○「抜ける髪」
ワイフが
髪が抜ける
髪が抜けると
僕のそばで嘆く
抜ける髪があるうちは
幸せさ
と僕はささやく
○「闘病生活」
闘病生活は
医者不信との闘いにもなる
○ ....
悲しいことがあったなら
目を閉じて数を数えなさい
ひとつ。1歳の出来事
ふたつ。2歳の出来事
そんな風に思い浮かべながら
自分の一つ先の歳まで
人や運命を憎みたくなったら
海を憎 ....
ただ、青くて
細く収束する顎の形
幼い紙質の上に
設計図面を描くといつも
自動扉のところで
ふと途絶えてしまう
お昼の休憩中
遷都のようなものがあった
街のいたるところから ....
住処にて恵方巻を食べる からかう者、不意に驚かす者部屋になし 故に閑静の中無言で平らげること易し
しかしこの無音の安心による無言の保証、招福足りうるであろうか 猜疑するも、無言の誓いによる招福は寂寥 ....
遠くで誰かが泣いていたら
そっとそばに寄り添って慰めてあげよう
ただ横にいるだけでいい
何も喋らなくてもいい
喋らせなくてもいい
君の涙が目と頬の間で乾くまでじっと待つよ
君の胸深くま ....
(都々逸)
ときはいにしえ神々かがみ覗き込んでは不思議がる
(短歌)
優しさの小舟に乗りしその人は
無碍の光に守られていて
ただ叱る言葉ゆっくりなめらかに
....
疲れ果て家路についた途端
玄関の上り框のところで座り込む
今日の収穫物を大量に詰め込んだ
買い物袋を投げ出して
まるで萎んだ風船
力は抜け怠惰に体を床と壁面に預け
微動だにせず蹲る肉塊 ....
うずくまることばたち
原稿用紙の上に並び
ただ黙ったまま日の目を見るのを待つ
薄いビニール袋のなか息を凝らし
どこか遠くへ旅して
誰かの目に留まるのを今か今かと夢みる
日が暮れてまた新しい ....
雨上がりの公園の
澄んだ池の向こう遥か、
大きな巨きな虹の架かり
一色、一色、一色、一色、一色、一色、一色、
朝陽と夕陽の狭間を
繋ぎ輝き響き光り渡り住み 、
月明かりに ....
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
。。。鬼。。は。外。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。福。。は。内。。。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。 ....
おのが尾の影捕らえんと 愚昧な獣がその場を回る
そのうち獣は飽きたのか 疲れた顔で泣きついた
僕もまた、己の影を捕らえんと 勇んでその場を回ってみたが とうとう精根尽き果てて、泣き方知らずに影落ち ....
黄色い、黄色い、雨が降る
赤い屋根にはちょうちょのお家
ちょうちょの扉が並んでる
家の中にはカーペット
毛玉の中にはノミたちの庭
ノミの温度で眠っている
僕は素足で立っている
裁 ....
レコードショップで
つまらないレコード
を立ち聞きして
あなたに借りたマヨ
ネーズを返しに行く
私は不安に弱い
まるで虹の家にいる
よう
そのうち雨になって
私はひどく頭がいい
....
「いつか」は、いつかやってくる
だがやってきたのは刑事コロンボだった
「いつか」はどうしたんです、刑事?
警部だけど、頚部損傷だから刑事でいいや
頸部損傷とは?
コウサツされました
絞殺さ ....
久々の一人旅で
新幹線に乗る
列車は加速し始め
多摩川に架かる空色の丸子橋を過ぎ
東京は背後に遠のいてゆく
あの日
君を見送ったのも
品川だった
かろやかに君は
こちらをふり ....
しごとの失たいを
星の運行とむすぶのは慣れている
傷を季節と分かちあう
古い知恵
深い疲れのおり
壁にかかった絵をみる
樹氷のある
白い湖の畔
南うまれのわたしが
みないかも ....
こんなこと、考えたことない?
朝、病院に忍び込んでさ、
まだ眠ってる患者さんたちの、おでこんとこに
ガン、ガン、ガンって、書いてくんだ。
消えないマジック、使ってさ。
ヘンなオマケ。
でも ....
三輪車コロコロ転がして
ゆるやかな坂を下る道、
わづかに小石遊ばせて入る
梅林
手の届かない
白くかすんだ花
ちらつき始めた小雪が
桃色のカーディガンに降り
いつ ....
朝からユトリロの絵画のような
白い空が満ち満ちていました
夕刻になってようやく
この惑星に落ちてきた雨は
みぞれに変わり
ぬかるんでいくわだち
いつとはなしに雪になり
夜になってはさ ....
家の前のサボテン
その横に灰皿
細長くて軽い草
細く痩せてきれいな花
足取りを追うようにして歩く
痕跡を見つけれるように願う
月が光るなら太陽はいらない
写真には映らない炎がある ....
背中で赤いやつが暴れてやがる
一生消せねえ黥の幽鬼だあ
酒と博打で女房は消えちまった
寒空に震えても、背中はいつも火達磨よ
地獄の鬼が暴れやがる、燃えやがる
のたうち回って転がったって
....
物語で生きなくてもいい
僕はそう思う
たとえば
主人公補正がかからない、だと?
また主人公補正がかかった人間が
いともたやすく屠られている?
脈絡がない
ヤマもオチもない
....
体温を感じる
羽、降る、雪、
あまり明かりのないドールハウス
それはまたけったいな話だ
安っぽい蒸留酒では再現できない
予行演習、らたた、たらいゆ
きっと、素行不良の魂
公園は五月雨だ
....
【ⅶ】
テオ「さて、ソフトのプログラミング、完了しました。こゝに、カンテラ兄貴のパスワードを入力して…」
魔界のラボで、丸橋=小ノストラダムスは、自分の妄想を一人弄んでゐた。
(次 ....
硬い殼に閉じこもりじっとしている
ダンゴムシのように背中丸めて蹲りながら
外環からの刺激は毒だ
抽象的な光や記号は頭を混乱させる
より明確な
より鮮明な形が欲しい
太陽光線を長時間 ....
日々の営みの ふと
色褪せ意味失い凝固し
ヒビ割れる瞬間、
自らの死と生 浮き立ち
肉身の我、
抜けていく透けていく
槍一本、
突き刺され
この抜けの良い透け抱え込み
....
苔むした頑強な石壁は
まるで全てを否定するかのよう
密閉された空間で闇は蝕む
どこから漂ってくるのか
鼻につくような死臭
夢みたすべてを否定するように
まるで白い点のように見える光は
....
硬く閉ざされた青い木の実
指先で摘んで手のひらで転がすようなもの
いたずらに弄ばれて
呆ればまた摘まれて
そのままゴミ箱のなかへと放り込まれる
紙屑のシーツに包まったまま朝を迎える
....
私が小部屋に芽生えた時
異物と認知され
振動が私を排除しようとする
私は必死にしがみついた
繋がった血管からあなたを呑んだ
私はあなたなのだと
血
血
血
唯一確 ....
古い、小石をモザイクタイルのように散りばめたセメントの路面で、五百円硬貨程度の大きさの蝸牛が踏み潰されている、パン粉みたいに砕けた殻と、透明な血を滲ませた肌色の―ぐしゃぐしゃになった本体、それが、 ....
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