卒業生が二人しかいない小学校の卒業式で
いきなり携帯の着信音が鳴った
着信音はメロディーで「川の流れのように」だった
だれの?だれの?だれの?┅┅
後ろの保護者席でさざ波がたったが
当のおば ....
落ちているゴミを躊躇いなく拾える人はシアワセです?
落ちているゴミをシカトしてしまった私は
世界に氾濫しているその他オオゼイのなかの一人です
もしかしたら
シアワセにはなれないかもしれませ ....
限界集落の夜は
一段と淋しさがつのってくる
月明かり星明かりの下に
ぽっぽっと人家の灯りが見える
夜になると車もほとんど通らない
わずか28世帯の自治会である
ここに今55人の大人と4人の ....
空を見上げると 光達が
一番星に向かって 集約されている
だからかな 三角形が 煌めく理由は
そう 云いながらも
輪になって踊る
噴水の周りに集う影たちが
一瞬にして 立ち止まる
....
その夜店のトウモロコシは
あたたかくって
なんどか塗った醤油の香りが
香ばしくって
チープなくせに割高な値段設定は、
その夜の特別なお祭りの熱気代も
込み込みなんだよね?
....
静かな日曜日だった
私は雨を見つめていた
雨は何一つ語ることなく、地面に降り注ぎ
そして何も主張することなどなかった
私と雨は窓を挟み、内と外に居た
それぞれが語るわけでなく
心と心を ....
虚無から生まれる露草の空
瑠璃に混じる雀鯛
長方形に切り取られた夜の夢
海に浮かぶ星は
――まるで金平糖のようだ
――ああ、そうだな
「またこの場所で逢おう」
彼は仏教徒で釈迦に仕えている、例えイエスキリストが私を信じなければ地獄に落ちると言っても、彼はイエスキリストを信じることはないだろう。イエスキリストが彼のもとに来て服従させようとしたら、彼は怒声を上げ ....
白い光があなたの耳を透かしている
あなたの血管が浮かび上がる
透けた肉は赤く
あなたの心臓はいま動いている
あ、また、つい、なんて凝視しては
なんでもないよと手を握る、握り返す
あたた ....
人身事故
線路に人が飛び込んだ
電車が遅れる
文句を垂れる人々
わざわざこんな所で死ななくともと
でも違うんだ、それは違うんだ
ここで死のうなんて、きっと思っちゃいなかったんだ
....
なんとなしに毎日忙しくて
毎日が満たされているような気がするとき
詩が生まれない
ペンを握って紙に向かうことがない
詩が生まれない
疲れているとき
なんとなく浮かんできた言葉が ....
ウンコがあると蝿が湧く
しかし、蝿は自然発生する訳ではない
ウンコを目指して何処からか
やって来るのだ
そんなことは当たり前だと思うかも知れない
では、自称詩人はどうだろう?
あな ....
僕の悲しみがある定点
根底にあるこの塊
辿り着けない
星空にある点と点を結んでも
人格の先を行く本能
あなたの胸の中にあるのは宇宙
唇から流れた、それはまるでカーニバル
....
オレンジ色の
小さいやつ
オレンジ色の
可愛いやつ
指のあいだで
静かに燃える
立ちのぼる
煙は天へ
プカリと浮かぶ
体の芯
こだまのように
頭の中が鳴っ ....
桜クラクラ花粉症
苦楽をともにお花見しよう
うららかな日よりであれば
暗くなっても寒くはあるまい
落魄の危機身近に迫り
苦しい体もあるなれど
楽観思想我にあり
悔いは残さぬ花 ....
8歳の娘が片付けを手伝いながら言う
「あたしねぇ、皆んなが笑ってくれたら、嬉しいもん」
「お前は偉いねぇ」
「だってねぇ、お手伝いで皆笑顔。あたしも笑顔」
お前は天使かっ!
病にかかる
まず想うのは痛みについてだ
つぎに思うのは
こんな痛みのなか
立派に生きているひとについてだ
しかめっつらのウグイスなんていない
春らしい冬なんてない
....
なぜみんな
ほんとうにみんな
よごれていってしまうのだろう
うたがうこともしらず
きずつけることをおそれ
そっといきてきたものたちの
こころのかいをこじあけ
よごれたみずがしんにゅう ....
敷き詰められた錦に降り積もり
やがて滴り流れ
今そこにひろげられた幸福
のどか囀ずりささやかな
あれは雲雀
さやか空気流れ
こころ大いに膨らむ
○「喧嘩」
喧嘩は
いつでもできる
喧嘩しても
いいことはなにもない
意見が違っても
仲良くする努力をしないと
いけない
○「野の花」
散歩していたら
美しい紫の野の花が
道 ....
その荒野を歩めば
やがて断崖
それを知るひとひら
愉悦に近い最期
その道を歩め
眼を閉じて
重力を感じて
安らかに
こころ握りしめて
怖れずに堕ちよ
俺は地獄で待とう
君の詩が
....
ぶざまにも
地の果てでゲロを吐いたよ
この地球に酔いつぶれてしまったから
もしかしたら
地の果ては砂漠のどまんなか
それとも氷河の上
地の果てでゲロを吐きながら
地の果てが何処か ....
僕たちは飽和のなかでなにかを学んでゆくあるいは欠乏のなかで
僕たちは清潔な生活を棄て快適で不潔な世界を夢みている
僕たちは邪悪な想念をふきこまれて育った孤児なのだろう
首都高の霞ヶ関 ....
穴に堕ちて
もう二度と
上がって来れなくていい
今回の自己嫌悪は
それくらい深い
私が抉った傷は
もっと深い
拭うことのできない悲しみは
自らの罪
恥を上塗って
怒りを伴って
悔 ....
月の光が少年を飲み干して 枕元に血が滴り
百足たちが遊魚のように飛び跳ねる
全身が軋む
恐ろしい夜
夜明け、窓を開けると
空に、明星が瞬いている
テーブルにこぼした煙草の灰を
手で、掬いとっているうちに
夜が終わっていく
春先の暖かい雨は、降り止み
朝日が微かにひかる
神経が泡 ....
「周ちゃーん!」
パパとママと手をつなぐ息子の
後ろから、女の子が呼びかける
周が、まだ言葉を知らなくても
すぐに反応がなくても
女の子は小さな春風と共に
保育園の門へと、駈けてゆ ....
朝の鳥はうるさい
昨夜のことを話し合っている
方向性をきめている
どっちの空が安全なのか
そんなことではない
朝の鳥はいそがしい
こどもが親の後ろを泳ぐ
どこにえさがあるのか ....
やっぱり自称詩人は
とても不幸な存在なので
一人残らずいなくなる世界
を目指すべきなのです
この場合、短絡的に
「それなら自称詩人をみんな
ガス室送りにしたらいい」と
考える人がいるかも ....
悲しみの中にある悲しみや
喜びの中にある喜びの分かり辛さだけは平等で
手に入る物の価値は不平等という事に傷付く
頭の良さと家庭環境は案外比例して
この手にある怒りを放出する ....
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