家に帰る時は言葉もなく
今は庭の紫苑を摘むばかり
忘れないでと妖精が言う
思ってあげてと妖精が言う
月光の下で私は摘む
静かな光が
背の高い紫苑を越えて
小さな風と一緒に
....
そこは見わたすかぎりの平原
誰もいない
誰も来ない
その平原のまんなかに
円い緑の丘
そしてその上に観覧車
誰もいない
誰も来ない
のに
ただ静かに回り続けている
観覧車は ....
ぶどうの粒を
潰して戻らない
それは昨日の
命の音だけが
弾けて飛んでく
種みたいな夢
指の真ん中で
舐めて笑った
転がるうちに
皮を脱いだのなら
振り返るなよ
きっ ....
恋割れた 悲しい夜は
ひとふたり つみによごす
このむねの 黒さがいやで
牛乳を むねにこぼすの
牛乳を よるのむからさ
かまわずに 消えてほしいの
かいわない 冬の静か ....
遥か遠くでまた台風が発生した
一週間かけてこっちに向かってくるらしい
海水の温度が高いから勢力まして
来るらしい
何でもそうなるかは
理解出来てない
それはテレビの構造を全く知 ....
欠けているものを持っていた
人より過分に持っていた
幸福のレベルゲージが
あがらないのはそのせいかな
欠けている月の明かりに
夜が浮かび上がる
夜中に目を覚ましてしまうのは
....
マジでどうかしちまった
あぁイカれたよ
頭の中でヒトラーとマザー・テレサがSEXしてる
それで産まれた赤ちゃんをミキサーにかけて、そのベイビーシェイクを俺が飲み干すのさ!
お前も一杯どう ....
うずうずうず、のみこまれそうになる
うずうずうず、ぐるぐるまわる
ながされる、くるくるまわる、
どこにいく、わからないまま、わからないまま、
ながされる、くるくるまわる、
どこにいく、わ ....
すべてが終わったと思ったのは
ありえない夢を見て憐憫な感情と
寂寥感に押しつぶされた朝
傘もさせない晴天の空の下
会社に向かう電車の中で
再び閉じたまぶたに夢を願ったとき
過去と現 ....
嗚呼
此処は夢の中なのだと気がついて
脱ぎ捨てるように目が覚めた
はて
どんな夢だったか
あそこに置いてきた私の抜け殻は
憑き物がなくなった今
あの場所でどうしているだろう
好きなだけ
あなたを見てるだけ
離れて声を聞いているだけ
私の心は感じさせないの
すれ違うだけで
空気を一つ共有するだけ
こんなに近くにいても
たぶん私達って
宇宙の星くら ....
赤とんぼが
たぶん今年最後の
赤い色も褪せて
落ち葉のように
ふわりと
降りてくる
もう空に戻れない
自分がどこから
やって来たのかも
忘れているだろう
空で生まれたと ....
例えば
人間の寿命が ずっとずっと長くて
体の成長も衰えも もっと緩やかであったなら
貴方ともう50年くらい 一緒に居たかった
愛してる 愛してる
そう言いながら 貴方の ....
鳩が歩く
平和を探し
鳩がついばむ
平和を整え
鳩が近づく
平和を確かめ
そんなこと
歯牙にもかけない
人間だから
安心かもね
鳩はさまよう
平和をさまよう
....
彼女は水色の服ばかりを着ていた。
キャンバスには、青と白の水彩画。
それは何? って聞いたら、
「空」って。
他には何か描かないの? って聞いたら、
「いいえ」って。
低血圧で低血糖。 ....
あなたを巡って歴史は動いた
傾国の美女というのだろうか?
あなたの最初の夫、浅井長政は
兄の信長によって滅ぼされ
次に嫁いだ柴田勝家は
羽柴(豊臣)秀吉によって
自害に追い込まれている ....
夕焼けのポケットさん
まだ公園も整備されてなくて
材木置き場で資材主の目を盗んで遊んでた頃
もうお家へ帰ろうかという時間に
畑から帰る吉じいは子供達を集め
動物の真似をさせて ....
己の肉を削ぎ落とし平然と泳ぐ
あの人たちの刃は
余程よく研がれているのだろう。
捨てられた、肉片。その腐る様、
鮮やかに、グレイッシュの。
あるじから存在を否定された、
小さな瑕のある ....
もしもこの雨が
痛みを強くする
ものだとしても
ブラックコーヒー
苦くシメた胸
盾になるような
武器が欲しかった
ひとりでは寂しい
電車の中で
窓と巡るのは
四角い思いさ
....
息を吐くまでには3秒もかかるまい。
産みおとすのに比べれば、猶更たやすい。
ただ、
しかし
その両方ともが、生きていく自然である。
理不尽なほどの
イキ込みも
不条理なま ....
冷蔵庫にお土産のマグネット、大群。
小さな磁力で日本各地から集まってきた。
甘い声が誘う先には砂糖の山
群がる人々はもうアリンコで
僕もこれからあの中へ混じるのだと
考えるだけで鳥肌が立つ
明日の方角を指示していた円盤は
いつの間にか壊れて
今頼りになるのはこ ....
私の花はミツバチしか知らない
黄昏は早くやって来て
夜を置いて去っていく
寂しくてたくさん花を吊るす
私と踊ってくれませんか
輪になっていつまでも
辛い涙が枯れるまで
鳥も
空ばかり飛んではいられない
羽根も疲れるから
地上に降りて休ませなくては
ならない
鳥も
いつまでも生きてばかりはいられない
生き続けていたら
羽根も
羽根に付随する本能や ....
音楽史上、最も有名なエピソードの1つ
貴女ークララとロベルト・シューマンとの恋愛、結婚
そして夫亡き後のヨハネス・ブラームスとの謎の関係
数年前、僕は貴女が主人公の映画を観た
オープニング ....
あゆみに子供が生まれて
お母さんは「おばあちゃん。」と
呼ばれるようになりました。
雨が降り終わり
余計な寒さを感じていた一月の半ば
お父さんが何も言わずに遠くへと逝ってから早5
年。 ....
ころん・ころん。と揺れる小さな頭
母の背中でねんねを始めた頃合で
父はそっと孫を抱き上げ
つつーっ。とタレ堕ちそうな顎周りの涎を
愛用の手拭いでさっと拭き取る。
すーっ。すーっ。と寝 ....
玄関の前で斜めになってカメムシが死んでる
斜めになって題名を叫んでいる
詩は叫ぶものとは
言いたかぁないが
耳に突き刺さる
詩は突き刺さるものとは
言いたかぁないか
聞こえるものは
し ....
ぶらっと寄らないかあの店へ
忘れられないひとが待っているかもしれないから
すずなり横町とライブハウス
本多劇場と誰も歌わないあのうた
ロングバケイションとお気にいりのロケーション
計 ....
オリオン座の足もとで
邪魔にならぬよう寄り添って
無限の空を散歩する
私は嬉しくて跳ねる
嬉しくてたまらないのだ
ただ側にいられるだけで
ただそれだけで幸せ
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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