歩いては振り返る
其処に本当に道があるのか
あったのか
確かめるように
本当はそんなことをしなくても
良いと分かっているのに
それでも遣って来る朝から
目を逸らすように
足跡(そく ....
青ざめた紙面の上に文字にできない言葉は蹲って
悲惨に陰った時のこの胸の奥には言葉に出来ない思いがひしめきあったりした
似てるようで寡黙と無口は違うから
普段は陽気で雄弁な人も
時には無言を ....
十五歳の世界で見つからなかったものが
今になって見つかるわけでもなく
背景はわたしの視線をズレてどんどん透明になっていく
古着屋で買ったスカートはこの問題を解決できない
そしてまたわた ....
双つの矢が
雨にまぎれ 落ちてくる
見るものの影を
激しくはためかせながら
夜から朝
残る風の門
片目だけの雨
手のひらの雨
はためくものがうずくま ....
空を横切る黒い線
手を繋いで風に揺られる
交差点では
信号無視の歩行者が
一人、渡ればまた一人
ヘッドライトの流れに飲み込まれていく
濃紺に反転する手前の空の鱗 ....
最近は毎日が
元気出したり
落ち込んだり
嬉々としたり
鬱々としたり
したりしたりの
繰り返しだ
それでも今日は
緑照り映え、陽光に
貴女の顔は、明るんで
悪くない、悪くな ....
針と糸でまつ毛を縫い付けて
空に夜をプレゼントするから
青いドレスの裾で生きる
蛇口を捻っても
きっと美味しい水は出て来ない
この部屋にあるものは
形を忘れてしまいそうなほど
影に呑まれ ....
あなたの愛は分かりにくい
言葉にも
行動にも
現れることは滅多になくて
わたしはあなたの視線を辿って
いつも愛の在り処を探している
甘い果実の香る様な
夢を見たけれど
現実とは程遠 ....
まいにち つくる
きみのべんとうは まいにち
ぼくが つくる
だって きみは
まいにち まいにち
はたらいているんだもの
コロナあいてに
キリキリ ギリギリ
....
干上がった海に熟れた西瓜が割れ落ちるよな
愛や恋を編み込んでいく箱に然られた綺麗事
傲慢な遺体たちに接ぐ 太陽とハロゲン帽
空いたハマグリのブローチに被されば曇天
気持ち取り残した朝日の影を踏 ....
解法を開放するとの快方を介抱した会報は、たちまちきんいろの瞬火と等価に交換されて消えていってしまった。吹かれていたよ。誰よりも。あなたは恰好よかったよ。でもそれだけだった。そのしらせが持ち込まれた時も ....
10年前未練に溺れてた私へ。
そんときは辛いけど、
そもそもあなたの好きってなに?
あなたの未練と呼ぶものは本当に未練と呼べるんですか?
きちんと何も愛せなかった、愛してなかったと
....
死ぬ気のない自分は、
死ぬ気で、物事を考えたことがない。
殺す気で白人警官は、黒人男の首を、
殺す気で踏んづけた。
眠らせる気で夢魔は、女の胸を、
眠らせる気で踏んづけた。
....
その話は終わりだ
あれが
雷だったのか
烏賊寿司だったのか
三日月だったのか
など
「 モー 」 と、
午
車内でマスクをするのは、賛成です
ただ、忘れずにいたい
思わず、くしゃみをした人へ
私の目線がささらぬように
ちょっとの 間 を置いてみる
口と鼻は隠しても
〝まなざし〟だ ....
今宵も一人ひとり
友の顔を浮かべれば
それぞれの夜を
闘っている
{ルビ面=つら}の皮一枚
透きとおる風のマスクで顔を覆い
今迄の僕より
少しだけ、つよくなる
もし君か僕が疲 ....
靴紐を結べば解けるように
約束をしないままで光ってる
野を越えて海へ潜り
花を踏んだ底は美しくて
さよならで振り替えた未来を歩く
もう会うことはなくても
ポケットには君の居場所がある
素 ....
なにもないことが自慢だった
なにもないから傷付くことも出来なくて
だからそれで良かった
良かったのに
どうして芯を持たせようとするのだろう
顔も知らない有象無象は
寄ってたかって
自 ....
からになった包装シートが
転がって見上げている
中から押し出された銀紙が
恨めしいとでも言うように
未来、と君は云ったね
でも
今、
今、楽になりたいんだよ
左手首は痒いまま
....
この夏に飛ぶはずだった白球よ、君はバニラアイスではないはず!
この夏を溶けることなく越え、君はいつか必ず青空へ駆けるはず!
(透明ではない)
(灰色の一匹の魚)
透明ではない、薄く曇った一つのガラス球のなかに、
一匹の魚が泳いでいる。それは灰色。
「もう泳ぐのに疲れてしまった」と、魚は言う。
わたした ....
まいにち鉛筆を削る
一本でいいんだ無心に削る
まいにち本を読む
一頁でもよくてジャンルも問わない
カレンダーがひとつづつ塗りつぶされてゆく
でも鉛筆を削らないと本を読まないと墜ちてゆ ....
平凡にとか
普通がいいね
とか
探ればあやふやな形をした
幸福の模型をずっと欲しがっていた
それは
平凡で普通な人の形をして生きているに他ならないんだけどさ
なのに何でかな
ど ....
暗い湖に朦朧と沈む膨張した死体の夢
網膜のなかに書き殴られた最期の詩
叫びはふやけた肉体に阻まれ
二度と出られぬまま溶解して流れ出る
いつだって午前二時
破裂と飛散を望むものたちが
内 ....
横たわるあなたの寝息に触れようとして脆いガラスを抱いたように怯えている
そうだ でも わたしは
たしかにむかしガラス瓶だった
ながい くらやみを のぞいて いく
とても穢れている。賽の河原か
しかし、ならされた靴跡は、軽快だろう
ここまで来た道はもう消えることは無い
往来する人影に寄り添うが かたどるものも、いない
....
ちりも積もれば
塔となる
権力者の尊大な
塔よりも
名もなき者らの
小さな塔
寝人は知るのです
私の言葉によって
九の門をくぐれば
至る・涅槃へと
....
小さい滝が描かれている
六月のカレンダー…
誓いを契る人も
もういなくて
休日を探したり
することもなくて
生き残っています
36°4の世界で
覆い被さるように
緑は濃く
樹間から
漏れる光は白々と
揺れる木葉と踊っている
久々に開設されたイートインで
私はアイスコーヒーを啜っていた
季節は新緑を通りすぎ
梅雨入り間近な曇 ....
ダービーが終わった
大戦以来の
無観客のなかで
去年死んだ
ディープインパクトの仔が勝った
父は華麗な走りを
"まるで飛んでいるよう"と表現された
だからその仔は ....
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