花散里
僕の小さな世界史が
源氏物語だったら
次元を超えて愛を語れるものなら
あるいは1970年の山下洋輔だったり
アルバートアイラーだったりするのかもしれない
僕は何に対して ....
脱いだサンダルが戻って来る
さっき蹴飛ばした光のように
潮の道連れをピンクに照らし
夏の端っこを避けて歩いても
トングが切れて指が挟めずに
サンダルの分かれ道で止まると
初恋みたいな伝票 ....
呼んだかな
呼ばれたのかな
気にしすぎかな
気のせいかもな
いやでも待てよ
本当に呼ばれたとしたら
振り向こうかな
チラ見しようかな
思わせ振りな態度をとろうかな
偶然を装えばい ....
人生なんてさ
一瞬一瞬の積み重ね
薄っぺらな今の集合体
だから
過去なんて価値は無くて
未来なんて今の延長線
零れ落ち続けていく今を
掬うことも救うことも
ままならなくて当然さ
だか ....
雪のことを知っていますか。「誤解しないでくれ」と言っていた海賊とは無事に地獄で会えましたか。こちらはもうすぐふぶきです。海に降る雪が紙吹雪のようなのと、あなたは言っていましたね。紅白の小林幸子をいつも ....
アダムとイヴは
キラキラ光るアキラメを
バケツ一杯ぶちまけた
そうして星ができたんだって
大切な不安を食いつぶして
やっとこさ残ったのは空っぽの心
何もない
今二 ....
ブス核爆発を三回言って
ぶすかくばくはつ
ぶすかこばくはつ
ぶすかけばこはつ
くそーっ、むずいなー
もう一回だ!
ぶすかこ、ダアッ、ダメダーッ
ざくざくとした砂糖
ホットコーヒーに
コーヒースプーン
混ぜると溶ける
朝でも
寝れなくても
「コーヒー淹れる?」
「泣いているなら一緒に飲もう」
肉身の疼く
今宵の静けさに
心は乱れ不安に駆られ
詩と死と戯れる余裕すらなく
焼酎を二杯、三杯と
焼け付く視界に
蜘蛛の巣張り
払いのけても払いのけても
辺り一面の糸は ....
生きづらい
生きづらい
生きづらい
生きづらい
生きづらい
生きづらい生きづらい生きづらい
生きづらい
生きづらい
生きづらい
ただ今日を生きる
今まで貰って来た温もりが
冷めた頃に返事は出来るもの
手袋の上を握ったあの日
僕等の背中にふたつの時計が
見えたからもうやり直せくて
洗濯バサミで摘まれたような
指先で関節を思い出すと
....
たまに空が全体を包むような
そんな日は地動説を疑いたくなる
三六〇度の空を心で眺めている
中を視ている
半透明の目の中に私がいて
包むように視られているという感覚が
アフォーダンスを否定す ....
魚は空を泳ぎつかれ 月のサンゴで身をくねらせ鱗を星にかえす
蒼いムードとブルージーンズ 青春の風は皐月の風のように吹きぬけた
うるさいだけのコマーシャルが流れる都会の雑踏に思慮のある小娘の ....
逃げ水を追いかける僕を追いかける夕暮れ。
逃げ水は僕から逃げ切り、僕は夕暮れに捕まる。
君が僕を嫌っていることに気づいて
ニヤニヤとしていた
ずっと気づかなかったことだけど
それがわかると
不思議に思えた仕草や言葉が
当たり前のように思える
なにかに反射した夕暮れ ....
いつものように歩いていたのに
いつものように犬と散歩していた夜に
いつもは足を止めもしない場所で
足が歩みを止めて犬が不思議そうに
足のまわりをくるくると回っている
線路下の細い道が ....
ねない
ねむらない
ねたら あしたがきてしまう
ねむったら いちにちが はじまってしまう
うれう ひとりの よるの しずけさも
けんそうに まぎれ けされてしまう
....
お別れ
回遊する魚達、
渦を巻いて
泳ぐ泳ぐ
舞い狂う雪の中
純白の視界を切り裂き
蒼く蒼く透き通り
出会い
寄り添う
肉身の二つ、
交わり激しく
夜を埋め
....
椿の葉は少しの光でも
沢山の光を受けているかのように
大粒の光を反射する
やんちゃな少年がガバッと掴んで
思いきり投げたいくつもの白い石が
空中で一時停止しているような
よく見ると可笑しな ....
指先にフォークを握った僕を
君は優しく受け止めてくれた
酷く血を流し涙を堪えて
ダンスを踊ろうと笑い掛ける
人の手に触れて分かった温もり
こんな気持ちは青空に似ている
何かを交換したくなる ....
僕らの時空は伸びたり縮んだりしても繋がっていて、
気付かないうちに遠い時空の自分を助けていたりもするんだろう
辞書に雨が降り
やがて水溜りができた
海と間違えて
文字たちは泳いで行ってしまう
僕は代わりに
いつか拾った流れ星を挟んでおいた
柔らかいものはみな
今日は朝から倒れている
....
黒い布で顔を覆い隠した女が
まるみをおびた重いはらをかばいながら
前から、後ろから早足で通り過ぎる人々に
おびえるような足取りで市場を歩いている
ときおり女の腰のあたりにぶつかっては
”ベバ ....
言葉が雪のように積もって
溶けてゆく
私たちは言葉の全てを受け止められない
だけれど
言葉は私たちの思いを全て表現できない
零れ溶けて水のように流れていく
私たちが受け止め切れない ....
駄々をこねて発酵させてオーブンで焼いて食べた。
君は呆れて家を出ていったから、一人で黙々と食べた。
新しい仕事に馴染めそうになく
ハッタリを言ったり健康食品をやったり
錠剤2錠と常在菌
電卓で桁外れな数値を叩き出したり
結婚式を病気の治療だと信じて
彼女に渡されたゼクシィをじっくり読んだり ....
僕は夜明けをあまり知らない
けれど夕暮れならたくさん知っている
薔薇いろから菫いろへとグラデーションする夕暮れ
金色の雲が炎えかがやく夕暮れ
さざ波のような雲が空を湖面にする夕暮れ
不吉 ....
これからは人生のアディショナルタイムだと
そう思って最後のチャンスを全速力で駆け抜けましょう
ゴール直前で息絶えようとも
悔いることのないように
そんな文面の年賀状が届いた
ただ空回りして浪 ....
31
そのときはじめて
おじいの顔つき変わって
おかえりいいうた気がした
32
なあんお前
それぐらいのボルト交換もでけへんのか
飯は喰ったんかいな
3 ....
冷たい円柱を抱えている
これ以上は何を避けても
足を付く場所へ辿り着けずに
浮いたり沈んだりしながら
表面を撫でるシャボン玉が
割れてもまだ残る煌きを
誰かに見せるために傷付いた
寂しさ ....
765 766 767 768 769 770 771 772 773 774 775 776 777 778 779 780 781 782 783 784 785 786 787 788 789 790 791 792 793 794 795 796 797 798 799 800 801 802 803 804 805
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
2.97sec.