庭の柿の木は ざらりとしたぬくい腕で
小さなころからずっと わたしを抱きしめてくれました
おばあちゃんがわたしを
だっこもおんぶもできなくなったころから
わたしはランドセルを放り出して
....
確かにあったんだ
ちょっと不確かだけどこの気持ち
伝えるのはまた明日でも
手をとる勇気がなくとも
留まる勇気がなくとも / たちつてと作文
信号の色を無視して走った。才能が無かった俺は宛もなく夜の街を走るしかなかった。グランドピアノが頭蓋骨を砕く夢を見た。俺がこの世からいなくなっても世界が廻り続けることが憎かった。車を停めてうずくまるとな ....
明るい 光 まっ黄色なそれ
あたし、ひかりのなか、すすんでいるみたいな
とろけるような 蜜色のひかりの洪水
あたし、うれしくなって
とびはねたくなって
満ち足りたようなき ....
たとえば、
呼吸や瞬きひとつで
もろくくずれてゆくような
そんなあわい羽で
夜の輪郭をなぞってる
そんなかんじ
やわらかいものから
順繰りにおちてく
それは実り
まだあたたか ....
今日は TOEICのテストを受けた
近所の駅から歩いた そこからの道を思い出す
試験会場はやけに駅から遠かった
多くの群衆と 私の 歩いた道 彼らと共に 連れ立って
商店街を抜けて
....
あなたは全然わかっていないわと
捨てぜりふを浴びる
そう言われる気持ちをわかっていないと
捨てぜりふを返す
そう言い返すような人だから嫌われるのと
切り返される
ボクを嫌ってい ....
妻のなかに庭が
雨の日にはできる
小さく 頑丈につくりこまれた庭
雨の日ぼくはノックする
コーヒーを飲むか
紅茶が良いか
もし望むなら 凍ったラムもあるし
無い 返事のなかに ....
詩人は寸借詐欺みたいなものだ
嘘で読み手を主役にしあげて
ドラマを感じさてこそ芸術なんだよ
君は詐欺師になりきれていない
君は正直に生きてきて
正直な思いを詩にしている
共感は慰めでし ....
喉元をさらせて
ハチドリ
心のきれいな 遠目からの それ
くるりと曲線を描く それ
シルエットの向こうに バルコニーと青くかすむ美しい川と
腕時計と
ゆれる風
軽やかに風 ....
いちめんの漆黒の空に
銀色絵の具を 振りかけて
秋 星座 またたく 地上には すすきゆらす風
高校の制服も冬服となり
詰め襟が真面目そうに通学バスから降りる
昼間の手強い強 ....
誰かの
取って置きになる為には
「この人の言いたいこと
表現したいことを
世界中で、自分だけが理解している」
と思わせられるかどうかなのだ
しかし、自称詩人は
アホでも書けて
アホ ....
腕に生ぬるい風が
夏の叢に虫の音が
頭に響く星のこえ
秋の煙を幻視する
過ぎていく
一年が
三年にも十年にも
万年にも光年にも
思える
還って ....
もうすぐ
水が冷たくなる
残暑が喧しい
気怠い午後
川の畔に佇み
いつまでも
変わり続けている
柔らかな水面を
見下ろしている
思い立って
浅瀬にしゃがみ
右手を突っ込んで
手 ....
大人達は
私にいろいろなモノを
着せようと
待ち構えていて
毎日のように
尖った所を
丸くするために
主張し合ってる
朝晩
働きづめで
一緒に寝れないからと
ぬいぐるみだけは ....
尊い場所にはふつうのひとびとが沢山いた
そこは緑と和が充実していて
巨大な茶室のようであり
森林もある平べったい庭園のようでもあった
ぼくらは散歩していた
池を模しただだ ....
私を敵に回すと怖いわよ
蔑んだような口調が
渡り廊下に響く
吸収素材ではあるが
温泉の如く 生暖かいような記憶
ぼこりと湧き出る雫は
不可思議に折れ曲がり
光の十字路を生み出した刹那 ....
今日は親父の七回忌だ
二年目が三回忌で
六年目が七回忌になると
初めて知った
今日は秋晴れの爽やかな天気だ
天気がいいというのは
人間の幸福に何割ぐらい
寄与するのだろうか
とふと思っ ....
お婆さんが倒れて
救急隊員がやって来る
喫茶店で
我々はがらくたを注文した
ても子伯母さんが居た
てく一伯父さんも居た
てくいち伯父さんは歯が再び生えて来たようだ
三階の部屋の明かりは付 ....
好意の正体を
私は知りたい
最近は
持ったことすらない
一緒にいたいと思う気持ち
寄り添いたいと思う気持ち
かなわないなあと思う気持ち
まあ
それもいいかなって
何も教えてく ....
あたしは最高の魔女になる
テレビでワンピースを演るスーパー歌舞伎役者が
人間って鍛える場所がないと成長しないでしょ
って明らかにほんとうを言っていた
だから私はまだ二十台の経験もない
....
北のミサイルとホリエモンのロケット
どちらが安全なんだろう
爆弾がはいっていないなら
ホリエモンのロケットのほうがやばそうだ
幹線どうろの青信号
過ぎようとする刹那
....
鼻輪をつけられ
牽かれてゆく牛
眼をむき出し
黙って牽かれてゆく
無理やりに
牽かれてゆく
病室にて
死体の看病を続ける彼女
心電図は
そもそも挑戦を拒む綱渡りみたいにーーー
死にたて生まれたての幽霊が散歩している
赤信号で止まった。
....
骨から 時は 流れ
燃えるように 影もなく
匂いはないが 音はして
もの皆しめし合わせたように
口をつぐむ
秒針だけが雄弁な代行人を装った
あの 内耳に包まれる かつて
なにかの一部だっ ....
信者が姿を消した
あんなに何かを祈っていたのに
礼拝堂はもぬけの殻
村の人たちは捜索を始めた
くもり空の下
くだものの飴と傘をたずさえ
情報はなにひとつない
あっぱれな行方のくらまし
....
三崎口行きに乗り込んだとんぼ
電車と僕と同じ速度で
すいとする
同じ状況を
相対速度で穏やかに説明してた先生
のことは好きだった
久里浜で降りた君は文庫に帰れるのかな
百の眼に映 ....
さわめきの海
さざさあ 風がざわめいている
さわめきの海
とめようとしているの
とめようとするけれど
きっと とまらないです
さわめきの海が
青く青くふきすさぶ風 ....
可笑しなことを云うかもしれない
夫のすべてを知りたくはないと
そうしてわたしも同じように在って
それらを心の闇ともしない
可笑しなことかもしれないけれど
この時わたしはマンモスを想う
仲良しごっこ
詩人ごっこ
世の中から
つま弾きにされた
落ちこぼれどもの
誇大妄想が
編み出した遊び
互いの傷を舐め合って
自分にも
まだ何かしら
生きる意味はあるんだよっ ....
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