1945‥あ、変更シティ‥ これから珍問答をするから少しの間我慢してくれ‥‥と男は言った。 卍
(B)なんできみは空ばかり見つめてるんだ?
(A)僕は空を見つめてはいるが空は意識して ....
とぎれとぎれの信号も
詰まってあふれだした声も
獣道で見つけた風景も
しましま模様の高い空も
右手に光るガラス片も
左手にふるえる小さなカエルも
晩御飯のにおいのする街角も
....
すっと
鞘から出し
慣れた剣をきりりと見て
「この歳になると
斬りたい人の
一人や二人はいる」
いつもは穏やかな
友の眼が光る
真新しい剣をじっと見る
ぼやっと浮かぶ影
さ ....
右手を差し出す
空間に
グラスは掴めず
ゆらゆらと
さ迷い
宙に静止する
行き場を失い
伸びたまま
*
探し物は
見つからず
宙空でくてんと
伸びた手が
在らぬ方 ....
人間性をどう回復するか
それだけが問題であって
あとは些末なことだ
やはり人間と人間のふれあい
切磋琢磨の打ち合い
それが大事だろう
全部あきらめた
と嘯きながら
いくつものことを忘れてきた
(つもり)
甘いのか、苦いのか
{引用=即興ゴルコンダ より、お題は たばすこ氏}
友達が突然、電話してきた
地元の大学でイザベラに
英語の教師の資格を取ってもらって
日本のこの町に来てもらって
この町で英語の教師の
仕事をしてもらえばいいんだと
そうすれば二人、一緒にい ....
湖面に広がる波紋の数をそっとなぞると朝が来る。
ぼんやりした空模様に湖岸の紫陽花は沈黙を守る。
ほんのり青味がかった空気を吸うとまた一つ思い出が増えた。
野鳥の声の鳴り止まない切ない ....
小市民である人々が規律を破るのは致し方ないことである。全体に及ぼす規律の影響よりも、あくまでも個人の利得を優先させたいのである。そのような過ちを繰り返すことによって処罰もまた厳格化されるのであろう ....
「きょうのあなた」
昨日は 自動販売機
今日は ミルクせんべい
毎日変わる お気に入りを
クリームパンのような手で
かかえながら
まんまるくなっ ....
ぼくは頭がわるい
悪いなりきにむかし本を少し読んだ
宮沢賢治の永訣の朝という詩が
好きで何度も読んだ
それから
長い小説を読む根気がないから
短編をいくつか読んだ
....
仮面を外し 新しい一歩を踏み出す為には
涙を流す必要がある
人からは強いと言われる僕だけど
肝心なところをいつも誰にも見せていないだけ
尊敬という言葉を口実に
誰かの言葉を真似し
誰か ....
細かな砂利と一緒に寄せ
滑り落ちてゆく
向こう側へ
くるぶしまで濡らしては
かえすゆらぎ
見上げれば
三角形の
それぞれの頂点が
数万年の誤差で
瞬いている
(・ウ・)
(ーパー)
(゜ル゜)
(ーパー)
テレワークを続けたら
人間はダメになる
確かに通勤は面倒だ
鬱陶しい上司の目もない
こんなに楽なことはない
が、しかし
日がな1日
パソコンに向かって
カチャカチャやるだけで
....
土塊を捏ねる
指先に気を集め
煮え立つ熱を流し込み
ゆっくりしっかり力入れ
未定形の粘る分厚い土塊を
思い思いのまま捏ねくり回す
捏ねくるうちに不思議なこと
土塊と指先は拮抗しながら ....
海鳥の鳴く午後、羽を広げた大海はその背に輝く日差しを浴びている。
やがて訪れる闇から逃れようと必死でもがく人々が街路樹の影に潜む。
闇を好む人々が公園通りに群れをなす時、
しもべのカ ....
星屑のそれこそ屑だらけの海を泳いで
ようやく海から這い出たような
じんわり、と、重い。
私を裏返してでてきたものを
両手でかき集めて
ひとつひとつ灯の光に透かして見てみると
とてもきれいで ....
つま先から
ふくらはぎ、ふとももの
静脈をとおり
心臓にかえってゆく血を
凍らせ
解凍して
通わせたい
最後に触れた頬
と
書いたとき
ペンをもつ人差し指の
指先の冷 ....
いつか街を出ていく
それはいつかわからない
いつか街を出ていく
この街を出ていく
遠いむかし
産まれ
育った
故郷を離れた日みたいに
いつか部屋を出ていく
この部屋を ....
生きる希望
なんて簡単に手に入らない
惰性に転がされて生きているんだからさ
転がりながら生きているんだからさ
生きる希望なんて何処に有るんだよ
生きる希望よりも
絶望に励まされ ....
波の切れ間に見える景色を
逃げ水に浮かぶ風景を
夕涼みに流れる静寂と虫の音を
けれど
青空がこわいから
(臆病は治らない)
夏の気配に
....
緑色の衣を羽織り人が死んでいる。
うっすらと開かれた瞳に映る永遠。
絶望や幸福を超越する組まれた手。
愛に包まれた人生。
音もなく忍び寄る悲しみは
目の前に広がる大海を ....
虚無は底を打つ。殴りつけ罵倒しながらわたしはこの地を去って行く。蒐集家、乱暴な男。銭は底をつき廃墟に見送られ一人見知らぬ場所で客死するのだ。 etc.by 胡蝶(多児真晴)
使われない物 ....
『これはそんじょそこらの百貨店には売ってない。』と、
いかにも百円な感じのスコップを持って断言する
大きなサングラスをかけた男の人が立っていて、
変わった人だなあと感想を抱いた。
この人ど ....
この宇宙に
何かが流れ出て
わたしが生まれ
太古のヒカリ
夜の底から
力を貰い
未来のヒカリ
わたしから流れ出る
捧げられ 捧げる 全ては一途な捧げもの
....
誰かに取り残されたみたいな
町に住んでいる
夏が透けると思うのは
隣人の会話が
窓の枠を伝って来るから
生活の音に混ざる方便が
静寂という石灰を溶かして
水が流れるのを聞いている
背景 ....
数十年に一度の豪雨って
よく聞くけどよ
ここんところ
毎年おんなじこと
言ってねえか
どこが数十年に一度なんだよ!
そのうち
毎年恒例の豪雨ですって
言い出すんじゃねえのか
....
学校帰りのアルバイト
コンビニエンスストアで
最近話題のいい男
噂のビニ弁レガシィ君
いつもあたしが暖める
彼の夕食五百円
コンビニ弁当ぶら下げて
乗り込むクルマは
ニューレガシィ ....
青年ではなく青魚として、この夏をするりと越えてみせる。
一人ではなく一匹として、父の川を泳いでいた頃の身軽さで。
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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