正しくあろうとして
わたしたちの舌はもつれた
東京で あなたを愛そうとして
口付けを重ねるしかなかった
偽らない わたしの目に
毎日の夕暮は かなしか ....
きのう
セミはことしいつ鳴き止んだかを
思い出していた
わからなかった
鳴き出した日もわからない
とっくに無頓着に生きていたんだ
窓のすきから台風一過の昭和の空 ....
窓ガラスの向こう側
ことばにもならない
届かない 届けられない想い
潤んで たえきれず 幾筋も
雨は伝う
窓ガラスの向こう側
すぐそこに 見えながら
越えられず 力尽きて
くずお ....
らりるれろが 沢山
雨路に かさなっている
新宿三丁目
煙柄のビイル
先程まで、思い出は
紺碧の歌だったけれど
らりるれろ
わたしは いま ....
灰が 赫になって
なにしれず 殖えていって
(オフィスビル大のスタインウェイ・ピアノ
(あなたたちは小さく並んで 響きになる
(幾つかの きたない歯のように
....
なんということだ
大きな寄り道をしたもんだ
もう寄り道なんかするもんか
10年前からなにも成長していない
10年前の9月17日からなにも変わっていない
そんなこと想像 ....
雨が空白を叩いている
どんな些細な出来事にも空白があるから
雨は一つずつ出来事を鍛えなおしている
雨がわずかに氷へと移ろうとき
雨は人間の核を打ってくる
だから人間は家に引きこもりな ....
アボカドカレーを
お箸で食べていたら
かすみと菫子がふたりで
ナイワ、ソレって
かちほこっていた
そこで私は
にほんじんだものって
かけていたメガネをテーブルに置き
立ち上がる ....
からめるにからめとられてからまる
からのまるをだきしめる
めるもだんすをおどる
るんるららとさけんでみる
もるという単位を思い起こしてみれば
何だか小難しい計算式も脳裏を蠢いて
も ....
「夜目、遠目、笠の内」
言い得て妙なり
要するに
妄想するからだろう
僕が女性が美しく見える時というのは
姿勢がいい時だ
座っている姿勢
立っている姿勢
歩いている姿勢がいいと
美し ....
幸せになります
あーちゃんもね、って
何それ
今日ほど
私の二枚舌が
歯がゆかったことはない
私は
腕いっぱいに抱えた花を
思い切り
空へと投げ上げる
花は
みるみる ....
誰かを疲れさせて
その誰かに去られてしまう
おなじことの繰り返し
壁一枚むこうに見えてるじゃないか
壁を越えられないなら
上から見てればいいじゃないか
突き破っ ....
緑の折を広げた
薄黄緑色のそれは
淡い光沢を放っている
元は、和菓子の菓子折りに使われていた淡い黄緑色の包装紙だったはずだ
丹念にしわを伸ばしていく
子供が折ったようなそのあとは
子供が折 ....
五十の元スケバン刑事の
パンツを頭から被って
嬉々としているオッサンは
かなりの変態だと思う
だって何が付いているのか
考えるだけでもおぞましいだろ
正体不明の物体と
ありとあらゆる雑菌 ....
「中央署からですが、ホカチャンさんですか
○○○○○(名前)さんですか?」
(この辺の田舎には中央署はないけどなあ)
(名前の読み方間違えているし)と思って
「違います!」
と言ってガチャン ....
「早めの避難を!」
「厳重警戒を!」
テレビなどで
繰り返し繰り返し呼びかけているが
なかなか台風が来ない
のろのろ、イライラ台風である
昔の台風は
一本気なかたぎ職人のように
サッと ....
木が騒いでいる
風と葉擦れが波のよう
潮の香のない海のよう
虫が鳴いている
幾重に重なる星のよう
その音色が宇宙のよう
ぼくらはどこから来て
どこへ還るの ....
信じるだけで
救われるということ
天国へ行くためには
あの十字架の福音を信じるだけ
人間の努力は無用なのである
信じるだけなんて
信じられないと思うが
本当に ....
経験は尊い
苦難を背負うことで
他の痛みを知ることができる
と、
それがどうした、と
苦しみで他の痛みどころではない、と
我慢する必要などないのだ
他の痛 ....
夜、仏間でおつとめが終わり最後の合掌を済ますと、決まって
庭の古井戸から、ぽちゃり、と何かが落ちて、沈んでいく音が
する。
※
私の中に井戸ができた。悲しいことがあるとそ ....
かわいい小鳥が鳴いてゐる
かわいい小鳥が鳴くたびに
肩がずきりといたい
ええ わたしは鳥だつたんですよ
ひとのゐないところでは
いまでもときどき鳴 ....
自称詩人が
クソショボいことを
恥ずかしくもなく
平気な顔して
人前に晒しやがるのを見ると
イーッとして
無性に大量殺戮がしたくなる
核兵器とか
毒ガスとかじゃなくて
ゲンコツで自称 ....
これまでに
書いたような気がする
同じような詩を
似たような詩を
これからも
書いていくような気がする
同じような詩を
似たような詩を
まあ 気にしないよ
もう 気に ....
右足を後ろの方に伸ばして
膝を曲げずに
足の先を頭の後ろへつくように
持ち上げるようにして
伸ばして
高く上げて
高く高く
美しい姿勢を保って
美しい姿でいようと
試みるけれど
ふ ....
芥子色の毛球が
冬 おもてで鳴っている
うるうると 陽のひかりが
今 すこしだけ まぶしいのです
水のかざりを戴いた
からの土が 喫茶店をはね、
わ ....
道沿いのコスモスが歌う
妖艶な触手を張り巡らせて
おいでおいでと手招いていく
こちらには 海と山と谷と渓谷がありまして---
ちょっと待ってくださいよ
谷と渓谷は どう違うんですかい ....
マーラーの陶酔
酔えば酔うほど狂う
第一交響曲はてしなく穏やか
アイスクリームのごとく
まどろみのなかできくマーラーはお好き?
それは魔法の呪文のよう
詩のなかの玉手箱
詩集に埋もれて生 ....
大きな傷
心に付いた傷
ふさがらないと思った
傷は
月日が癒し
今は大きなかさぶた
時々
痛んだり
痒かったりする
チクチクして
剥がしたり ....
朝起きて朝食をとり
珈琲を飲む
テレビニュースは北朝鮮のミサイル問題
またか・・
息子はパソコンでゲームばかり
妻は持病で寝込んでいる
私は週末のテニスで汗を流す
相変わらず下手くそであ ....
今日の午前三時
痛む肉を携えて
部屋の暗闇に沈んだまま
私はひたすら夜明けを待っていた
その時また
意識のふわりと広がり始め
頭上から垂直に響く
無数の秘やかな息遣いに
じぶんの息 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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