久々の実家に泊まり
ふと手をみれば
爪はのび
父と母はよたよた、歩く
○「仮面人間」
「おとなしく真面目」という
仮面をつけておれば
親や先生は安心する
○「人の本質」
人の本質は
何に苦しんでいるか
何を楽しんでいるかに
現れる
○「絶対の言 ....
この目に見えないもの
たとえて言うなら
この世界の片隅
何処だよそれ
漠然とし過ぎだろ
地球は文字通り球形なんだから
この世界の端とか
真ん中とか
有るとしても
どこを指すの ....
青白む空に星が燃やされていく
ささやかな虫の声と
なめらかな雲の影が葬列を成して
焚きつける東の空は間違いなく翠の色をしているのに
遥かの路上を引き裂くタイヤが全てを置き去っていく
心で ....
お気に入りの場所バラ園
何十種類もあり
魅力的な香りに酔いしれる
広いバラ園は長くこの場所にある
カフェなどもありちょっとした観光地
若者たちよりも
初老の夫婦をよく見かける
バ ....
死ぬ時は死ぬ時の
風が吹くのではないですか
内側の草むらが騒ぎ
いくつかの虫が飛び上がるのでしょうか
あれは何? 毛布?
黒い毛布を吊るしてカーテンにしてください
瞼の上から光が眩しすぎる ....
なのに
たゆたうように月は光りつづけ
あきもせず夜空を見上げる
あなたの横顔が冷たい
聴こえるはずのない
化鳥の鳴きごえがした
なにかを奪い去る甲高い意志
その悲しみを ....
歩いてきた道を引っ張ったら一本のロープ
あなたの道はからまって寒い夜の吐息
手を離せばロープはひらひらと花びらに変わり
あなたは残された花芯
それから間もなく雪が降り積もるから
真っ白な世界 ....
霧と緑が
空に到くほど昇り
その反対側は
水平線を覆い尽くしてのびている
夜と鴉は無言で争い
少しずつ異なる記憶が
水たまりの底に並ぶ
小さな波に歪みなが ....
8憶光年離れた所から
昼寝中の僕の所へ
死んだ母親がやってきた
わざわざ
「もう、あなたのことを守れない。」
と
言いに来たのだ
天井に映る暗い顔
約束が違うな
思いつつ
....
あなたはもう
帰る場所を決めて
私が乗り込む事の
できない飛行機の
偉い座席に座り
遠い国から国へと
渡って
記憶の中に
新しい砂を撒いて
私の姿を消して
いくでし ....
死神が
美しい乙女に恋をした
死が近づいている乙女を
冥府に導こうと来たのだが
そのあまりの美しさに
恋に落ちたのだ
ところが 乙女はまだ自分に
....
懐かしい言葉で会話するには
心の壁に反響させながら
自分の声を拾うための装置
駆け出しのリズムを叩くスティック
誰かが割り込む思い出を捨てて
人というものから離れてる
生き方をして ....
西で三角形がもえつきると
靴ひもはぐすぐずほつれ
朝は 鳥たちの夢になる
はばたく
さいしょの一羽が泣いていて
さびしさは空をあかくした
群れは ゆっくり
ゆっくりこま切 ....
双方向に惹き逢う心はとても愛しく
逆方向に背き合う人はとても冷たい
*
滑車も車輪も歯車も
進むための物体
動かすのが人間
皮を被っただけでは
上手く操縦できない
誰に ....
磨いても磨いても光らない
いったい
いつ輝いていたのか
目にいたいほど
肌をえぐるように
光をうばうほど
輝いていたのかしら
ああ
ある日、ぼくは夜の町へと逃げだした。
夜の静けさのなかで、色々なことを考えた。生きる意味とか。このしんどさはどうすればなくなるのかとか。
あの頃のぼくは、とてもしんどかった。とてもつらかった。この ....
サウジの記者が
江戸川乱歩の主人公みたいに
されちゃったらしいが
私は何とも思わない
いい加減なことを垂れ流している
日本のマスコミ連中は思い知ればいい
反撃の機会を伺っているのは
サウ ....
恥知らずなところが嫌い
もの凄く頭悪くて
勉強も仕事も
何やらせてもダメで
低収入で
社会の底辺を這いつくばってるくせに
まだ望みがあると思っているところが嫌い
生きて行く上で
やらな ....
やみくもに色を塗り続けて真っ黒になるみたいに
いろんな感情をぶつけて心を塗り潰したい
ばっさり切った髪は、忘れたからでも吹っ切れたからでもない
落とした視線の先
長い髪のシルエ ....
溶鉱炉で白熱する
脳髄
掬い上げれば
途端に
灰色の唄が
を
始まる
始める
歯で噛む
歯応えの無い
灼熱
一オンスの光る肉
歯も溶けているし
口も無いから
大脳皮 ....
雲の切れ間から
青が光って覗いている
俺はくたびれ脱力して
道端に腰掛けている
わけの分からない宣伝カーが
ゆっくりと通り過ぎて行く
ひんやりと動かない空気
傾きかけた太陽
何も変わら ....
秋空の下
漱石の「こころ」を読む
「坊っちゃん」でもなく
「三四郎」でもなく
「明暗」でもなく
「こころ」を読む
靴下の日焼け跡が残る足
それを隠すために選ぶ長さが
メスシリンダーの目盛りを上げて
短い夏に終わりを告げるよ
新しい靴下が止まる場所に
黒いサテンのリボンが似合うから
翼を広げてどこへ ....
切り落とした無数の黒髪が
浴室の床に散らばっている
鼓膜の真横から聞こえてくる
二つの刃物が擦れ合う音
例えるならば泡
閉ざされた水槽の底から
少しずつ浮かび上がってくる
泡 泡 ....
シューベルトが作曲するとき
意識して
あるいは無意識で
ほとんど
といってよいほど
歌曲の世界へと向かう
ストリングクァルテットが ピアノクインテット ....
たまには
こっそり
味噌ラーメン
一人
かくれて
味噌ラーメン
仕事の合間に
移動の途中に
立ち寄り
すする
たのむのは
いつも
同じメニューのはずなのに
メニューブック ....
青い秋空を背負って大きな芋虫が私の頭上を走り去った
半分だけ残った発泡酒を飲み干せばB級映画のような
夢を見ることが出来る
それで満足
いつの日か、私は私の墓標を見ながら
誰かが供えてくれた ....
よくわからないけど
人は土でできているらしく
それなら私、自分に種を植えよう
今は秋だし、春咲きの花なんていいんじゃないかな
お芋とかトマトとか、おいしいものもいいし
ねえもしかした ....
いびつに切り貼りされた現実の、ぺらとぺらのすきまにきみはしがみついていた。きみの顔をのぞくこの瞳はさながら怪物に見えるだろうか。差し出した爪の先を巨大な肉切り包丁とたがえるだろうか。鏡なんて当てになら ....
942 943 944 945 946 947 948 949 950 951 952 953 954 955 956 957 958 959 960 961 962 963 964 965 966 967 968 969 970 971 972 973 974 975 976 977 978 979 980 981 982
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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