寒ければコタツがある
ストーブもある
暑ければ
扇風機がある
クーラーもある
腹が減ったら
飯がある
パンもある
病気になったら
薬がある
注射もある
重い病気になったら
入院 ....
落ちていくものを拾おうとすると
指からすり抜けていく苔のような
ぬるりとしたものを掴むような感
覚が視界の奥底にある誰もが知っ
ていてまだ見たことのない小 ....
空に罪はない。
今この場所から何度見上げたって、
星は見えないけど。
ビルに罪はない。
例え沢山の自然が殺されて、
その上に悠然と立っていようとも。
人に罪はない。
....
アールグレイを飲みたい季節になった
必ずミルクを先に注げと
脳内の英国人が作法にうるさい
記憶の断片で
お茶を入れると出てくる記憶
わかってるわよと独りごとを言い
たっぷり砂糖を入 ....
グレン・ミラーを聴くと
時々泣きそうになる
陽気な音楽なのに
父を思い出して
どうしてこんなに
切なく聴こえるのか
レコードに針を落とす父の
背中が見えるようだ
振り返 ....
失くした雨傘は
どこへいったのだろうか
降り出した雨に打たれて
ふと、そんなことを思った
雨はどんどん強くなって
雨宿りをせずにはいられなくなった
軒先から滴る雨のしずくが
....
肩から肘へかけて
冷たさが凍みる朝は
寝覚めはいいけれど
やる気は出なくて
それでもバスに乗り込んで
又三郎など読み直してみる
詩というものに憧れてみた
その時から
心は言葉の奴隷になった
紛い物ばかりが見えるこの眼球を
抉り出してしまいたい
記号しか聞かぬこの耳を
削ぎ落としてやりたい
そんな戯言を繰る ....
分かり合える仲間を探して街に出よう
もう一度やり直せばいいじゃないか
あきらめちゃダメっ子よ
悲しみに食い殺されないようにほら、ほほ笑んでおくれ。
窓はいつも開け放たれている
鳥 ....
両親が子を産み、その子らがまた子を産み、と考えると、
遥か昔この地球にいた全ての人間の要素を、私は引き継いでいるのでしょう。
個性というものは、多数の他者に似ていく過程で獲得されていくものであ ....
きれいなうそをつくひとでした
ぼくも苦手だと云い乍ら
わたしが飲めないシェリー酒を
こっそりひとりで飲むひとでした
きれいなうそをつくひとでした
ぼくの夢だと云い乍ら
わたしがせがんだ ....
思い出を吹き飛ばすような一二月の木枯らし
寒さに心を突かれ 午前六時に目が覚めた
うがいをした後 ホットミルクを飲み干すと
おじいちゃんの声を思い出した
「マサジ、寒い時は下着だけはしつかりと ....
いつかは
僕の次の人が来るって思ってた
降臨の準備をしながら
誰もしてないことを探してる
そこにいたんだね
劣等感で動けなくなる君が
そこにいたんだね
なにかが
僕にあらわ ....
ジジイの身体のまま
AIを頭に埋め込むか
ジジイの頭のまま
身体をロボットに変えるか
前者の方が長老的には
いいかもしんない
的確な意見をくれそうだ
それに比べ後者は
危険 ....
人口の口は
食べる口に違いない
地球が人口を支えられなくなって
その重みに歪み始めた
鳥が空を飛ぶのをやめた
魚が水を泳がなくなった
野菜たちは畑から歩きだした
稲が水田で革命の ....
猫はリラックスの天才
冬は
ひなたぼっこしながら
のーびりしている
身につけたいな
猫のリラックス
猫は威風堂々群れない
猫は単独行動が好き
王者の風格
何に対してもいつも威風堂 ....
プシュッ!
プルタブを引く音が一日に楔を打つ
ネクタイを少しだけ緩めた
午後十一時
泡立つ黄金色の液体を流し込んだ
喉が苦味で灼ける
祝祭とは程遠い
労働の味
それはワインであって ....
夜、貴方が明るい空を見上げて
「月が綺麗ですね」なんて言うから
「わたし、死んでもいいわ」と
有名な文句で返すの。
そしたら、貴方ったら
「お前がいない生活は有り得ない」
なんて、本気 ....
憧れる街は いつもディスプレイの中
モニターに入って人混みに紛れてみると
誰かの指で私はデジタル文字にされたり 欠けた映像として
スクロールされておぼれて消える
明日の浮遊物が明後日の沈 ....
この石の中では
絶えず雨が降っている
そう言って一粒の小石を
娘の手のひらに載せた
その人は叔父だった
いつでも青いマントを着ていた
血の繋がりはないけれど
とある出来事があって ....
私は未来に飛び散る花火。
重箱の隅を突くようなことはしない。
信号機は青だから渡ってもいいはずなのに。
自分を安売りしない。
母上のために。
自分を安売りしない。
父上のために。
....
すぐ買わなければと思う癖が
いつの間にかついている
買う前に
あるものですますことができないか
ほんとうに今必要な物かを
考える必要がある
収入に見合った支出をしなければ
生活が破綻する ....
重力に引かれて眠りに沈みゆく
数多の追憶の断片を
けたたましく喚く時計が
力任せに引き戻そうとするものだから
ほら、シナプスが千切れてしまったじゃないか
無垢な朝の光に出会うたび
鏡の ....
蒼い陽炎が翔ぶ昼下がり、
短い影をアスファルトに刻印する蛇の、
唾液まみれの純白の牙は、
貴女のマシュマロの喉元を、
ぼくの命の軽さほどもない覚悟で、
食い破ろうとする残酷な牙だ。
そ ....
誰もいない
誰かがいるような気のする 夕暮れ
コントローラーを握ってはいないが 固まっていた
そんな日に 僕はいた
そんな心は死んでいくのだろうか
それとも生きてはいないのか
生き ....
都会に行けば田舎に帰りたいと泣き
田舎に帰れば都会が忘れられないという
両親と恋人を秤にかけるくらいの、
推し量れない淋しさと重さを見ていたら
安住の地は無くなった
量り売りが ....
いま どらびだの駅だ
むかし おなじ名まえのくにを紀行したが
もうずいぶん前だったので
ぼうぼうとした
かぜの中あたりで 周囲を見まわす
駅舎があるとは知らなかった
いや
とうの ....
胸に抱えたコンプレックス
足元から立ち上る不安と苛立ち
自分が壊れそうになって
産んでくれた人に暴言を吐いた
誰にでもある反抗期だったからな
でも
父親には
怖くて従うしかなかっ ....
「私ハ正直者ダ」ト言ウ人ヲ
信ジテハイケナイヨ
真実ヲ語ル人モ
偽リヲ語ル人モ
同ジコトヲ言ウモノダカラ
「私ハ嘘ツキダ」ト言ウ人ヲ
信ジテハイケナイヨ
真実ヲ語ル人モ
偽リヲ語ル ....
蛇に出会えない
泉の滸(ほとり)にいない
けれど 硬い 蛇の兄弟の
運命への抗いを 忘れないで
見渡すこの街の遥か西方で
もつれ合うことを嫌った抵抗が
太陽に飛び込み自殺を図っ ....
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