カニ食いに
田舎から田舎へ
小さなバスで
田舎と田舎
同じようで同じでない
川の広さ
道の幅
唐突に松の木
車道ギリギリまで
寄せてくる海
(海、久しぶりに見たなあ
雲間から光が ....
夜の入口にて
誰かと誰かが話している
太陽が無限に没した後
地球という宝石箱はぶちまけられ
夜の入口にて
誰かと誰かが話している
蠢く闇に包まれて
密やかに、密やかに
....
よく気にくわないものがあれば
重いとかウザいとか
軽々しく口にする阿呆がいるが
生きていく上で
大抵のことは
重くてウザいものだ
それを覚えておかないと
いつかバチがあたるよ
....
わたしの愛が過去になる
忘れるつもりがなくても忘れていく
あの声も、温もりも、
あなたが好んで使っていた物たちは
新しく生まれることはない
捨ててしまえば、ただ消えて ....
おとなになんか
なりたくなかった
ずっとこどものままでいたかった
わたしはまだ
シャボン玉を屋根まで
飛ばしたことがありません
わたしはまだ
夜になるとおもちゃが動き出すって ....
一人の幅の中にはない
あなたのいる場所なんて
誰にも手の中になんかもってないから
あなたなんて誰も認識なんかしてない
それが一人ぼっちなんていうなら
誰だってそうだろ?
覚めそうな夢の ....
暁と 共に目覚め
神の美しさを 仰ぎ見よう
暁の 輝ける王の 失墜より 幾星霜
繰り返し追う 炎が追う
その炎は 闇の帳を 焼き払い
罪と不安の 夜を燃やし
憂き世に流れた {ルビ ....
この坂道を何度歩いただろう
この坂道は上がっただけ下る必要がある
僕の車にたどり着くために
ある日なにかにふと気づく
なんにせよ、僕は最後にこの坂道を
上がって終わるか
下って終わるか ....
歯ブラシの先が割れて開くまで
僕等は何を磨いて来たんだ
青春が落ちてまた繰り返した
砂時計の窓かも知れない
心臓に咲いた花のように
誰かを包める優しさはもう
屋根がなくても登っ ....
月夜の庭の物陰で土と溶け合い
消失していく段ボールの記憶よ
何が盛られていたのか
空洞となって久しく
思い返すことはないだろう
お前は満たされた器でなかったか
ある時は瑞々しい ....
パチンパチンと音がする
シュンシュン シュンシュン、音 響く
半端な冬の夜半過ぎ
黒ずみ弾ける二股鞘と
剥き出される真っ赤な種子
街灯に照らされアトランダムに
蒼い地面に撒き散らされ
....
僕の話の途中に
妻がスマホを手に取り
友達にメールを打ち始めたので
エラそうに腕を組み言ってみる
「人の話を聞くときはだな…」
すると
倍々返しの風圧で
怪獣と化した妻の口から
炎 ....
雨は小康状態で
放課後の気配に似た
澄んだ空気が鼻を通り抜ける
走馬灯の影が揺れる
それは微かだったから
嫌な思い出も浅瀬で泳いでいる
本当に深いところで
思い出すものさえ虚像だとして
....
巨大隕石が降り注ぎ
業火に焼かれ
砕けた岩に押し潰され
酸素を失い窒息し
彼らは滅びたのだという
破壊された星を包んだ
白い死の闇
長い眠りを経たのちに
再び芽吹くものがあ ....
私、
幸せな人に
会いに行って
その、
なんでもなかった事柄
問い詰めるのも
やめにした
手をあわせてお祈りした
私、
幸せな人の幸せな
笑顔が
その体現が
うまくいっているの ....
荒波白波 眼底痛
堪え堪えて書いて書く
笑っておくれよ、地蔵虫
少しの集中で火を噴く目ん玉
だから書けるうちに刻み込む
生きているから痛いのさ?
そんな生半可な答えでは納得せぬ
....
許す事しかできない
私達は
全体に包摂されているから
許す事しかできない
私達は
新しい生を得るために
前進する足場が必要だから
私達は全体に包摂されているから
ほろ ほろ ばいばい
ああ 無慈悲
わたしにゃなんにも 言わせちゃくれない
ころん ほろ ほろ
ほろ ほろ ばいばい
……あらやあね これ あまじょっぱい
この時ー恐ろしい予感は当たっていたー
すき焼きなのに肉がない!
先輩は突然ゲラゲラ笑いはじめ、急に真顔になって
「心配ないとも。すべてが上手くいく」と言った
いくもんか…
豆腐だけのすき焼き ....
小さな大阪で生まれ育ち、小さな大学を出て、小さな大人になった。
小さな大病を経て、小さな大切に気が付き、小さな大福を手に入れた。
幸せだった
あなたも
わたしも
脊椎動物に生まれて
+
心臓が痒かったので
慌てて掻くと
僅かばかりの
生活があった
+
収穫を終えたばかりの
アーモンド ....
片目だけ開けた狭い惑星に
捨てられたのは僕じゃないよ
眠るフリをする可燃物の夜
愛が幻になろうとするたび
輪郭を求める指輪のように
知り尽くしてるつもりの好みさえ
まだこの世に残っ ....
人はお祭り騒ぎをやらずにはいられない
人生は茶番ではないが
茶番めかして見せたいテレビ
成功秘話はドラマ仕立て
実際にはなかった必然性を時空軸に与えるのだから
やらせっぽ ....
反自然的な
うつろな眠り
夜明けのまどろみ
夢ははかなく
消え入る夕暮れ
たどる空
目が冴え始める
宵の覚醒
明から暗へ
かつ暗から明へ
その境目に
....
体があって心があって命がある
神様からは三つを頂いているんだよ
三つが揃って一個の人間なれるんだよ
命ってものは、縁に触れてこの世界にあらわれるんだって何かの本で読んだ事がある
勿論
....
人間関係に悩んでいたある日
神様だという者が現れて
人の気待ちを読めるようになるのと
人の気持ちを気にしなくなるのと
どっちがいいかと聞いてきた
わからないので
お試し期間をくださいと ....
小鳥についばまれた 肉は
果実の それであって
ついばまれずに 落下して
芽をいぶきだすのは そのたねである
ある彗星が太陽系外の別宇宙の存在者が
近々 太陽系内に飛来しつつある ....
垂直に伸びる細長い雲の
先端に触れるくらいの偉業を
永遠の少女は
軽々と成しとげる
山にとって葉は髪の毛で
紅葉づくしの山は冬になると
すっかり寂しくなってしまう
炎がもっとも燃える時
....
思い出せないことがある
長い年月生命活動を続けると
人それぞれ記憶容量は決まっている
機械と同じ
いっぱいになるともう書き込めない
忘れているのではない
....
私は世の中をしりたいという思いはない。
すでにしるべきことはしってしまったから。
私は自由になりたいという思いはない。
すでに自由になってしまったから。
私は幸福になりたいわけ ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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