きっと
さむい朝だった
口もとを曲げてぐずぐずしてる私は
母に手を引かれ一軒家の自宅を出ます
庭の垣根に糸の付いたミノムシが一匹
若い母は指先で糸を摘み
「ほら」
....
これまでの人生
一体どれだけの分岐点に立ってきただろう
どれだけの選択肢があったというのだろう
もしもあのとき 違う途を選択していたら
いまとは違う生き方ができていただろうか
....
イタリア料理を精神障害者たちとスタッフと食べに行った
あらゆる種類のケーキが一つずつ出された
僕はチーズケーキを食べたかったんだが
スタッフの女の人もチーズケーキが食べたい感じだから譲った
....
{引用=
いつからか、おなじ風景をみていて その光景が、なにか いつもと違っているような、そんなふうに想えるような どうしてか、陽射しの注ぐ よく晴れた日のこと
ひとの話し声や、遠くのひとかげや ....
書いてみると、ずいぶん重いことばのように思います
お互いがお互いのことを想うとき、こころ安らかな無条件の信頼があるかどうか
正直、言語化はとても難しい。
たぶん、もっと単純で、シンプ ....
あなたが転んだ
わたしは転ばなかった
並んで歩いていて
あなただけが転んだ
大きな怪我もなく
桜の花びらが落ちた
どうでもよいことばかり
ふと思い出す時がある
大切なことは ....
恋とか愛とか
そんな難しいことは
よく解りません
ただ
私は私の名前を
あなたに呼んで貰いたい
あなたの声で呼ばれる私の名前は
どんな風に響くのか
それが知りたい。
....
それは可聴帯域の外からやってきて
濡れた鼓膜を鈍く震わせる
横断歩道に立ち尽くす
影は雨に打たれている
真夜中の運河の海水は
重油のように重くなめらかで
質量がある
若いホームレ ....
毎日むなしさを
通り越してしまい
虚空の身体に響き
吐き気まで感じる
それでも多忙か
このパノプティコン監獄ロックを生き切れ無いなら
空の青悲しいセンチメンタルジャーニー生きるべし
ただし、謙虚なフリして実は他者を見下してる
自己欺瞞のカタマリになって無い限りでは だ
....
こどもがトラックは大事と騒ぐ。
トラックとはなにか。
日本語ではTrackもTruckも同じだ。
そのトラックはどっちなのか。
音楽録音に関係するトラック、
それをはじめて覚えたのは
....
権力の監視下にある文明
社会構造の中でもがいて
大声出したって
自由というシールを貼った
透明な監獄の中
見世物小屋さ
気づかない方が幸せ
目の前にいる人々は
飼い慣らされて
権力者 ....
寒いが 晴れている
中野坂上で降りる
昼は あんかけ焼きそばにした
ベンチに腰掛け空とビルを見てた
流されていく言葉は
僕の中にあるのか世界の中にあるのか
そうした問 ....
貴女の肉体はもんどり打ち
苦悶に波打ちもんどり打ち
何度も何度も反り返り
持ち上がりもんどり打ち
去らせて貰えぬ魂の
貴女ヲ担う肉塊の抹消
待ち望んでいるんだ
どれほど長く待ち続 ....
山裾の丘陵地
総合病院の裏出口から
人通りすくない小道を往くと
閑静な民家の中にログハウスも立ち並ぶ
金網張られる路端に
あかるんできた雨空をあおぐ朝顔が
緩い風の懐であ ....
朝、ぼんやりしていたら
何故か十字を切りそうになって驚く
これではまるで
隠れキリシタンではないか
日曜学校に通っていたのは
小学六年生の頃なのに、何故?
誰かの祈りも正しく私 ....
白いテーブルに散らばった、
古い痛みと哀しみが
碧色のガラスの欠片とともにある
陽の当たる部屋から外を覗く
破れた写真をページに挿んで
永く閉じている本の背表紙に触れる
想い出は、夢の ....
やっと想いも嘘も忘れた冬の夜に
それでも消えない画像だけは
頭の中のアルバムには残る
昔生きた男のさみしい笑顔とか
押しつけられたありがたさを
断れずに無理矢理笑ったこととか ....
朝の迫る 小屋の中で
瞼のない鶏が 夢を見ている
句点の間に
翔び 落ちて
読点の染みになる
それは
憧れ 贖い
取るに足らない
それでいて
代えのきかない
祈り
....
世界は、ただ一枚の絵だけ残して滅んだという。いったい、だれの描いた、どの絵として残ったのであろうか? あるいは、世界自身が、世界というもの、それ自体が、ただ一枚の絵になってしまったとでもいうので ....
バスの中でそっと外した薬指の指環
外しはしても 捨て去ることは
できなかった
外して間もないせいか
薬指が物足りない
薬指が泣き喚いていた
ねぇ、指環、してよ!
してよし ....
深夜、コインランドリーで、小説を読みながら機械が止まるのを待っている女、彼女がどんな気分かなんてある程度想像はつくけれど、それが正解とは限らない、ただ、夜中にまとめて洗濯をするのが好きなだけの女か ....
あらあら、
昨日もお会いしましたね?
懐かしい方
全てが結びつきました
あなただとは分からなかったのです
ゴルゴ13ではありませんが
バックはやめて(笑)
あの熱量では
変質者 ....
松本さんは
おはよう。こんにちは。こんばんは。
精一杯振り絞るように挨拶をする
今までそれも無かったと看護師は言った
回廊でぼくの袖を引っ張り
彼は時計を差し出し
何かを聞きたいらしかった ....
じきに年末なのでおせちどうするかと家人に話す
私の家族は基本的におせちが嫌い
それでもクワイだけは買ってちゃんと煮る
クワイはオモダカの球根だよと母に教わった
おせちは無駄に甘い(長持ちさ ....
毎年この日の夜には
上原君の星が話しかけてくるはずなのに
今年は何も聞こえてこなくて
見上げても
光が揺れることもなく
なあ、もう忘れちゃうよ
と
小さく嘘をついてみ ....
布団の中を温める自分の体温
この世にいるということ
私が私であること
自分の世界を歩むこと
ありがとう
愛している
ここにしかいない
私
愛している
自称詩人が増え過ぎて
嵩張って仕方ないので
ちり紙交換に出そうと
待っているのに
なかなか来ないなあと
思っていると
自称詩人はリサイクルが出来ないから
どのみち引き取って貰えないことに ....
今宵この人生の終わる時 、
とてもとても遠い声のする
この光満ちる意識の視界に
為され来た約束全て破棄され
彷徨える人魂は風の吹くまま
シルフの知るかよと救いなく
さわさわ囁き ....
顎から上は天界であるという風に
今日も僕は手巻煙草を吸っていた・・・
昼にはCBDの電子タバコを注文し
寒いとおもっては二度、風呂に入った
混濁やカオスや不摂生や
一方で僕は清潔 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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