右手でくるぶしを握り左手で靴を掴む。脱ごうとするが脱げない。今度は両手で引っ張ってみる。でも脱げない。を、繰り返すエストラゴンあるいは弟が叫ぶ。どうにもならん! いやそうかもしれん、まあ考えてみろ。と ....
全ての行為の原因がひとつの欲望に帰されるなら、
その欲望はは、さらに愛に帰結するだろう。
ひとりだ。
しかし、こんなに荘厳で、聖なる気持ちに満たされて。
....
ハーレー・ダビッドソンに跨った売女が陽の当たる大通りで存分にハンドルを振り回しているころ、西のほうの古いアーケードじゃ昨日そこでショットガンを撃ちまくって逃げている少年のニュースでもちきりだった、 ....
遠い火をみつめている
どこにいても遥か彼方で
ゆらぐこともなく燃えている
あそこを目指していたはずなのだ
臍の下あたりで、眼球のうしろで
わたしのいつ果てるかわからない
火が求めている ....
天国へは針の穴を抜けていくらしい
むかし誰かに教わって
なるほどな
と思った
勿論
遺体が
針の穴を抜けられる訳がない
でも
霊とか魂ならば抜けられるだろう
私もいつか死なな ....
風が担う祝祭の神輿
白蝶ひとひら
またひとひら
もつれ ほどけて
また結ばれて
あどけない水の声
まろぶ 光の鈴
うたたねの距離
雲雀につられ ....
君は自身の悲劇を語るとき
この街の特性について語る
それは検証可能性がない話で
例えば、この河原で並ぶ恋人たちが
こんなふうに均等に間を空けて座っているのか
それはこの街が腐ったひね ....
傷つけない為の見え見えの嘘は
ナイフがじわりと刺さるように痛い
いっその事強く突き放してくれたなら
この胸をすぐに貫通して痛みは一瞬で過ぎる
金属片の錆が酷くこべりついて沁みる ....
母は美しい
だから母の死体はきっと美しい
閉ざされた瞼にわたしは
小さなダイアモンドを飾りたい
「石なのに、この世で一番綺麗」
耳にツンとくる冷たい声が蘇る……
母の死因はきっと病 ....
ぽかんと ひとり
立っている
新緑繁茂する森のなか
ひとり ぽかんと
立っている
群れなす緑は
遥か空の青みすら
呑み込むように絡まり合い
旺盛なその生命力を
風に吹かれ ....
神々の涎の一滴から人間は誕生したらしい
なんて
何の根拠もない噂が巷にながれていた
俺はそのころ旅の商人
毒蛇の
乾燥した肝を売りながら
旅していた
肝は行く先々でよく売れたが
....
おおよそ一億年前に
地球上に最初の霊長類が
現れたらしい
だから自分には
一億年分の歴史がある
だけど自分は
否定されて生きてきた
恥ずべき人間である
だから子孫を残せないと
ま ....
赤き太陽虫よ どこ迄も
登れ 黒き斑紋を背負って
蜘蛛や {ルビ喙=クチバシ}を 震わし
幸運を這わす 半球体の聖母よ
一際目立つ気高き苦さで
....
俺は朝から何も食べていない、
ひたすら吐き気の塊だった
静けさに沈む
何もない
静けさに沈む
足場を欠く
俺の肉体と意識は解離したまま、
新緑の芳香をひたすら嗅いでいた
そ ....
春の嵐の夜
アスファルトに貼り付いた
桜の花びらを踏みにじった
その足は僕
君は花びら
最近、僧帽筋の辺りが傷む。
別に墓掘りした訳でもないのに。
この頃、筋肉ジャージ着ている女がいる。
脱げば公準ワイセツ罪だろうけども。
あれ着て力士が相撲とったら、
実況アナが大 ....
このまま苦しいなら、悩む必要なんてないから、逃げて欲しいと
私は黄泉比良坂の手前まで追いかけます、それが仕事ならばっと
自分の人生は自分で決めろやって言う、
社会に出たら、ほんと、
誰も正 ....
孤独と孤独の隙間をぬって
愛と愛の真ん中を射抜き
私は私と豪語する
午後には母が来て
レモンティーを作り
帰って行った
部屋中が香りで満たされる
満足と満足を温めて
夜にま ....
大人になり切れないもどかしさと
子供なりの不自由さの中で
何を求め何を置いてきたのだろう..
それぞれの価値観に食いちぎれた友情
愛が勝って重なった想い達
もう戻れない過去に ....
ある日突然 少女たちは愛に目覚める
砂漠の朝 あるいは雪山の夜に
一頭の馬のように私のもとへ
走って来る そして駆け抜ける愛の痛み
運命だと知るには遅すぎるだろうか
少女たちは祭壇に ....
真夏に会えなかった人々
覚えてるかい
ここは本屋で
ほらそこは食堂だった
これは覚えてるかな
そこの角。大きな道が見えるだろ
あれを右に曲がってすぐに
小さな脇道があるんだ
表札が ....
陽射しが当たって
新緑はキラキラ輝く
新緑に近づくほど
私もあなたもキラキラ輝く
輝きを分けてもらっているような
新緑が風に揺られて
サラサラ音がする
自然だけで創られた音
....
桃を食べていた
指で口をぬぐった
戸が開いて何かがわたしにふれる
液状の 概念じみた何かがわたしにふれる
死んだ後もそこに在るとされるものだ
それは 戸を開け ....
さりげなく通り過ぎていくような
思い込み 勘違い
誤った情報が
暗闇の中に引きずり込んでいく
抜け出そうとしても
一度書き込まれたメモリーを書き換えること ....
目を瞑ると
そこにある闇の中にあらわれるスクリーン
つかの間の映像がながれる
モノクロの景色の中に
幾つかの顔があらわれる
けれど
どうしてもある特定の人物の顔が捉えられない
そ ....
雪どけの
きよらかな水のなかから
春がうまれる
山のふもとで ひっそりと
春の陽射しを糧として成長した
水芭蕉たちは
これからはじまる
花のリレーの ....
嘘をつけない君が
いま溺れかけてる
なのに、泳げるフリをして
「いつも踊ってるだけ
こんな風にいつも こうやって」
ソウ言ッテ
道のない道のうえに 明日を ....
細い細い砂山は
伸びでた一頭の獣の首
蹲ることもできず
枯れ果てし{ルビ茅芒=カヤススキ}の
散りゆく波打ち際
耳を澄ます月が
寂しさに馴れた門のように
....
俺の主張は間違っていない
自称詩人は有害でとても危険なのだ
最初はしおらしいこと言って近づいてくるが
親しくなった途端
いきなり首もとに噛みついてくるんだから
ほら、ジュラシックパークで
....
消えてしまった記憶のように
星が、炎に話しかける
小さく小さく話しかける
キラキラと明るく
寿命のある指先に乗った鮮かな痛みのように
炎は首をはげしく振って
いやいやをしながら
重い ....
864 865 866 867 868 869 870 871 872 873 874 875 876 877 878 879 880 881 882 883 884 885 886 887 888 889 890 891 892 893 894 895 896 897 898 899 900 901 902 903 904
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
3.12sec.