに
そう
バレリーナの ....
熱気で目覚めた朝は不機嫌にもなる
苛立ちを隠すこともなく
誰かに八つ当たりもできず
機嫌は拗れたままでほぼ一日を過ごす
目覚めたときに雨が強く降っていると
憂鬱さを隠すことができない
....
溶けてしまっても
あることにはかわりはない
のだけれど
にごってるほうかいい
いつの間に消えたように思える君のことも
空に、海に、
それは
ポカリスエット ....
おい、みんなあ
声なき声をきいてるかあ
悲しかったり
つまらなかったり
みじめだったり
苦しかったり
そんなとき
みんなあ、声なき声をきいてるかあ
....
夜の残酷さに怯えるように一本の鋭い剃刀の上を蛞蝓が這う
微小なガラス玉のように危うく私の生はあるのか
ゆっくりと剃刀の上を這う蛞蝓の軌跡を辿る者は生と死のあわいで屹立し吐息を吐
我々は死の影の奈 ....
午前3時に凍った血が
ことばの触手から逃れようとして
室外機のかげで汗をかいている
ぼくもまたひとつの原像
群衆の波にうもれているうち
体温はすこし
上がったみたいだ
敗北の構造 ....
高架下に流れ込む
川は
いつも後ろ姿
追い越したくても余地はなく
一定の速度を保持し
行列を維持して
たどたどしく
けれど確実に
進んでいく
迷いながら
躊躇い ....
今夜最強の
煩悩をもって
この街を
ほろぼします
今夜うちに来た時
みしたげるぜ
感情兵器の
ブレイカーを外すとこ
コンビニエンスストアの明かりが消えて
隠れていた生き物 ....
これは
むかしむかしとちょっとのいま
真夏の壁に
交響曲が残照して
鋭くないガラス片と
青臭い血潮の
散った 咲いた
青春末期のお話で
※
顔の
みぎはんぶんが
麻痺して ....
行ったり来たりの場面展開
ブランデーに似合うホワイト
真っ黒な猫に 似合う
根っこが確りしてる味
寝っ転がって 認めた
唯一の 甘さ
消しゴムの絞りカスや
カレーに入れる 最後の ....
発車ベルが鳴る
僕は旅の終わりを迎えようとしている
見たい景色が見えるかも知れない
そう思って始めた旅だけど
見たい景色は見えただろうか
それは誰にもわからない
ただ、今わかってい ....
花心
電卓
夢中
小さな溜め息といっしょに吐き出す
貴女への恋は
あと何度の二酸化炭素にすればいいのでしょうか
小さく繰り出すつま先は
貴女との距離を
あと何歩で埋めてくれるのでしょうか
辛くもない ....
火の消えたタバコを自分の左手に擦り付けた
それがせめてもの断罪だった
罪と知らず犯す罪は
知らずの内に他人の罪になった
償うことも
学ぶこともせず大人になった
誰にも知られず犯す罪 ....
静けさ
ちょこんと
夜底に
座っていた
剥き出しの界、像なき界
それは決して混沌ではなく
何かを伝え何かを造形している
響き木霊し無限の力の生動する
もう一つの界、 ....
先ず、バイト先の店長に
認められるようになりなさい
「この子はよく頑張るな」
と言われて初めて
きみの未来は
切り開かれます
そんなことはバカらしいと
思っているうちは
死んでも
....
よく晴れた初夏の午後
家の庭で、ダウン症児の息子に
青い帽子を被せる
まだ{ルビ喋=しゃべ}れない5才の息子は
うわあっ!と
帽子を脱ぎ捨てる
部屋の中にはBGMの
ロックが流れ ....
生きるとは
自らに内蔵された
ギアを、入れること
長い一本道で、アクセルを踏み込む
遠くから
フロントガラスに小さな太陽を映す車が
近づいて…すれ違う、瞬間
僕はぎらつく光を魂に摂取して
目的地を見据え 走る
かくも生きづらかった
彼らの声を聞く
声さえ出せなかった
彼らの文字をたどる
文字さえ綴れなかった
彼らの沈黙を察する
自我はもはや
虫の息
消えてゆくのは
超え ....
一回目は
茫然自失の状態だったので
どの看護婦だったか
全然記憶にない
しかし二回目の時はしっかり覚えている
下毛剃りは
てきぱきした感じの若いDさんだった
「この間剃ったばかりだから、 ....
透明な羽が浮かんでいた
透きとおっているけれど
それは無いということではなくて
小さなシャボン玉は
虹を載せてゆくのりもの
パチンとはじければ
虹はふるさとへ還る
ふいに風
....
年を取れば
一病息災だ
病気とともに
生きていくことだ
五十年も六十年も
使っていたら
どこか故障が出るだろう
人間の体も
年をとれば
孫自慢
と
病気自慢で
盛り上がる
「もう、あなたのために何もしてあげられないわ」
そう言って大好きな花は枯れてしまった
遠くで響くサイレンの吹鳴に想いを馳せる
少し興奮を覚えると共に罪悪感も抱く
こんな真夜中になにが起きているのだろうかと
妄想が尽きることはないのだが
自らの想像の貧弱さに吐き気を催す
最低最 ....
時雨
蒲公英
蟷螂
私は川べりの道をSと歩いていた
何があるというわけでもなかったが しかし 日が
差していた 昼下がり そして
あまり私は幸せだったというわけでもなく
街は 五月の 光の中 すれ違う
....
暗がりに恋情を隠す
心音が落ちてゆく
水の階段を登り下り
君の肌の質感に流され
簡素な語彙に抗えない
私の内部の熱源に点される
愛にも似たようなもの
鍵はそのままにして
綺 ....
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