枯れたバラ園のそばで
鮮やかな過去に埋もれて
もう聴こえないヴァイオリン・ソナタの
朧げな旋律を追いかける
厳しく美しい冬
風は心の奥まで
凍らせようと目論んでいる
死んだ土をす ....
そういえば蛾を見ない
みのむしなんかも見かけない
Wi-Fiのせい?
そんな気がする
もうやけになって
いっそ世のため人のために生きたくなる
そう決意するのでは ....
夕暮れという輝きが街を流したのは
言葉が言葉になるよりも、ずっと前のこと。
地平から幾筋にも分岐した時間は
人びとの膝下で、打ち寄っては引いて……。
わたしは誘われている。
どこ ....
自称詩書いている
暇があったら
餅代稼いでこいや!
そしてその餅を
噛まずに飲んで
窒息しろや!
もっと稼いで
ダイソン買って
それで吸ったら
助かるかもしんねえぞ!
一生掛か ....
人を愛するってこういうもの
光に惹かれ
闇に悩み
だけど愛さずにはいられない
その人の
光も闇も
あなたは変わってしまったけれど
私が
変えてしまったのかもしれない
側に座りながら
肩と肩の間の距離を測った
もう光年で例えたいほど
遠い、それ
あなたが ふと
眠る前にひとつ ....
この世界は
小さな悲しみの積み重ね
繊細に透き通ってしまうと
もう生きていけない
だから時々
遠くへ行く
時間軸のないところ
ただぼんやりと抽象的な
言葉や音楽の中
....
*
それでもいい
遠い足音の偬しみも
かわした言葉のすべてが いつか跡形もなくても。
ぼくらの中にだけ積もってゆく
ただ、それだけ、であっても。
純度の高いまだ ....
スポーツで一人の勝者が嬉しそうです
発明した一人の人間が嬉しそうです
空前の高収益を上げた一人の起業家が嬉しそうです。
そんなもん もうやめようや 真面 ....
僕は長い長い花葬の列に並んでいる
空は茜と群青の混じり合った見たこともない色をしていた
片思いが死に変わる瞬間がもうすぐ来る
君の顔は花に埋もれ見えはしなかったが
死臭と花の香りの代わ ....
夏コミ
ガロイ先輩の冊子の山は夏の氷のように無くなり、最後
の一冊を手に、どうしてこんなもの、と皆目見当もつか
ない僕に、代々木駅掲示板のカリスマだったんよ、とチ
ブラさんが明後日を見なが ....
女の人には閉経があるのに
男にはそれに相当するものがなんでないんだ
女の人は閉経によって妊娠と月経から解放されるようだけど
男は生殖からけして解放されないって訳かよ
ある意味公平じゃないん ....
ソテーされた鮭が
鮮やかなピンクの身を
煌めかせ
固く炊き上げられた玄米が
香り立つ
岩のりが添えられた
ほうれん草の緑は
彩りを添える
しかしながら
これらの魅力的な惣 ....
仕方ないわよ
僕が悩み苦しんでることを彼女に打ち明けたら彼女はそう言った
仕方ないわよというのは簡単だ
僕にとっては仕方ないで済む問題じゃない
包茎で短小なのは男にとって屈辱だ
僕は悩んでる ....
退院直後父は湯呑を差し出して
「あと少しだけ、水が飲みたい。」と
看護師の母と妹に言った。
手の震えを抑えつつ
湯呑を落とさぬよう
中々力の入らない両手に
ありったけの力を込めて。
....
季節外れの薔薇をみた
薔薇を吸えば棘にひりつき
裂けた咽喉に根を張り、歌う
あぁ、私は美しさ故に人を傷つけても
こうして許されています
(なんて傲慢……)
咳は止まず、薔薇を吸 ....
思いめぐらす ラブレター
通学途中 カドの文房具店
初めて便箋に手を伸ばす
心の中はパズル模様
白い紙に縦罫線だけのもの
パズルを解き明かし
罫線 ....
机の上の
真っ白な
紙に向かい
詩を書こうと
意識を集中していると
部屋の左側から
異様な冷気
立ち上がり
彼方の界が
現を圧して
滲み出す
部屋の外では
稲妻物凄く荒 ....
スポーツで一人の勝者が嬉しそうです
発明した一人の人間が嬉しそうです
空前の高収益を上げた一人の起業家が嬉しそうです。
そんなもん もうやめようや 真面 ....
これは
光のせいかどうかわからないけれど
私は体を持ち
呼吸をし
希望を持っている
これは光のせいかどうかわからないけれど
大丈夫
私は必ず守られる
これは光のせいかどうかわからないけ ....
ピアノは宇宙から降りてきた
そのピアノではなく
ピアノは宇宙から降りてきた
人と同じように音色を通わせて生きている
宇宙まるごとの芸術を
人と同じように佇んだり挑んで生きている
....
空のハサミがギラッと光って
伸びたばかりの髪の毛を切るなら
もう振ることのない尻尾が絶えて
地平線の高さに置く心臓
ポニーテールの重力をばら撒き
痺れるほどの痛みに溺れた
路上 ....
真夜中の解放区にたどりついて
心はこわばっていた輪郭をほどいてゆく
すると時空はみるみる遊色化し
心の奥に隠れていたいちばん柔らかい部分と
とめどなく融け合うのだ
やがて眠りがお ....
小さな羽虫が 転がり込んで来た
此処は お主の住処ではないぞよ
仙人の声も届かない程の爆音が
毎夜 繰り広げられる街
静かにスターターを切り
レシピも驚くほどのスピードで
シグ ....
現実を直視できない眼は
はるか彼方遠い空を見ていた
現実から逃げたい自分がそこにはいた
夢のような物語りばかり思い巡らして
えがこうとする絵図
だけど
画用紙は破れて
色の欠けている ....
それはおそらく血の記憶だろう
未生以前に何度もみた風景
空を見ていると思い出す
場所も時代も飛びこえて
同じ空の下に佇むただの目
この幸福感はなんだ
覚えのない郷愁は
私に遠 ....
とっくに賞味期限がきれています
それでも、よかったらお召し上がりください
味はそれなりについてますから
何も足さず引くこともありません
どうぞイヤらしい眼で見てください
ご遠慮なく見 ....
青い雨が
灰色の空から降り落ちる
夢の中
白百合の頭部が
ポツリと
落ちる
小さな三角形の帆を張った胸が
なみだの波紋で揺れている
だれにもしあわせを
届けてあげられないので
....
Dance!Dance!Dance!
押し寄せる刺激的なメッセージに
いつの間にやら頭は痺れ
我を忘れ礼を忘れ時を忘れ
忘れた事も忘れ忘れ忘れて
誰もが誰かに踊らされてる
君も僕も踊っ ....
光の空、
いよいよ透明に青散らし
冬、深まる
深まる冬に
強い熱放つ、
太陽は天に貼り付いて
霊園に佇む墓石たち、
しづかしづか 白骨を打ち鳴らす
水を運ぶ両側で
一つの墓石 ....
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