母さん
あんたのせいで俺は産まれてしまった
だから反抗期には思いきり怒鳴ってやったんだ
うるさいよババア!って
ババアの説教なんて聞きたかないよ!って
そしたら母さんあんたはいきなり泣き出し ....
冬の日はどこまでも喉に突き刺さり、痛みと共に脳味噌で弾けるシグナルはいつも、とてつもなく鋭利な刃物によってつけられた鮮やかで細い傷みたいで、呼吸によって生まれるものを俺は血だと錯覚してしまう、勝手 ....
五本の石柱がたっていた
ねっとりしたモスグリーンの海水に浸され
洪水の街を泳ぐ人達
徘徊していた裸の老女は何処へ行ったのだろう?
目覚めて闇が迫って来る
自分という感覚が死んでいく
....
出題例:パンはパンでももう二度と食べられないパンは?
解答例:あの子がトングで配膳してくれた給食の揚げパン。
和音の順番で開く身体が
ほつれた傷口を差し出す時は
ウサギの林檎が心臓になる
抑えきれない声が震えるほど
耳を揃えて蘇る気持ちを
足したり引いたりしながら育ち
出口へと導いてくれた
夜明 ....
なぜ。
気持ちよく
生きない。
潔く生きれば
別の明日もあるのに。
家に帰ると
母がひとり
猫背になって
ゲームをしていた
昔
この部屋に
子供が集まって
みんなでゲームをしていたなって
なんとなく思い出し
急に泣きたくなった
冬の明け方
お風呂から上がって
ベランダに出て
冷たい風に当たるのが好き
夜空と
寝静まった街並みを見渡して
白い息を吐く
歌い出したいくらい
幸せだけど
気がふれた人み ....
不老の薬
不死の薬
が
もし開発されてしまったら
それ以外の薬はきっと売れなくなるだろう
病院は閉鎖されて
斎場も葬儀屋も墓地もこの世界から消えてなくなるに違いない
そうなる ....
生きていることに疑問を持つことはない
当然のこと 当たり前のことだから
悩み 苦しみ もがき続け
欲望が際限なく沸き起こる
生きることに能力を使い果たせば
....
391
桜
咲くな
まだ散るな
392
そうしたら今でもって
僕らは僕らに戻って
月はまた月になる
393
えん っていうのかな
すぐに ....
今日は薄曇りのそら
部屋の隅のシクラメンが元気をくれる
ルーティーンには縛られたくない朝
シナモンティーでトーストを
型にはまった生き方なんてつまらないのに
いつの間にか繰り返す趣味 ....
叶わなかった人を呼ぶ名前に
瞼を腫らす涙が
膨らんだ蕾のような思いを
逆さまにしたままぶら下がってる
まつ毛の上の蜃気楼に
擦り抜けてしまう人の身体を
いつかは触れて覚えていたいよ
永遠 ....
明日が待てない僕の足
進んで 進んで
掴んだのが君の腕だった
見つけた希望に
気付くことのできない鈍感さを
君は鼻で笑ったけれど
あの時の僕は
明日に執着して ....
コーラ、その黒い炭酸飲料が
泡をたて、音をたて
カフェインをわたしの脳内へと誘う
その1つ1つの泡の中には
きっとわたしの中の
鬱憤、憤り、怒り、悲しみが
こもっているのだよね
....
空っぽのパーティーの肉料理
こんもりとぶ厚い太腿
276,000回のキッスと
体裁のよいオードブル
雑誌のポケットにしまわれたゴシップ記事
インデントされたままの挨拶文みたいなラブレ ....
木立ちを抜けていくのが
私たちの木立ち
だからすっかり抜けてしまうと
教室がある
先生は、と先生が言うと
先生は、と復唱する私たち
やがて始業のチャイムが鳴り
つまりそれは
....
だだっ広い雪原の片隅
柏はカラカラと葉を震わせ、
息苦しさを覚えるほどに白い小径を
雪焼けした子供たちが駆けていく。
チリリ
チリリ
チリチリ
チリリ
....
雨が降っている
今年の冬は雪が降らない
鼻から空気を吸い込む
冷たくて
頭が洗われるような感じ
心なしか目もシャキッとする
きれいだ
口から空気を吸い込んでも
分からないだろう
鼻は ....
眼が在り映り凝視し続ける眼に
脳裏の戦場の消えない殺し合いか
眼前の草むらの子供らの激しい絡み合いか
展開され焼き付けられるその光景
草むらの草いきれも
左足にぐるぐる巻かれた包帯の ....
この街にも いつの時代にも
優しさを宿した瞳は見つめている
みんな人だから
その心の傷口をつつむように
ひとこと優しい言葉を
投げかけたいと
そう思っている
きっと
混沌と ....
お寿司のネタは常にネタバレをしている。
シャリの上にて堂々とネタバレをしている。
朽ち果てて老いて行く
この骨肉をひきずり歩く日々
肉体があるから
しんどい
この幕屋をいでて天に行きたい
主のふところに抱かれて休みたい
弱さ 愚かさ 罪深さに泣くとき
近くにい ....
何かが終わる人も始まる人も
無条件に襲われた風を結んで
肩から掛ける鞄を持っている
初めて身体が側にあることを
ひとりになって分かるまでは
花の形が匂いを近付けて
だるまさんのように転んで ....
プレパラートと実験室
ハサミの形をしたコウモリが
逃げ出した。
そいつは
闇に馴染みながら、
すいすいと夜を裂いた。
研究者たちは
議論するばかりで
探し出そうとは
しなかった。
....
忘れられない最終の恋を
たいせつな思い出にするなんて
自己愛が強すぎる女みたいで
ちょっと引いてしまう
陽はまた昇るから
新しいまっさらな真っ白な心で
前を向いて恋をしたって、いいんだ ....
つづら坂のてっぺんが赤く燃えて
曲がり角のそれぞれに暗がりが生まれる
それがくねくねと蛇のように眼下の町へ
影法師が一組
手前の角の煙草屋の暗がりからあらわれて
穏やかな夕日にそっと目を ....
オフェーリア
って誰って聞きながら
シャツを着る
君のことだよ
って聞こえたかどうか
ってぐらいの朝
唐橘って
何のことだよって
容プラ出しながら
悪い気には ....
風の啼く方へ
耳を澄ますと
それは風ではなく
死にかけたじいさんの呻き声だった
───一事が万事そんな感じだ
いつの間にか
線香臭い空気が
ジワジワ周囲に
まとわりつくようにな ....
テレビで紹介されていた中華の店の
たまたま近くにいたので
楽しみにしながら
地図を見ながら行ったら
定休日だった
真っ赤な見た目なのに
そこまで辛くないらしい
ラーズー麺なるものを
....
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