チグリス川に星が一つ
ユーフラテス川にも星が一つ
同時に落ちて
双子と知らずに泳ぎだす
二つの川は海で結ばれ
二匹の魚は出逢った瞬間
二人の人魚になった
アフロディーテが
リボンを ....
眠れない夜のオフィーリア、
貴女は死に向かって歩む?
{ルビ水面=みなも}に映える白詰草には、
僕たちの{ルビ記憶=おもいで}が散りばめられて。
貴女は、夜へと歩き去るオフィーリア、
....
ねじばなの咲く土手にすわって、
わたし、むこうを向いていたの。
ローカル線の電車が駅に、
すべりこんで、鳴らす警笛……
ええ。2両しかない電車で、
雲のようにながれてゆく。 ....
ふわっと地面におりてきて、
着地。
ああ、ここに貝殻があるわ、
と手にとって、
お日さまにかざして、
すかしてみる。
貝殻は、貝殻だわ。
わたしも誰かにとっての ....
端っこまでクリームの詰まったクリームパン。
そういう幸せが、君の人生に沢山ありますように。
もうかなり昔のこと
僕はあなたの住んでいた部屋
お墓を訪ねたことがある
そのとき、あなたのお墓の前で
僕はこう祈った
『クラシック音楽、あなたに関わるこの仕事を
僕の一生の仕事、天職と ....
誰かがいて
誰もがいなかった
隠れんぼのように
取り残された
神社の鳥居に
ブランコはない
バチが当たるのか
風が当たるのか
日常のノイズ
白く飛ばした
青春はまだ
....
きみとぼくは警察に追われている
ぼくは強盗をしたらしい
きみはその手引きをしたらしい
派手なカーチェイスがあり
奇跡的な突破があり
きみとぼくは南国の
テーマパークにどうにか
辿り着 ....
もう
これいじょう私を
厚化粧で
着ぶくれさせないで
そんな言葉
誰にも伝わるわけない
そんな
仮装行列で詩にしないで
海と空をうつした写真を逆さにすると
水の球がみえてくる
全ての検札がこれで済めばいい
非常階段の裏を踏んで
ただひたすら空へ
かけ降りていきたい時がある
汚れたままでいます
あの人がくれたキスがなくならないように
顔も洗わず、シャワーも浴びずに
太陽を浮かべてくれた貴方
演奏されたリクエスト曲は「明日への架け橋」
一緒に聴いた歌の意味も分らず ....
適当な気持ちで
適当に書いたものを
適当に投稿したら
詩人に怒られた
詩への愛が足りないと
そんな日もたまにはいいな
もう、とんと
私の適当を
詩に近づけて話す人
いなくなっ ....
近所に世界の果てが出来た
白いベンチがひとつあった
僕らはベンチに腰かけて
パストラミのサンドイッチを食べながら
突き当りで折り返して行く飛行機を眺めた
世界の果ての地面にも小さな虫はい ....
そこは始発駅
そこは終着の駅も兼ねている
冬の夜はまだ明けていなかった
寒気が顔の皮膚を
まるで
剃刀みたいに切り裂いてくる
旧年が去って
新年を向かえていた
時刻は午前四 ....
切りすぎた足爪
花嫁 花嫁
夜通し夜を押しのける
暗く蠢く四角い風
水のなかで踊る刃
片足の羽
夜に傾き
海と空と地の螺旋
折れないのか 原を蹴り
....
夜に
仔猫が出没しなくなって
2週間?
虫の声が聴こえはじめて
1ヶ月?
新しい時代になって
6ヶ月?
私うまれて
何十年?
秋は、紅葉
秋は、満月
秋は、いろんな欲 ....
個人のつつましい民主主義が疲労して
つま先から順に夏に攪拌されていく
暮らしの行き先など
だれも責任を持たずに今日も花市だ
詩は円環軌道で経営され
詩は競争優位のためにイノベーション
....
秋口が開き
無辺の静かさ、響く
赤々と彼岸花咲く土手の向こうから
手招きするように
ゆっくりと、ゆっくりと
)もうはっきりとは
)思い出せない過去がある
)色褪せながらジリジリと
....
夜半、防犯カメラの死角を縫って駆ける。
あの子のハートに火をつけにいく。
死んでしまいたいと思うことは多々ある。
わたしが今住んでいるアパートのベランダからは、
オベリスクのような細いビルが見える。
わたしはその細いビルをわたしの墓標だと思っている。
その細いビルを ....
悲しみが少しだけ減った夜には、
悲しみをプディングにして食べてしまおう。
そうしなければ生きられないのであれば、悪になることは悪ではない。
問題は悪をもって何をなすかなのだ。
悲しみが少しだけ ....
打ちっぱなしのコンクリートに、ウサギ模様。
あれは星雲、これは星。あれは星座、これは銀河。
わたしたちの見ているのは、宇宙。
まだ見ぬ宇宙がそこにあると……紫煙の向こうに、確かめているわたし。
....
私は一千九百五十五年の生まれです
歴史の示す通り
十年前の四十五年に世界大戦が終結していますね
この国は
ポツダム宣言を受諾して
敗戦を向かえました
学校で教わったよね
....
導かれながら
月へ行くロケット
破れない鼓膜
その仲間も消え
これからは全て
通いやすくなる
磨いた爪で
傷付けぬように
指を立てたら
足に変わるんだ
夜に動か ....
前ぶれもなくざわめき、ふるえ
雑用の手を止めて
窓ガラスの向こうの外側に向かってつぶやいていた
上手に作った紙飛行機がすんなり空気をつかんで
ひとしきり空の空気を楽しみ
決して落 ....
なぜなのだろうか
わたしは今
書き急いでいる
まだ人生は
これからというのに
モーツァルトの
ト短調シンフォニーのような
走り過ぎてゆく悲しみ ....
どちらも暗くじめじめした場所に
発生するという共通点から
自称詩人はカビと称される
しかし、カビはペニシリン等
人類に有益なこともある一方
自称詩人はクソの役にも立たないので
カビ以下の存 ....
誰が亡くなった?
悲愴の旋律が流れている
まさか、あの人がー
死を予感しながら
運命と戦ってきたのに
諦めの果てなのか?
あの人の足跡の中に
僕の人生はどのように
関わってきたのか ....
終わりが見えている
絶望的な恋
聞けない声を思い出しながら
忙しくても
疲れていても
あなたに会いたい
朝晩、冷えてきたから
余計に恋しい
さみしい
バカみたいにいい歳し ....
ください、と言えなくて
くれませんか、と聞いてしまった
人々の影は長く伸びているが
わたしに重なるものはひとつもない
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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