からからと
転がる青い日傘
レースのカーテンにとまる蜜蜂
ありふれた言葉の羅列をたどり
ふり返り笑う
命の儚さ
虚さ
ひとは過ちを繰り返す
からからと
転がる青い日傘
....
みだれるこころ、
疲れ果て、たどり着いた夜明け。春の日差しのなか
喜びも、楽しみも
あきらめて
よろめいて つぶやいて 背中の羽をむしり取られ
飛べない
弱さと 恐れを抱いて
不安の海を ....
ある日少年が目覚めてみると
背中に翼が生えていました
とても大きくて重そうな翼です
少年は空を自由に飛びまわることが夢でした
なので嬉しくてうれしくて
早速その翼を羽ばたか ....
明日はどんな顔をして
ボクを待っているだろう
笑って迎えてくれるカナ
それとも怒って殴られるカナ
そもそも待っててくれるのカナ
こんな こんなボクなんか
ボクはどんな顔をして
キミに ....
男の髑髏を擂り鉢に入れ擂り粉木で砕き擂り潰しながら傍らに置かれた壺の半ば迄腐らせた自らの血を柄杓に掬い垂らしていく
黒ずんだ液になったのをみて両の掌に掬いとり口に含むと舌で撫で付け広げていった
擂 ....
最期は自分らしく
過ごしたいんです、だから
テレビの向こうで
透明な声
自分の最期くらい
自分で決めたいと
彼女の声は
静かで揺るぎない
そうかな
私は食事の手を止めて
....
愛情なんて見えないものより
セックスなんてよくも悪くも見えるものに
バカみたいに本気になってたあの頃
一組の男と女から
家族の歴史は始まり
愛情なんて見えない筈のものが
段々に見えてき ....
娘が二人いて、二人共中学一年の終わり頃から不登校になったよ。
俺は三十代の半ばに縁があって結婚し所帯を持った。それ以前は飲食店の厨房で働き店を何軒か転々としていたが、十年近くはM駅前の洋風居酒屋で働 ....
この忌々しい
憎しみに満ちた
いつも苛立っている
人生を棄てたい夜もある。
そっと、だ。
人も、仔猫も、眠るコタツで
ここからはじまる春の風に寂しさが
青ざめていくのだと ....
君の手には千円札が一枚ある
それは誰かにあげるための千円だ
千円あれば 貧しい五人家族が
一日生き延びられる
子供達は学校に行き
親は仕事を探しに行く
千円あれば 動けない一人の障 ....
人のからだに宿る
{ルビ硝子=がらす}の魂
密かな通路は
小宇宙へつながる
意地の悪いことを言ってみたりする
目的なんてないけれど
自分の本当のキモチを分かりもせず
とりあえず言ってみる
楽しくなんてない
まったくない
ほかになんと言ったらいいのか
言葉が見当た ....
私の中にいる一匹の苦虫君
コイツがなかなかやっかいだ
うずを巻く感情は
日々の暦を{ルビ捲=めく}るうちに
凪いだものの
誰かのたった一言で
むくれた顔の苦虫君が
いつのまにやら居 ....
待ち合わせは19時
人智で朽ちた世を
きっと春雷が明るく
美しくしてくれる
さあ
行きましょう
サクラの木の下へ
サクラのチップで
燻製にした
シカやウサギは
美味 ....
wikipediaで
今話題の
カルロス・ゴーンのページから
リンク先を辿って
葉月里緒菜のページに
行き着くことができたなら
あなたはきっと幸せになるでしょう
だってwikipedia ....
十年前の自分と一緒に心の遠足に行こう。
ここには約束がある。
真昼に月が出るように
青空に咲いた星の花
私は君を探していたよ
太陽に負けない君の輝き
手に入ることはないだろう
それでも眺めさせてくれないか
気が向いたら合図を送って
地上 ....
宙空に
吊るされ
巨大な空虚が
肉身を引き裂こうと
している
足場は奪われ崩れ
奈落の底を眼前にし
私はそれでも
前へ前へと
自らに言う
不安と恐怖に
貫かれながら
もう駄目な ....
おすまししたミシンさんの濁った油には、
シルクピンと埃と三月の寂しさを愛しくさせる成分、
例えば、先輩の輝かしい功績やひたむきな放課後、
後輩のまっすぐな憧れや貪欲な昼休み、
その間に挟まれた ....
洗濯物を畳んだ後で
しを
仲直りしないまま
しを
いたずら電話の後で
しを
ヘイトスピーチの後で
しを
首脳会談の後で
しを
弾劾裁判の後で
しを
燃えないゴミの日に
しを
....
しゃぼん玉と
握手を交わしながら
掌に伝う
虹色の雫
弾いてしまった
鍵盤のように
瞳を震わす
メロディが欲しい
ターンタターン
用意されたのは
大きな舞台で
人と結ばれ ....
一輪挿しの花を
わたし達はただ愛で
やがて枯れたならば
裏の畑に埋めて
忘れてしまうでしょう
なぜ、忘れてしまうのでしょう
そうして人々はまたこともなく
明日の朝を、明後日の夕を ....
集めたものより
与えたもので
わたしたちはできている、らしい
逆をいえば、
わたしたちは
足りないものをおぎなうため
ひとに何かを与える、
のかもしれない
ミ ....
梅雨のあけない海で
貝は静かに海水に身をまかせ 霧を弄ぶ
怪物のように伸びたコンクリートの橋脚が
海抜ゼロメートルから立ち上がり
山峡を跨いでいる
トラックの轟音と排気のにおいが雨音と混ざり ....
涙のない光の夜に
闘いは風をひもとく
桜に集まる少年の歌は
一つになる静かな歌
一番なんて言わない
遊びなんだもの
光によって歌によって
始まりになった春の扉
パラパラと振りかける
殺風景から出汁をとる
彩りなんていらない
味で決まり
正面にぶつかって 腕を直角にパキパキ振る
末広がりのヘアスタイルに
器がついていかないシルクハット
....
人間として信頼されるより、
女として愛されたいよ。
そこには多くの家族がいて
大きな机の上に並べられた
温かいものを食べていた
それぞれが思うことを
なんとなく話して それとなく呑み込めば
喉元は 一晩中潤った
天井の蛍光灯が点滅を ....
心の海に巻き戻すフィルムが
情熱を失くし灰になる夜
思い出せないあの頃のように
いつか消えてしまうものを何個も
抱えた身体に光のスキャン
爆弾みたいな重さと匂いで
解るほど簡単な夢 ....
近所の曲がり角
夜の雨に濡れて煉瓦と
あたたかく帰る人を待つ街灯の
そのひかりが
煉瓦を光らせていたのは冬のことだったか
春がもう きている
梅の花びらがあたたかな煉瓦の上に
白く舞って ....
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