いつの間にか落ち込んで、本棚の隅に引っかかっていた文庫本を見
つけた。手に取って頁の目地に溜まった埃を払う。
金沢市片町1-1-23 07**−61−7950
古い住所のその ....
夏は嫌いだ。
だから死ぬなら、突き抜けた青い空がどこまでも続く夏の日がいい。
死に方はなんだっていい。じぶんで自ら命を絶とうが、誰かに命を奪われようが。
だけど、死ぬ場所は室内がいい。
窓に四 ....
知らない魚と出会いたいだけだ
魚に知らないと言われたいだけだ
名前などいらないというわけだ
欲しいのは忘れられる権利
ふるさとをなくしたところで
さて今日はいい天気だ
言葉を持たないどこか ....
地下鉄のホームの端には観音開きのドアがあり、さらに地下の映画館に続いている。古い時代には小劇場であったらしく、今は喫煙所になっているあたりにはかつて営業していた食堂の名残が認められる。観劇の前にそこで ....
和歌はわからない
詩は知らない
俳句は苦しい
1.蝉の脱け殻
階段を登っていると、カサリ と音がした
足もとに目をやると、蝉の脱け殻が潰れていた
私はそれが、崩れてしまわないように、
そっと、ポケットに仕舞った
2.虫籠 ....
子どもは
社会をうつす鏡である
子どもをみれば
家庭がわかる
学校がわかる
社会がわかる
子どもは
家庭の中で
学校の中で
社会の中で
教え育てられたものである
よおて
ぐちばかり
ゆうて
ねても
いびきかくと
「ウルサイ」
いきて
さびしいと
ゆうて
いまも
まいあさ
しんで
しんで
しんで
しんで
....
いつの世にも
悪法に泣く庶民がいる
遠い昔の 生類憐れみの令
そのお犬様は
今はリサイクル
リサイクル リサイクル リサイクル
リサイクル様のお通りだ
税金 ....
詩が書けなくなったせいで
何も書きたくなくなった
詩の一編は
米一粒にもならない
空から落ちてくる無数の水滴
温かい空気は冷たい方に移動して
電気の溜まった天空に稲妻が走る
....
朽ちない白い 小さな花と
朽ちゆく赤い 大きな花と
今夜は何の夢を見ようかと
腐りゆく水に 足を浸しながら
ぽつり ぽつりと 言葉を落として
顔を上げると
月はなく ....
昔々ある山の麓に、綺麗な水を湛えた大きな湖がありました。
水際には雪のように真っ白な小さな花が咲き乱れ、いつも、きらきらと揺れながら、囁くように唄っていました。
いまは昼。 のちに夜。
....
久し振りに見た友は
額の正面の髪の毛を白い塊にして
少し垂れ下がった目尻には
細かい皺を溜めていた
よう !!
お互いが働き盛りたっだ頃に
道を分かった友は
なんと逞しく生きて来 ....
人の子に似た声の機械が
荒れ野に山と積まれていて
自分以外を呼びつづけている
舌先に燈る火のなかで
ひとりの鹿が会釈する
目を閉じた笑み 風の音
水のにおい
....
便器の渦から助けた蜘蛛に
自己満足という名をつけて
窓も餌も無い場所に張られた巣を
ぼんやりと眺め泣いている左目
ちよこは
「東京には海がない」
と言いながら
大坂なおみに対抗して
江戸前寿司を40巻食った
東京なのか
大阪なのか
ただでさえ
何言ってんのか分からないのに
いい加減
はっき ....
青いレモン
レモン 雨
....
透明な箱が
横たわっていて
埋めることも
奏でることも
触れることも
できない宇宙に
立ち向かうけれど
思い出や
CDの曲や
未来の夢さえも
空白の時間を
必要と ....
疲れ過ぎた旅人 詩さくの森へ ようこそ
樹海のしらべは 虫の競演 ささやく小鳥 つぶやく木陰
小川のせせらぎは 感じる者に寄り添って 曲を創り奏でる
静かなる 七変化の湖は 甘く、辛く ....
○ワイフが
「あれはどうするう?」
と尋ねたすぐ後で
「なんだったけ?」
と聞いた
○切れそうで切れないのが
ワイフの長電話
○顔が化ける
声が化ける
態度が化 ....
汗ばむ身体
あなたが振り向いた瞬間
色褪せた夏がぼやけて見えた
積み重なった夏の記憶
重みはなくまだ足りないくらい
終わりゆく夏の
後ろ姿を見つめて
寂しさを感じさせる影
....
宣言してから
12年になる
その間誰かが
関心を寄せることも
なかった
仕方がないので
もう一人の自分
ある時は水虫ジュク夫
ある時はあら意外等の
影武者に入れ代わり
「ツノラーさ ....
通勤時の飛び込みほど
迷惑なものはない
飛び込んだのが自称詩人や
その家族だったりしたら
電車の代わりに
俺が撲殺してやったのによと
忸怩たる思いだ
おい、おい、鉄道関係者諸君!
そん ....
むごい位置にゴム印が
落ちて居た
押すと五重塔が現れて
今を更新する
ケーキが食べたい願望を
不自然に抑圧するのも
不健康だから
五重塔のてっぺんのカラスを
目指して昇って行けば
柿 ....
つめたい身体をおしあてて
かたちを図ろうとしている
空白 不在 「想像上の」
まるで動く点みたいやな
ひとつの過去もゆるせない身体って
そうでないもの を積み上げて
それを見つ ....
花形しんじとかこほーとか、相手にしなくてもおもしろがってうなづいてるおまえらよ、きいちごにクソ塗りつけて低い鼻ふくらませてる悪玉菌だろ?なんでこんなのがいまだに彷徨いてんの?はよ閉め出せよおまえら ....
よくもまあ
同じようなバカが
登場するなと思ったら
こいつら全員同一人物だから
至極当然のことなのだ
こんなバカの存在
一人でも
宇宙的悲劇なのに
それが二人も三人もいたら
ブラック ....
少しだけ
冷たくなった風が
両腕の周りで
遊べるように
選んだ半袖を
迷うのもあと
どのくらいかな
素肌を感じる
心地よさを知った
僕の体温は
低いのだけれど
夏の太 ....
枯れ果てながら
忘れられる花は
一年後に咲けば
思い出して貰えるのに
頭の中で回る
ダイヤのような
君の記憶は
何を照らすだろう
新しい道を
歩く人がいて
振り返ることが
....
見えているのに見えないふりをしている。うっすらと埃の積もった本棚、弱っていく観葉植物の鉢、皮膚の下の小さなしこり。生活が生活でなくなり、わたしが人間でなくなるのはどの冬の真夜中なのか。水道から流れる水 ....
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