愛なんて嘘だけど
でもとても綺麗な嘘なんです
また人生も嘘だけど
でもとても美しい嘘なんです
だから悩まなくていいのです
愛だって人生なんてみんな嘘なんだから
愛や人生に悩む必 ....
落ち葉の海で溺れるカラス
魚になりたいと鳴く
妖精が黒い羽をすべて
赤い葉と取り替えるかと聞く
カラスは喜んでうなずく
鱗のように落ち葉で身を包み
赤いカラスは飛んでいった
....
僕たちの影を
ひとつにしようと
月が動いた日
星が泣いた夜
まつ毛のお皿に
乗せる料理を
唇の先で
運んで行こうよ
割れても良いのさ
舐めて返したい
接着剤のような
....
苦労に苦労を重ねて
塗りつぶされた日々
でも塗りつぶしたから
白い文字がかける
ふつうと違う台紙に
なっている
主役はもちろんこの商品
だけど瞳が指先が
私も見てと訴える
なるほど細身で清楚だね
少しの憂いがほどよいね
チラシ収まる美しさ
それ以上は内緒かな
だけどすぐに忘れてね
そのう ....
私だってその若さを羨ましがられた
時代がちゃんとありました
今でこそ
冴えないお爺ちゃんですが
二十歳頃は
冴えないお兄ちゃんだったんです
残念ながら
冴えないだけは共通してたん ....
飲み切れなくなった
ジンジャーエール
心には屋根が
あると知ったから
もったいないけど
流してみようか
海は誰も
いない方が綺麗で
炭酸の泡に
傾ける音を
波だと思って
....
一人、枯野を駆ける
つまり、
蛇の心を、知るか?
おそらくその心に
なんの悪意もなく
あすに向かう希望の光が
灯っているにしても
一人っきりでは生きられない
愛すること ....
星を指さし
星座をなぞって
ふわり歩いてゆっくりと
冷たい空気を吸って
白い息を空にかける
月の巣のように
移動できる住宅がほしい
トレーラーハウスのように
移動できる住宅を
真剣に考えるときがきている
いつ地震がきても
タイヤや基礎が
衝撃を吸収する
車の ....
お気に入りの美術館
どんな絵でも丁寧に見る
絵に込められた想いに触れる
居心地の良い空間に流れる音楽
素直な気持ちで絵に向き合える
初めて今出逢った人と
絵について話したり
....
頼まれて、五年以上ぶりに取材をした。あれでよかったのかは原稿を書き上げてみるまでわからないけれど、とりあえずたのしかった。帰る途中で以前勤めていた東銀座を通ったので、途中下車して散歩しながら取材内容の ....
俺が詩人だなんて
周りは誰も気づいてない
極々親しい人にも
それは
極秘だから
極秘親しい人の
優先順位第一位
嫁さんだって知らないから
もし何かの弾みで言ってしまって ....
時間がなくなるって
時間って減っていくんじゃないの
減った分足されていくんじゃないの
俺の考え方変かな
やっぱり変かもな
暗いが段段に掬いとられて
夜が明ける
のかな
....
ビー玉を一つ
如雨露の中に忍ばせて
散歩にでかけたら
まるで知らない人たちが
僕のことを話してる
甘いこと、冷たいこと
これは夏のこと
赤いこと、長袖のこと
これは夢のこと
....
雨の一滴が右手の甲に 落ちた
ズシリと 重たかった
ミシリと 胸の空洞が鳴った
私は慌てて滴を振るい落とした
軋む胸が一瞬、
張り裂けそうになって
オリーブ
明滅
ギャラリーにて
同居人
夜毎の腕
声たち
鬼火を辿って
地底湖
川辺を行く
夢から夢へ
....
「絶え間ない夕刻」
このままどこへ行くのか
俺はどうなるのか 教えてくれ 包茎
変顔のままでいいのか
俺は流されていくのか 教えてくれ 検便
血反吐吐き
先生 助けろ ....
丸い蕾が一つ開くたび
匂う夜風が迷子になる
今夜はどの子と眠ろうか
三日月にリボンを結んで
どの子に引いて降りようか
自称詩人はD級人間だ
しかし、こいつら
自分では
少なくともB級
いや、ひょっとすると
A級ぐらいに考えている節がある
俺にとってB級と言ったら
70年代80年代の
チープ・トリッ ....
金木犀のかおりがゆっくりと剃刀をすべる
あらゆるもの
そう、あらゆるものを新しくするために
血液とは違う方法を
僕らは読み込まなければならなかった
チラシの裏側に蠕く蛞蝓
コンセントの穴か ....
同じ方向をみている
静止したまま
なにも言わずなにも吐かず
同じ方向をみている
そのまま時が止まっても
ゆきがふりつもっても
気づかないだろう静謐さで
みている
動かず
生きてい ....
雨が盛んに降っていた
暗い空から降っていた
俺の心は憂鬱に
蒼く震えるネギ畑、
踏んづけながら
進んでいた
何処にも行けないと知りながら
それでも踏んづけ進んでいた
)この嵐の果て ....
光にむけて祈るあなた、おとなしく、おとなしく、草のようにほほえみかわして吹かれてゆくあなた。海まで望めない草原に、光源のようにひとり淋しく立っているね。
あなた。紫陽花とあざみの花をにぎって ....
天が下りる
肺を圧し潰す
耳裏の風切り羽が散る
音はもう無い
手足を置き去りにして
夜を転がる
擦り切れ残った頭蓋だけ
あの天蓋へ反して
甘樫の丘を登り、散策する
眼下には飛鳥、万葉の遺跡が点在
私は古代へと時をさかのぼり
ロマンの世界に遊ぶ
蘇我氏の隆盛と滅亡
聖徳太子の事績
大化の改新
和歌、相聞歌の舞台ー
次々 ....
巫女が旋頭歌を月に歌う
紫の花を付けた韮が
秋風に踊り聞いている
何度足を運んだこと
少ない言葉をつなげて
あの人は過去を捨てると言う
歌い終わりに巫女は茎を折る
韮の香りが紫色の雲 ....
大根は足で
白菜は体
生まれて間もなく
捨てられた子供
口があったなら
哀しみの言葉
誰よりも早く
覚えたのでしょう
陽の当たる場所に
いられる命が
人と同じように
....
待ちわびても待ちわびても
信号が赤だったから
ひとり仰ぎ見て立ち止まっていたの
青空は雲ひとつなくまっぱだかで
そのからだを透明な恥じらいで
うすくおおっていたの
つまりそこに住み ....
私は何を遺して
この世を去ってゆくのだろう?
子や孫を残して?
しかし、彼らは別の人格を持ち
私からは離れた存在となり
年月の流れに
私はだんだんと影を薄くしていく
それでは映像や写 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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