長い靴下を履いているから
せめて指で触れさせてよ
チョコが溶けた後に肌が見えて
ポッキーが折れても支え合える
2月14日の鏡に書いた
愛の言葉は逆さまの告白
例えば足のギプスになって
あ ....
ずっと気になって仕方ない女性がいた
齢六十過ぎても
三十年連れ添った妻がいても
三十路近い娘がいても
他にずっと気になって仕方ない女性がいた
相手の女性もきっと結婚しているに違い ....
つぶさに歳を重ねていると、日々の幕開けによって勝利する太陽から投げ落とされるものが折り重なる。そのいくつかは目じりのしわとなり、そのいくつかは白い髪の毛となり、細胞が生き死にを繰り返すサイクルが少しず ....
静かなお堂で
ばらばらにされた体が
くるりくるりと再生される
経もなく
極めて無音
境地に至り
柘榴は美しく気高く
ぽてりと転がる
菩薩が私を触れる
菩薩に私が触れる
....
いつまでもしびれがとれない
この道程だけが正しかったはずなのに
錆びた看板を見るたびにきしむのは
割れたこころがざわつくのは
きっとこれは毒で
....
たしかレイモンドとかいう
古臭いペンネームの小説家の女が
205の明かりを消したところで
向かいのマンションは奇跡的なビンゴゲームの
結果みたいに真っ暗になった
午前二時には珍しいことさ ....
冷えた水道管が時々、石膏ボードの向こうで短い悲鳴のような音を立てる、闇雲に詰め込んだ食事を腹の中で撹拌しながら、窓を這う虫の数を数えていた、ここ数日、ひどく目を凝らし続けていたせいで延髄のあたりが ....
朝からしゃけ弁当くわしよる
国会議員やったら幕の内弁当とちゃうんか
ほんま個人には冷たい国や
22歳のとき、あらゆる義務をはたしおわり、あらゆる劣等感に打ち勝って消えることのない自信を手にした。
あの時、的を貫いた。
今、再び、神の門の前に一人立つ。
トラウマが疼く。
....
13
ぼくのこころは
ふ
ってはずれて
べっくうさんやのほうに
ぷかり ぷかり
とんでった
14
喧嘩太鼓の音に
いくつもの魂がひとつになって
一際高 ....
ねむれ つみのないこよ
つみぶかいははの うでのなかで
ねむれ きみをやすらかにねむらせる
つみぶかさとともに
祖父の名前をふと思い出して
口にしてみると
聞こえてくる祖父の名前がある
祖父は他界する間際まで
新鮮な毛布にくるまれ
駆けつけた親戚たちは
その周りで酒や水を飲んだ
酒も水も飲めな ....
コンビニエンストア
スーパーマーケット
ネット通販
スマフォアプリにSNS
パソコンに映る誘惑と欲望
キャバクラにスナックの常連客の酔狂
ユーチューブにネットゲームにライブにスポーツ観戦
....
今日は強風だ
器用に起用に答えつつ
強風に吹き飛ばされて行く
野望のような穴は闇
今日は強風だ
詩を書きたい時がタイムリーなら
器用に衣服を着よう
それがダンディズムランサーズ
....
トウモロコシに憧れたので
トウモロコシになりました
さらりとそう語れたのなら
カッコいいかもしれません
でもそういうわけではなく
トウモロコシに生まれ育ち
トウモロコシになりました ....
白い星座の足跡を辿る
僕が選べる道はまだあって
理由を持つ前に繋いだ夢は
ひとりで見てるうちに長くなり
迷っても似たような看板を
夜空と名付けて旅を続けよう
死んだ星を回収しながら
走っ ....
うちの夫と猫が凡庸でありますように
せめてトイレはただしく行ってください
れんこんは
穴があるからサクサクと
音たてて
食べられるんだと思うんだ
わたしなら
すぐ暗くなるのに表情筋を
鍛えてない
手抜きがダメだと思うんだ
サーカスは
いちばんじょう ....
くだらぬ事に
心をくだく
苦肉の策は
くくる首
飢餓感きわまり
気分のきしみ
危機一髪で
奇跡が起きて
来ぬ日この時
幸福さがし
困難こえつつ
混沌の中
堅 ....
灰色の街道沿いの
深く暗い井戸の底、
白く円かな女の顔が
微細に揺れ動きながら
切れ長の目を閉じ
浮かんでいる
死んでしまった死んでしまった!
わたしは戦慄のうちそう悟り
隣で無表 ....
オルフェウスがアポロンに
竪琴を弾いて涙する
今夜が最後ですと
明日一つの彗星が
はくちょうになって
天に昇ります
それがあなたが見る
私の最後の姿です
卵を二つ置いてゆきます ....
氷が一つ溶けもせず
小川を流れていく
朝日に照らされ
蒸気の煌きのなかに
妖精の輪郭が見える
淡い黄色の羽根
早咲きのすみれが岸に並ぶ
順番に落ちる雫の音は
春をつげる目覚まし時計 ....
白い陶器のマリアに
黄色いリボンをかけたら
春の妖精になった
優しい心が生まれた
心という字は妖精に似てる
夕闇迫る川沿いの道、
君と並んで歩いた道、
一人は一人を置き去りにして
一人は一人で立ち去って
今頃裏庭に降り積もる
雪を静かに眺めている
)孤独なのはわかっていたさ
)どんなに身を ....
1
不思議かい
それは君のノートが
白く見えているのと同じことなんだよ
つまらないかい
でも君が大切にしてきたこととそのはしごと
どっちが確かなことなんだろう
2 ....
西の空が
赤銅色に燃え残り
薄暮が辺りを包む頃
俺は拳を握りしめ
一心不乱に進んでいく
胸の辺りに蟠る
抑えがたい不安感に
鼓動激しく息を継ぎ
夕闇の道を進んでいく
西の空が
....
痩せたその身体で歌いながら
膝から下は花瓶が潜ってる
みんなに配るための花を
一本ずつ選んでも足りない
歌の中に咲く命も心も
あなたが大切に育てて来た
次は自分で種を撒いて
新しい世界を ....
苺ジャムは煮沸したヘモグロ瓶に詰められ出荷される。
生き物どもの血の色は、本日もストロベリイの真っ赤っ赤。
あの人は
神を知らない
小市民
知りたいのは
明日の天気
傘を持って出たほうがよいのか
そうでもないか
昼は定食にしよう
少し早めに職場を出れば
あまり並ばずに済むだろう ....
私が喫茶店の一隅に座ると
非人称の意識が渦を巻き始めた
)眼前のアイスコーヒーはシャリシャリ音を立てて波打ち
)ガラス張りの向こうは久々の晴天で
)遠くで笑う老人の顔はとても幸せそうだ
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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