雨が響いている
六月には刃先が疲労する
四月と五月の春の息吹に
消耗し尽くした空は
悲しくもなく泣き始める
大きな思い出は錯乱し
小さな風景はたるんでゆく
雨が谺している
六月には ....
生きていれば二十七歳
二十五歳まで生きるものよと
微笑って言ってくれる小母さんも居たけれど
十二月の空はあおくあおくあおかった
十年の月日が流れ 忘れられない
あなた以外と暮らそうなんて ....
今私が立っている大地
雨が降り雷が落ち強い風が吹く
あなたとの距離は四十五センチ
上空一千メートルには流星の様なミサイル
音速で飛ぶミサイル
そして大気圏外から降り注ぐ宇宙ゴミ
今の瞬 ....
大切な友が夢に出てきた
もうずっと会ってはいない
もうずっと遠くへ行ってしまった
友はこう言うとふと煙の様に消えて行った
あなたと過ごした日々を
あなたと見つけたものを
あなたの光を忘れな ....
曖昧なあなたの自殺願望
私はそれをタバコを吸いながら眺める
缶コーヒーのプルトップを開けて
それを差し出すあなたの瞳の色
焦げ茶色の瞳は私を見ていない
二重螺旋で作られた私とあなた
時間軸 ....
同姓同名の、 いや、
日本語に音写すると同姓同名になる、ふたり
の
フランス出身
....
鷹
島
皆既日食
ひとりぼっちで
ひとりよがり
ひとりごとだよ
ひとりごっこ
ひとりがてんして
ひとりしばい
ひとりめしだね ひとりじめ
ひとりてんかの
ひとりずもう
ハッケヨイヨイ ハッケヨ ....
10歳の誕生日に
初潮を迎えた悦子は
今、45歳の誕生日を
村上所長の腕枕で
終えようとしている
「このままでは、悲しすぎる」
シーツに忍ばせた
果物ナイフは
彼女の切実さの表 ....
落ち葉
いちまい
小川にながれる
風が舞う夜空に
架空の黒い壁が
立ちはだかる
うずまく
星雲に生れおちる
子供たち
刹那を掻きむしる
老画家
野望にのまれ ....
辻井伸行の熱情には苦しみや孤愁がない
苦しみや孤独にとらわれようと
肉体は瞬時に生成滅滅している
ベートーベンが言うところの歓喜へと至る動機
辻井伸行の熱情が教えてくれている
....
梅雨の合間の晴れの日の古本屋街の地下の
スタジオの片隅のアイロン台の前の椅子の
上の手持ち無沙汰の手の中の溶けるとける
ける速さ加速するスルスル汗をかくアイス
溶けるける早く終われ割れるライテ ....
有効期限を
“およめさんになる日まで”
から“無期限”に書き直した
孫をあやしている
父の背中は私が覚えているほど
もう大きくはない
昼間父の書斎で見つけた私が
子供の頃作って ....
天井に 空豆が 張り付いている
暑い 夏の午後
美味しそうだナ
ビールでも 飲みたいな
いや 違うヨ?
ちょっと ちゃんと見てみて おくんなせえ
青空の向こうから 声がして 見上げ ....
うちのワイフが
僕に意見を聞くのは
ほんとうに意見を聞くのではなく
同意のために聞いているだけである
だから
僕が意見を真面目に言えば言うほど
言い合いになる
僕は心が狭いから
ワイフ ....
男は
妻をめとるとやさしくなる
子どもが生まれるともっとやさしくなる
リタイアするともっともっとやさしくなる
男は
やさしくなって早死にする
古いマンションの空き部屋のような一室におれの生首がびっしりと並べられていた、そいつらはみんな生きていて床の上で首の付け根で座り、血走った目を見開いてなにごとかを叫んでいた、おれははじめそいつらがな ....
猫
磨製石器
フロリダ
若すぎるとうもろこしは甘くない
柔らかいけど少し白い
家族の分だけひとり一本だけ
ゆっくりゆでる
その細い姿で
家族の目を全部さらい
なにも言われないで飲み込まれてった
若すぎる ....
選挙に圧勝して
ダルマに目を入れるのは
ちょっと違うような気がする
あのオバハンの場合は
自分の顔の福笑いを完成させて
喜ぶ方が似合っている
だって
どうやっても本人になる
根っからの ....
急に暑くなってきた
今部屋の温度は33度ある
夕方なのにこの温度だ
昨夜は暑くて寝苦しかった
たまらず今日はクーラーを買いに走った
こんな日は冷たいビールを
きゅっとやれたらなあ!
主治 ....
人は生きる理由があって
生きていくのだろうか?
それとも生きる理由を
探すために生きていくのだろうか?
そんなことがわからなかった10代
生と死の間で揺れていた
精神薬を10錠飲んで
....
日が昇り、墓場に咲く花は目を覚ます
目を上げると、無数の墓達が幾つかの丘を
つくっている
頂上には十字架や仏像
数え切れぬ魂は、墓場に咲く花と
戯れる
墓場に咲く花は、死者に寄り添い
....
潰れてしまうと 痛いから
そっと撫ぜて
その固さを ゆっくりと 確かめた
指を飾る 一つの輪が
全ての作業を
じっと 見守っていた
甲斐甲斐しく
いや この場合は
まめまめしく ....
水路を覆う雪を
流れに向かって蹴り落とす
他人の家の庭に入り込み
ただうろうろしているうちに
出られなくなる
あれは 何をしているのか
せっかく死ねたのに
....
言葉が言葉に 降るときは
何か悪いことが起こる兆し
いま そのよろこびを
よろこんではいけない
銀と灰の
やわらかな壁に囲まれた狭い通路が
縦に立てかけられた
白い布団のようなものに満ちていて
そこを通り過ぎて少し戻ると
金にかがやく部屋があるのでした
....
湿気、
に飲み込まれる、昼下がりに、
きこえる、 室外機の音。
ぶーん、ぶーん
昨日から、何も食べてなかった。
私は、スーパーに、チキンを買いに行く。
五分後ぐらいに ....
(毎日クソをすると同じ気分の人と、毎日花に水を与える気持ちの人が、いくら同じ事をしていても、そりゃ、声もかけられないわ、悪いね。だけどお互い、よくやるよ、正直、仲間探しでもなければ、自己防衛の他者攻撃 ....
優しくない気持ちは
意地が悪いのではなくて
悪意の塊でもなくて
邪な捻くれたいじけた心でも
寂しい気持ちの裏返しでも
なんでもなくて
ただ素直になれない
その程度のことだったりする
....
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