県道沿いの山は粘土質だ。
いつも湿っていて、
一歩ごとに靴底へべったりと張り付く。
私は墨染みた卒塔婆を背負っては、
暗き夜に忍び歩く。
夜露は私の身体をぬらす。
ぬれながら、泥で汚れなが ....
あったかも知れないもう一人のぼくを
過去もみらいも夢想できないけれど
傷つけることなんてもっとできないや
きのうあのひとが嬉しそうだった
ぼくがいなくてもみんな大丈夫だ
....
美しいヌード写真というものは
創られたものである
そこには
体臭が感じられない
屁や糞も感じられない
しかし
僕はその創られたものに
うっとりさせらる
健康な時は
一人暮らしも気楽でいいが
いざ病気になったら
急に不安が増大する
夜中に突然倒れたらどうなるんだろう?
救急車を呼んでくれる人はいない
発見された時には
手遅れだったというこ ....
私の朝食はコーヒー1杯と決まっていて
そのコーヒーと一緒に
今日1日を乗り切るだけの錠剤を流し込む
コーヒーを飲まない朝はなくて
コーヒーと一緒に錠剤を飲まない朝もない
いつの日かコーヒーが ....
西武池袋線、果ては椎名町、おれ、という人間は実在性を欠きながら、のうのうと、淡々と、非生産的に、かつー、非効率的に、かつー、極めて排他的に、暮らしている
金色にモザイクがかった(全くもって、完成 ....
海に落ちた
私のこころは
その重さゆえ
ふかい底へと
しずんでゆく
光もとどかない
暗闇のなか
浮き上がることのない
記憶たちの墓場に
たどりつき
泣きぬれ ....
壁に埋まったアンモナイトを探して屋上動物園で象を見て
緑のソーダに浮かぶアイスクリームには一粒のチェリー
とっておきの休日を過ごす場はいつか地下へと降りて
毎日のちょっとした贅沢を持ち帰る場へ姿 ....
ドロドロした心で
うろうろしている
それがわたし
きえないわたし
おしえないで
ならうことがこわい
知らないうちに
わたしもあなたになる
秋色のはっぱ
だれにならったの? ....
走る
走るのは得意じゃない
喘息が出て苦しくなる
それでも走る
私のずっと後ろから
私の頭上を飛び越えていくものたち
この緑の大地を
このコンクリートで固められた街を
自由自在に飛 ....
うつむきかけて入ろう
肩の荷を降ろして
この時だけは何にも縛られず
純粋で居られるよう
あなたは守られている
あなた自身の背景に流れる音達の
千手観音の手達に押されて
ビート ....
ふかく息をすいこむ
落ち込んでいたこころが
いくらか楽になる
陽の光はとおいな
からだが冷たい
きえてしまいたいな
そう思うことがある
女々しいけど
しょうがない
よわいだけ
ひと ....
でこぼこ道を
なんとか歩いている
つまずいたり
たおれたり休んだり
よわいから
まけてしまうのだ
ゆがんだ心に
ふりまわされて
いつもひとりきり
こころ折れて
ふさぎこ ....
秋晴れと雲
秋刀魚が空を飛んでいる
捕まえて
七輪にて焼く
煙はもくもくもく
雲に戻って
海にも戻る
「水族館になにゆえサンマが展示されないか」
昔テレビで紹介されていた
忘れたけど ....
小刻みに震えながら重い足取りで進む俺
どこまでもリアルに灰色に広がる地平が
奇妙な高揚感を誘う
不意に吹き抜ける強風に
踊り出す手足はてんでばらばら
関節の軋む音 辺りに響き
俺は自分が薄 ....
彼女の美しさに打ちのめされるだなどと
分かりきっていたことなのに
お前だって例外になどなりえはしないと
よくもそんな風に思えたものだ
なにがお前をそうさせたのか
そんなことは誰にも分かりっこ ....
黒い夜の画布を背に
彫刻刀で刻まれた白骨のように
浮かび上がる鋭い流氷の切っ先が
すばやく流れる雲の切れ間に
瞬時に現れた細い三日月を
祈りのように照らし出し
私が確かに聞いたのは
....
「希望」が足りないね、と小さくレジで笑われた。
小銭の中には 絶望がびっしり入っていたので
安心していたのに、「希望」が足りないせいで今日
もごはんが買えない。
てっとり早く生きるために、 ....
もう遅いよ~
ごめんごめん
えと大丈夫?
ん?あっ寝癖か!
違くて
時間!?間違えた?
いやギリだけど間に合ってるよ
じゃ何が?
寒くない?
まだ秋だし
そうだけど
あ!ボタン掛 ....
ざくろのような憎しみを
胸の中に抱いている
綺麗にみえる実は
ひとつひとつ期を待って
はじける
はじける
赤い実は
少し甘くもありすっぱくもあり
私自身までもが
ぜんぶつぶ全 ....
思いもよらないタイミングで
民の意思が問われる時が来た
自然界に
完全な黒も
完全な白もないように
人に
完璧な論理は求めない
しかし
議論はしても
結論は決まっている
....
完結させたかった想いを宙にばらまく
君の気持ちに耳を傾ければよかった
自分の思いをちゃんと伝えればよかった
ちゃんといやだと言えばよかった
睡眠不足は揚げ足取りで上手く歩けない
....
熱もないのに
ぼうっとする頭
考えが堂々巡りでまとまらない
寒いわけでもないのに
体の震えが止まらない
何も食べたくないのに
ご飯だよって呼ぶ声がする
熱もないのに
何だか体が重く ....
何も この手から生まれない
何も この頭から作られない
何も この足では前進しない
何も この世界は正しくない
誰かの言葉が社会を回し
誰かの気持ちが個人を殺し
誰かの息が吐かれる度に ....
ミハエルは戦車乗り
幼い頃から軍人に憧れ
16歳で夢を果たした
女のような顔で
いかつい戦車を乗り回す
ミハエルは平和のために今日も戦う
軍人が嫌われるこの国で
彼の勇気を称えて ....
あたりを探してしまう
記憶からはじまるここではない世界
懐かしがることも
未来を夢想することも
むなしくならないように
あの音楽を聞いている
恋や授業や催しに
....
極楽浄土みたいに
阿弥陀如来みたいに
僕は浄土を持っていて
仏みたいなもんだ
宗教に惹かれるけれど
宗教に入る気はない
僕は神仏だから
信仰される立場なの
精神病棟の中で
一 ....
夜ごはんを食べた後に
必ず精神安定剤を飲まないといけないのに
もう三日飲んでない
私はインターネットをしながらビールを飲んでいる
もう三缶目だ
ちなみに一人暮らしの部屋はめちゃくちゃ ....
パクパククネクネが
愚かなのは
「腐った歴史を燃やさなければならない」
という親父の激烈なメッセージを
すっかり忘れ去り
相変わらず負け犬根性丸出しの
バカ自国民におもねったところだ
先 ....
暗闇に浸っている
暗闇に酔っている
ゆったり落ち着く
午前二時二十分に
俺は闇と対峙する
三歳から在る闇と
時が消滅していく
俺は闇に沈みいく
凄く落ち着き払い
俺は墜落していく ....
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