他の誰の姿もない
沈黙する街を
きみが踊る
午前六時半
部屋の窓から
コーヒーを片手に
眺めているだけでは
飽きたらずに
カップをスマホに
持ち変えたとき
撃たれた白鳥 ....
コーヒーキャンディの甘ったるさがいつまでも消えない午後3時
雨ばかり降って袖口を濡らすから腕が重くて手が振れないや
最低な僕と最低な君が我慢比べしてどちらも負けて
たかがひとつ素直になるだけ ....
やっほー
声を投げた
遠くへ遠くへ
あの山も雲も
飛び越えていけって
やっほー
あの人の元まで
声が届くなら
どんなに喉がかれても
構わないよ
やっほー
歌声にはならない
叫び ....
言葉の表している意味が
まだ分からずに背中を押された
強かったはずが途中で休んだ
自分と似たような風を見つめて
今日も誰にも会わなかった
風は待つものを超えて来るから
景色に矢印を投げて当 ....
赤です、
否。それは違う
そう見せてはいるが
実際は
――青だ
夜です、
たぶんそれもレトリックだ
朝は夜のなかに隠された唯一の希望であり
じつを言えば昼も夜の一部にす ....
この身体がとても邪魔だった
微笑みを崩せないと思うから
泣いたり怒ったりする人を見て
天気予報の当たらない場所では
サンドイッチがバラバラになる
まるで飛べなくなった白い翼に
感情を挟み忘 ....
学校には道徳という授業があって
ぼんくら頭の俺には
眠いだけの時間でした
起立
礼
着席
いつも心の底で思ってました
こんなの省略してよくないかって
その日
先生は道徳の ....
君は コーラを買った
自動じゃないドアを
少し息を止めて押し開けて
その息を世界へ吐く
ペプシはなかったよ
自動車のドアは断絶だ
いつもそうで 今日もそうだった
コカコーラはうま ....
涅槃にはいけない
ただの凡人だから
命は尽きるのであって
けして
滅びるんじゃないと思ってる
どんなに崇拝しても
神の側にはいけない
でも
死んだら
誰だって
仏にはな ....
苦い紙を足していく
食べ砕く
本当は駄目だって
みんながそういう話をしている
みんなは不特定多数
一様に挨拶をしていく
風に揺れて紙を足していく
誰も食べないし
砕かないし ....
雨がふりだして
猫の恋も濡れる
傘はどんどん縮んでしまう
ウイルスが街を呑み
国境はふかくなる
社会と生活をかける天秤の
0の目盛りはなくなって
僕たちは星をたべ
想い ....
かつて恋人同士だった人は、その人ともう二度とできない事柄を悔やむのだろうが、
片思いに過ぎない私は、その人と一度もできなかった事柄を頭で思い描いては悔やむのだ。
手に入れたものを失う辛さと、
一 ....
蜜蜂の羽音が聞こえる
春は童話の匂いがする
蕾がたっぷり用意され
妖精は祝辞を読み上げる
昨日には二度と出会えない
閉じた花の中に記憶され
真夜中に妖精が
生まれた星に清書する
風が水面に話しかける
月が揺れる池はミラーボールか
ミモザを沈めたカクテルのよう
美しい記 ....
新しい時間に乗って
やり直せばいい
花のように何度でも
いくつも咲いて見ればいい
上手に咲かせるまで
種をたくさん蒔いて毎晩祈った
いつか雪の精が言った
綺麗ね私の好きな色よと
....
きみの空にはいくつもの風がながれ
きみの血流はいくすじかの未来につながっている
まいにちは規定された演技をたずさえて
きみをいざなってゆくちょっとだけ厳しい教室
でもさ きみの壁をとり ....
できることはもう全部やった。
青春の夢をおいかけてきた。
今、何がなくてもふと安らぎがある。
安らぎを得るためには何も必要ではないんだね。
それがはっきりわかってしまった。
....
君も気付いているんだろう
とっくに一人で歩けることに
それでも一人は不安だから
誰かに寄りかかってたいだけ
人はそれを恋を呼んだり
愛と呼んだり依存と呼んだり
何か ....
全ての生命は最終的に緑になる
彼女はそれを信じているが
俺は確かめたらいけないと思う
そして最悪の見た目のパスタを
最高の笑顔で俺に差し出し
俺の瞳の中に毎回奇跡を起こそうとする
....
この前とは違う洋服を着て
褒められる自信なんてないけれど
そうやって知らないうちに増えた
物語を連れて行きたくて
斜め掛けの鞄で潰す胸が
メロンパンみたいに膨らみ
君が待ってると考えただけ ....
あってないようなものばかり抱えているんだ
スカスカなのにやたら重たくてさ
道の途中でぶん投げてしまいたくなる
けど責任持って最期まで抱えていくよ
唯一つの存在である私
唯 ....
このやるせない 怒りは
この俺の やるせない怒りは
伝染病の恐怖の 最中にあってさえ
執拗に くりかえされる
社会病理に向けられている
理性の壁など いとも単純に破壊し
ものやかねに群 ....
桜色の海におぼれるかのような夢をみた。
陽だまりの風呂敷に包まれているような
暖冬にこの恋は凍え死んだ。
さよならの導火線は
遠い夏の線香花火
最後の夏だったから
雪が溶けたら
春が来たら
そう言って
花咲爺さんに化けた妖精
笑って平気なふりしてた
手品師が出せるのは造花
二 ....
御簾をあげてください
ああ桃の花が咲いている
今日の風はいい匂い
あしたは庭に行けるかしら
もう一年も経ってしまった
夢を見た人形と遊ぶ夢を
紙雛が私を囲んで笑っていた
病は治るよと ....
群衆を華麗なステップでかき分け
黄昏に伝説の船を漕ぎ出すけれど
雨だれのように繰り返し砕けそう
見送る人波のなかで手を振るあなた
くちびるを必死に読む
息継ぎしながら
愛の言葉が箇条書 ....
今宵、記憶の薔薇は咲く
紅い 紅い あの花が
安易なラブソングは好まない
とか
僕はほざいていたけれど
所詮この世は男と女
今宵、記憶の薔薇が咲く
紅い 紅い あの花が ....
窓が割れたら恋になるよ
日陰の屋根の下で心残り
破片が寝転びチクリと刺さる
君を待つ時間がとても長くて
小指に結んだ約束の糸を
強く引けば切れるのが怖かった
僕の方角に東はないから
君が ....
私はずっと真似と振りを繰り返してきた
だから
私はずっと真似と振りを繰り返している
良い子供の真似を覚え
良い子供の振りをした
いつか
良い子供の真似に苦しみを感じ出すと
悪 ....
黄昏を乞う
夕餉の香りを乞う
あなたを乞う
746 747 748 749 750 751 752 753 754 755 756 757 758 759 760 761 762 763 764 765 766 767 768 769 770 771 772 773 774 775 776 777 778 779 780 781 782 783 784 785 786
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