目が覚めたら夏だった。
覚えのないミサンガをしていた。
憂いに厭いて 惚け 文ぬらし
爪を砥ぐ気怠さ
褐色の蝶 占わない空の果て 見失い
浸る暑さに
影を広げ すり足で
拾われない小石の顔点々と
避けながら奥へ 真中へ 綱で曳かれる畜生か
ち ....
人を多く殺した生物
一番目は蚊である
二番目は人間である
蚊は人を殺したいのではない
栄養を取って種族を残すためだ
人は人を殺したいのではない
資産を取って種族を残すためだ
手段は違 ....
とうもろこしをもぎると、
骨が折れるような音がして
透明な血がじゅわっと溢れて手首を伝った
舐めとるのに夢中になっていると
入道雲が発達してきた
わたしにはまだ涙が残されている
流 ....
蒸し暑い日本の夏
暑さも厳しい日本の夏
団扇を使って
涼しさを引き寄せて
少しでも過ごし易くする
打ち水をして
涼しさを引き寄せて
通りが幾分は涼しくなる
何年か前よりも暑 ....
生を受け生きている奇跡の中で
この地球という存在の奇跡の中で
知りたいという欲望は尽きることがない
光の速度で広がり続ける奇跡の空間の中で
目に映るもの
....
クリステルの愛称は
クリちゃんだが
42才のクリちゃんに
欲情したとなると
ある意味変態なのではないかと思う
頭の悪い親父に似ている関東学院卒が
実は変態でもあるとして
こいつが日本の首 ....
真夏という結界が解けないうちに
その中で身体の輪郭が
虹色に光っているうちに
口づけを交わすがいい
せつなく囁き交わすがいい
夢幻のようであればあるほど
あざやかに灼きつく一刻一刻
....
毎日90分のロードワーク
手指の第二関節から先が白いのに気付く
4ヶ月前まで引きこもってた名残が
「お前の怠惰の証明だ」と指先にしがみついている
シッカロールぶちまけたみたいな目覚め
水泡のような光が
カーテンの隙間でうずくまってる
殴り飛ばすみたいに引き開けると
強姦のような朝日が目の前で睨んでいる
君よ、空は明るい
....
今日も空は青かった
にこりともせずただ青く
無限の沈黙のうちに
それは在った
今日も私は無力だった
宇宙の虚無に耐えかねて
あなたにあることないこと
喋っていた
今日も黄昏は優 ....
未関係未関係未関係少女がはしる
草むらの道と影のない通りを
無関係無関係無関係少女もはしる
こおりの中と強い響きの中を
壊れ ....
部屋の灯りを消して
薄暗い部屋で一人
蝋燭の炎の向こうを見る
私の影が部屋のあちこちで
おしゃべりをしてる
おだやかなオレンジ色の光が
部屋に充満している
窓をあけると
影 ....
洗いざらしの星を並べた
白い砂浜に横たわる
深く赤い光
あなたが好きな夏日星
私は見て欲しくて
アンチ・アレースになる
南の地平線でそっと
天の川に隠れ
嫉妬の火が燃え ....
お姉さま。
この館に逗留してまだ一ヶ月足らずですが、
私はもうお姉さまとの暮らしを恋しく思っております。
お父さまはたいへんお優しいのに、お兄さまは恐ろしい。
いつも地下に引きこもっていらして ....
めんどくさいです
朝、起きるのが
起きてカオ洗うのが
きょうも夏が
がっつりやっちゃってる
セミがジャカスカ
やらかしてる
だからいいよ もう
仕事とか、勉強とか、宿題 ....
扉を開けては閉めるたび
隙間に見える光の網
様々な色の格子 格子
そこにはばたき 散りかがやくもの
窓の向こうを
廻り すぎる影
重なる脚
のびてゆく 脚
....
日傘に蝉の声が降り注ぐ
神社の空気まで
短い命を受止めようとする
風に震えるおみくじが
何かを語ろうとしたけど
蝉の鳴く声が重く乗る
振り返れば曇空
祭殿に日傘を忘れ
夏の涙に濡れ ....
窓辺からうっすら広がる
砂利道けもの道は 僕の投影
幕のかかったレンズフレアは
誰も救う力を持たない
豊かな想像力が
本当の肉体を置き去りにしていた
たった今から君の無数のショットが
散 ....
凍りつく森林の葉先を
そおっとさわって
全身が固まる予感は
君の手を振る仕草 たった1秒半
ティッシュでくるんで
捨てる悲しいほど温かな絵日記の
初日の出のシミの熱が
そこらじゅうを襲う ....
街灯の下で
佇んで
気づけば乾いた眩しさ
スマホを
みても
ボンヤリと
息をしてる
あっちへ行けって
開放感
が髪の毛の頑なな過去を
ほどいている
髪、乱している修羅場 ....
片われをなくした
ビーチサンダルが
木陰で居眠りしている
その片われは今、どこで
何をしているのだろう
波にさらわれ海を渡って
名も知らぬ遠い島で椰子の実を
見上げて流離の憂いを抱く ....
だれかを待つ時間がだれかを想う時間に変わるスタバの女の子たちって砂場の女の子たちじゃん
しゃがんでパンツ汚してペタペタ固めたお城でアフタヌーンティー赤いスコップと小さなおててでほじくる穴に砂型セ ....
分からない。
女としての私の価値も
あなたの、男としての価値も。
分からない。
あなたが、ただ、誘惑に
負ければいいだけの気もする。
ねえダーリン、こっち向いて。
一晩中眠れずに
テレビショッピングを見ていた
うまく言えなかった言葉をひろげてみると
ピーナッツが音符に見えてくる
間違えたピアノの音だけをひろって
いい歌が生まれたらいいのに
....
てんじょうから染め物を垂らし ろうそくと鏡が揺れる小屋の もうとっくに知っている怪談に 肩をよせて聞き入った作法が
いとおしい
夜店のカラーひよこに触れた鮮やかな記憶 金魚を入れた袋の向こ ....
食べなけりゃいけない上に
排泄もしなけりゃいけない
ぽぽんたすくの世界では
ここは違う世界なので
人はまた移動という枷まである
時間の進み方は一様ではないとして
人の移動している時間と ....
ノルウエーの森で
短く小さな命が一つ
白い紫陽花と一緒に土に帰り
妖精のお葬式が始まる
毎日フィヨルドを眺めて
泣いてる小さな女の子
入江の小さな家で
妖精だけが友だちだった ....
私は花に憧れる
花の言葉が聞こえたら
花の気持ちを知って
花の魂を感じたなら
私は妖精にお願いする
私を花にして下さいと
私の心を花に変えてと
病室の花瓶に咲いて
あの子の窓辺にい ....
願い事は誰にも言わない。
君にも、君の耳の産毛にも。
849 850 851 852 853 854 855 856 857 858 859 860 861 862 863 864 865 866 867 868 869 870 871 872 873 874 875 876 877 878 879 880 881 882 883 884 885 886 887 888 889
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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