気をぬくとすぐに空が裂けて
わたしのねじれに触れてくる
どんなにながいスカートを履いても
どんなにきつく紐を結んでも
許されない許されない
それは 味のないガムみたいにはりついて
....
俺が独裁者になったらね
テレビ局や新聞社の人間を
徴兵して
ガダルカナル島に送りつけて
餓死させて
あのときの軍人さんの
無念さを思い知らせたい
マスコミが無罪だなんて
ふざけたこ ....
死の天使は軽妙がいい
悲壮は生にこそ相応しい
諦めもある一線を越えれば解放だ
概念だけの救いなんて幽霊にも劣る
仔犬のように震えている
不安の口に手を突っ込んで
ズルリっと裏返し ....
灰色の街に
今日もじゃぶじゃぶ降りしきる
情報洪水の雨達
駅のホームに立つ人々は
小さな液晶画面
の上に
人さし指を滑らせる
ひとり…ふたり…と
人がロボット化してゆく様を
....
平たい皿の上に
幻の鶏が一羽
細い足で、立っている
こけえ
くぅおっこ
こけえ
青い空へ吸いこまれてゆく
あの日の、さけび
先ほどまで
醤油のたれに{ルビ塗=まみ} ....
シラフの夜の夜間飛行
空港を飛び立って
何も見えない空を行く
ただただ海は輝いて
赤く輝くワインの海
あるいわ黄金のウイスキー
落ちたら戻ってこれません
空港は閉鎖して
航空灯火も消え ....
雨音で目を覚まし
見上げる空は
Gloomy gray
滴る雨は鉄格子
コンクリートの曇り空
こんな雨の日は
灰色世界の独居房
降りしきる冷たい雨
おれの体を溶かして
頭は重い鉛 ....
幾つもの空を超えてゆくのだろう
君は今
どんな空を見てる?
雨雲
曇り空
晴れ渡る空
どんな空でも
雲を突き抜ければ
青空が広がる
だから心配しなくていいよ
明日はきっと晴れ渡る
猫背に貼りつけられた
気・血・水が
梅雨空に 漂いあふれたとき
古里の 知人の面影が
浮遊してくる そして
そんななかで
卒寿の息は磨り切 ....
とても寒いとき
たった一枚の布切れが
神様のようにありがたい
この体は愛すべき私の体で
頭と切り離すことはできない
感じて、思うことが アクションを呼び
また、感じてしまう
....
贋作の夜を、ハンマーで叩
いて割った
砕け散った夜の
欠片の中に
いつ貯めたのか思い出せな
い古めかしい十
円玉が数、枚
それを取ろうとして指を刺
した 見 ....
雨が響いている
六月には刃先が疲労する
四月と五月の春の息吹に
消耗し尽くした空は
悲しくもなく泣き始める
大きな思い出は錯乱し
小さな風景はたるんでゆく
雨が谺している
六月には ....
生きていれば二十七歳
二十五歳まで生きるものよと
微笑って言ってくれる小母さんも居たけれど
十二月の空はあおくあおくあおかった
十年の月日が流れ 忘れられない
あなた以外と暮らそうなんて ....
今私が立っている大地
雨が降り雷が落ち強い風が吹く
あなたとの距離は四十五センチ
上空一千メートルには流星の様なミサイル
音速で飛ぶミサイル
そして大気圏外から降り注ぐ宇宙ゴミ
今の瞬 ....
大切な友が夢に出てきた
もうずっと会ってはいない
もうずっと遠くへ行ってしまった
友はこう言うとふと煙の様に消えて行った
あなたと過ごした日々を
あなたと見つけたものを
あなたの光を忘れな ....
曖昧なあなたの自殺願望
私はそれをタバコを吸いながら眺める
缶コーヒーのプルトップを開けて
それを差し出すあなたの瞳の色
焦げ茶色の瞳は私を見ていない
二重螺旋で作られた私とあなた
時間軸 ....
同姓同名の、 いや、
日本語に音写すると同姓同名になる、ふたり
の
フランス出身
....
鷹
島
皆既日食
ひとりぼっちで
ひとりよがり
ひとりごとだよ
ひとりごっこ
ひとりがてんして
ひとりしばい
ひとりめしだね ひとりじめ
ひとりてんかの
ひとりずもう
ハッケヨイヨイ ハッケヨ ....
10歳の誕生日に
初潮を迎えた悦子は
今、45歳の誕生日を
村上所長の腕枕で
終えようとしている
「このままでは、悲しすぎる」
シーツに忍ばせた
果物ナイフは
彼女の切実さの表 ....
落ち葉
いちまい
小川にながれる
風が舞う夜空に
架空の黒い壁が
立ちはだかる
うずまく
星雲に生れおちる
子供たち
刹那を掻きむしる
老画家
野望にのまれ ....
辻井伸行の熱情には苦しみや孤愁がない
苦しみや孤独にとらわれようと
肉体は瞬時に生成滅滅している
ベートーベンが言うところの歓喜へと至る動機
辻井伸行の熱情が教えてくれている
....
梅雨の合間の晴れの日の古本屋街の地下の
スタジオの片隅のアイロン台の前の椅子の
上の手持ち無沙汰の手の中の溶けるとける
ける速さ加速するスルスル汗をかくアイス
溶けるける早く終われ割れるライテ ....
有効期限を
“およめさんになる日まで”
から“無期限”に書き直した
孫をあやしている
父の背中は私が覚えているほど
もう大きくはない
昼間父の書斎で見つけた私が
子供の頃作って ....
天井に 空豆が 張り付いている
暑い 夏の午後
美味しそうだナ
ビールでも 飲みたいな
いや 違うヨ?
ちょっと ちゃんと見てみて おくんなせえ
青空の向こうから 声がして 見上げ ....
うちのワイフが
僕に意見を聞くのは
ほんとうに意見を聞くのではなく
同意のために聞いているだけである
だから
僕が意見を真面目に言えば言うほど
言い合いになる
僕は心が狭いから
ワイフ ....
男は
妻をめとるとやさしくなる
子どもが生まれるともっとやさしくなる
リタイアするともっともっとやさしくなる
男は
やさしくなって早死にする
古いマンションの空き部屋のような一室におれの生首がびっしりと並べられていた、そいつらはみんな生きていて床の上で首の付け根で座り、血走った目を見開いてなにごとかを叫んでいた、おれははじめそいつらがな ....
猫
磨製石器
フロリダ
若すぎるとうもろこしは甘くない
柔らかいけど少し白い
家族の分だけひとり一本だけ
ゆっくりゆでる
その細い姿で
家族の目を全部さらい
なにも言われないで飲み込まれてった
若すぎる ....
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