朝、コンクリート塀の中で泣いている天使が
電線から垂れる浅葱色の
雨粒で僕を起こしてくれた
僕は宇宙を蹴ろうとしていたけれど、
朝は宇宙とは何の関係も無かった
その頃(いや今も)僕は ....
栄養価の高さがうり、ですと売人は説明する
レモン水を混ぜたキュウリのような味がする
急に冷えてきたので 理科の季節ですねと嘯く
多和田葉子さんの詩が好きですと言ったら
目を真ん丸にされた
ね ....
私という現象は何処から来て
何処に往くのでしょうか
月の女神に聞いても微笑むばかり
いま私は銀河を超えて
星巡りの歌をうたいます
物心ついた時から親からは
たわいないことでも頭ごなしに叱られ
どんなに反省しても
「何度言っても何の理解もしていない」と無能扱いされてきた
私もそうして叱られるのが当たり前だと受け止め
自分 ....
自らの居場所無くさないようにと
滲み出す果てない家族の団欒に
一時の幸せを噛み締め味わい吐き出し
果てを見切りて一切の血縁を切断し、
引き裂く力を凝集スル覚醒の魂に 、
わたしの絶 ....
「わたしの背丈よりも伸びたね」って、母親が言う。
そんなことはないはずんだんだけれど、
父親の遺伝なのかな。
それとも母親が縮んだのか。
果てない、家族の団欒。
少しでもその役に立てれば。
選挙に行く動機は不純
投票用紙のあの書き心地
その快感を味わうためだけに行く
普通の紙では駄目なのだ
あのユポ紙ならではの魅惑
なるべくゆっくりと丁寧に書く
嗚呼 ....
行間
行間
行間
改行
ぼくたちに足りないのは
もっと噛み締めるべきなのは
おおきな文字
ちいさな文字
それだけではなく
行間
行間
改行
空白
ただようなに ....
かなしみがはしりだす
ぼくはなにもわるくない のに
かなしみがほとばしる
ぼくはなにもわるくない から
おもたいまぶたをこすってみあげた
そらにはくもとひこうき
あかるくてまぶしい ....
昨夜は皿のような月が出て
そこにおだんごが乗ってたら
なんて
月を手のひらに乗せてみる
だいすきだよ
だいすきだよ
あなたがくれた
とうめいな指輪
くるくる回っている
....
吸う呼吸で自然を迎え入れる・・・
吐く息で自然にじぶんを差しだすように・・・
ずっと一人だった
世界と隔絶しているような
気がしていた
瞑想の呼吸法がすべてを変えてしまった・ ....
きわどい経験は何もなかったのだろうか
日本中から選択されて入るニュースは
いつも表層を滑っている毎日のなか
私と貴方は歳だけとってしまった のか
すでにSNSで得る判断後 ....
魚が目を閉じて
眠っている
あるはずの無い瞼は
わたしだった
わたしは魚に
たくさんの夢を見せた
空を飛ぶ夢
海深くまで潜る夢
家族と楽しそうに笑う夢
ふと目が覚める ....
ショー・ウィンドウのガラスのなかには、
首輪をされた二匹の犬。否、そのぬいぐるみ。
わんわん鳴くでもなく、ただ虚ろを見つめて……
ああ、悲しいって言いたいんだよ! 苦しいって言いたいんだよ!
....
こねこのなかの子が、こねこの声で母猫に甘える。にゃあ。
つまりどういうこと?
というのはね、このこねこのなかの子はじつはひよこで、
このお話が始まるまえに、まほうつかいがまほうをかけて、こねこに ....
僕らは惑星(ほし)に乗ってやってきたの
運命という名のもとに
君と出逢うずっと前から君を知っていたよ
黒髪の美しく耀く宝石みたいな瞳の君を
何千何億年も昔から
壮大な夢を描いてやって ....
街道沿いに流れている川の周りでは小さなビルが
うなだれたまま冷たくなった廃墟を眺めている
公平な爪が選ばれたビルをついばむ
粉塵に慌てふためいて浴びせられた水のしずくのむこう
太陽かなんか ....
書きとめられることのなかった言葉は
綿毛のように目の前をただよい
掴もうとする指の間をすり抜け
風に流され消えていった
明け方に見た夢を思い出そうと
目を瞑っても白く掠れていくイメージ
....
星の砂の上を歩いて亘る、洋館までの距離は計り知れないほど、遠く。線路上をとぼとぼと征く、男の姿は朧げであったが、なにがご機嫌なのか調子外れた鼻歌なんかがよく似合っていた。
その片手には黒く小さな ....
宿命は銃弾のように生身に食い込んでいく、それをペンチで引き摺り出すみたいに取り除くには相当な数のポエジーが必要になる、俺が馬鹿みたいに言葉を並べるのはその為だ、小奇麗でおしとやかな世界を偽造するた ....
彼女はゆらゆらと深海魚のように
磨かれた廊下を歩く
手のひらに握られたピースがあまやかに香った
休日の病棟はとても静かで
耳を澄ましてみても無音の廊下は揺るがない
空気は澄みわたり
光の廊 ....
確実に変わりつつある意識は
見ちゃいけないものを見てしまったようだ
社会からはみ出す
去年と今年ではまるで変わった
今年と来年ももっと変わるんだろう
カレンダーに予定を入れる度に失ってい ....
全ては必要あって生まれた
タンポポやコスモスの種のように
ユークリッド幾何学のように
そしてまた伝説のように
北の海の島のように
全てが意味深く感じられる午後
(感動も知らず)
同時 ....
ノートは大きなホワイトボードのよう
夢は夢の武器のよう
優しさは薄い薄いピンク色をして
でもしっかりレモンのパイのよう
寒い寒い東京をひとりで歩いた
その透明な そしてお菓子屋さんの匂いのよ ....
僕は海の青色を見た
道路の形を見た アスファルトはオブジェのよう
けれど僕は海の色を見られない
本当の色を知らない
桃の木とか知らない、その花も
世界の細部が好きなのに
何も愛していな ....
タロットカードの「吊られた男」みたいに、
人生はいつでも転機であり、過渡期でもある。
ああ、虹の橋を渡ってゆこうじゃないか。
だって君は、空をも飛べるんだから。
ワニのひっくりかえった庭 ~きょうも仕事づくえに牙たてて~
――ではみなさん、
喜び過ぎず悲しみ過ぎず、
テンポ正しく、握手をしましょう。
....
ちいさなやはらかなあなたの手が
わたしのかたい手から離れたとき
到来した秋の空はどこまでも青く高く
知らないうちに路傍の小花は咲き開き
ずっとずっと一緒だよといふ声
どこかからどこか ....
一粒の光りが無数の輝きとなって彼を包んだ
ろくに寝てないんだと彼は言ったけれど
無数の彼を励ます声に彼は応えた
ああ、それこそ彼なんだ
いくつもの難関乗り越え
堕落という道を選ばなかった
....
こどもの声が転げ回っている
かわいいようで
自分の手じゃとどかない
こころの裏地を引っ張られる
いやな感じもして
微笑みの抜け殻が
靴音をひびかせた
日差しが絡まって睫毛は重く
広い駐 ....
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