生きている間には
誰だって絶望にぶら下がってしまう事はあるだろう
否応なしに
いつだって
幸せの絶頂はほんの束の間だし
時が経てば
感動も薄れる
それでも欲望が尽きる事はなく
....
思い返せば君をアパートで初めて抱いた夜
それは危険な賭けだったかも解らない
なぜなら
その時私は君の体の中に押し入り
いっとき体を制服したかっただけで
それ以上の感情の昂ぶりには至らなか ....
一日五千円の稼ぎ
ぼくはその五千円によって
スペシャルになる
ぼくはぼくの子供に買う
知育の玩具を探す
ポケットには
くしゃくしゃ笑う樋口一葉
知などじつはどうでもよく
育 ....
脳髄を静かに掻き回すマイルスのエレクトリック
インスタントコーヒーの粉を食パンにぶちまけて湯を飲む
退屈にかまけた下らない遊びさ、ハナから味なんか期待してない
だから心配しないで、俺はまとも ....
細く、ほそく
こまぎれになった星屑の
言葉を発する前の かなしみに
溺れた夜の むせかえる
せいし のかおりに
顔を 埋めながら
わたしの夜を 越えてゆく
ひたす ....
かなしみの
青が降る
透明、
ただ透明に
なっていく
己の体
幾億もの幾兆もの者達が通った道
途、未知、溢れ
枯れ果て、移行する
闇の光の奥の
ふるふる震え揺れ
時の間隙縫い
....
きみがちいさな黒点につまづいて
細く伸びてみたりさらに縮んでみたり
右手の過去と左手の未来を見比べているころ
困り顔で時間を凍らせたきみによりかかりながら
星たちが残していった虹を見ていたよ
誰かを
何かを
攻撃するばかり
それを強さと
思い込む
力の強さも
使い方によっては
愚かなだけだ
敗北を
いつも予期している
弱い我々こそが
ただ人だ
....
恋が始まってしまったから
死の危険を感じるほど鼓動は
刻まれて
まだ足りない
心臓を
優しく撫でてほしい内側から
葡萄を齧る
垂れた汁を舐め取る
電話が掛かったからと
部屋を ....
大人は意外と幻の存在を知ってる
自分だけわかっていれば良いと
納得しているから口を噤む
いくつもの不思議を重ねて
君は大人になったから
何もおかしなことはない
細かく震える肌もまた
....
しんしんと
降る夏の雪
僕は外套を脱ぎ
マフラーを外し
蝉は鳴かない
音をなくす者の
白い昼に降りた
蚊は飛ばない
四肢を振り
流れるツタ
煉瓦のような
....
必死で追い求め
息切れの中で掴む裾は
するりと遠くへ舞っていく
手に入れたいと焦がれる程
虚しさは募るばかりで
いつの間にか自分を見失う
目的を忘れた心
眩む目には手の届かない背中
....
気持ちがゼロだったからいくらでも割り切れたけれど、腹を割って話すことはできなくて、
ゼロだから我無かった。
愛されるよりも愛したい
思い込む 自己満足 安心したい
許されるよりも許したい
受容する 自己防衛 問題未解決
知らされるよりも感じたい
驚き 自己破壊 ....
太陽と月の追いかけっこは正解に浸る
今は夜なのに、明るい未来が照らし尽くして影も見えない
外灯の元 けばけばしい毒蛾すら蜘蛛の糸に絡まるようです
組紐の過ちを認めざる負えない
思考から病巣を退 ....
もうだめだと思って
でもそう思うのは間違っていて
間違いをまちがいとわからないのだ
おかしくなりそうな
きりきりした十六夜の月の腐乱
さくらんできら楽だろうさそりゃ
そう
スピードのエー ....
サンドストーム
夢遥か
砂漠の最中
逸脱し
微笑む貴女が
ただ独り
ただ独り居て
未知永劫
遠去かる背に
追いすがる
追いすがる我
独り居て
*
....
味噌汁を掻き混ぜていると渦運動のさ中に黒色の欠片が俄に散見された
葱の二又に分節する箇所に身を隠していた微塊な土くれか
或いは湿地の石突きの紛れ込みか
それを判別する有効な手立ては持ち得ないのだ ....
夜のひととき
そんな美しい響き似合わない
崖から一つ石の塊
取り出したような
硬くも抱えていたい
私の時間
弾いてみたら
指を怪我した
生ぬるい血をなめて
「死んでない」
....
無音の夜
また到来し
月はない
月光だけある
白々と
辺り、白々と
浮き上がり
寸断された記憶の
恐怖、また襲い来る
私は私の実感を保てず
意識の外郭だけが生き残り
やがて蠢 ....
大・長・多は
開放と回帰を実現する。
意図としても
印象としても
両極ではあるが
構造や物語が強くなるか
多様や分散が濃くなる。
視線の獲得か
刺激の喪失かの差しか底に ....
どうしたらいいんか分からない
こんなんじゃいけない
思索をしたいけど
そも向いてない
井筒俊彦や西田幾多郎がなんだか憎くくて
ぜんぶ燃やしたい
生活でいっぱいだ
でも今はその生活さえ半分 ....
《そこ》では、
だれにも読まれないから、
詩を、
詩のサイトに投稿した。
詩、だから、
詩のサイトでは、
読んでもらえると想った。
でも、そこでも詩は、
読んで ....
眠い 線香花火のさいごボトっと落ちるヤツが
一気に千個落ちるぐらい ねむい
少し口角を上げた三日月は心を食い荒らしている
がみがみの大きな口を縫い 星星を抱いた罪深きつけ爪の赤を
初める
熟れた柘榴に切っ先を、ウツボカズラの試験管に漬す
死した君の瞳の奥底に囚われ ....
一週間前から降り続いた雨のせいで
河沿いの家屋は今にも流されてしまいそう
避難したホテルの1階から不安そうに眺めていた
叩き付ける雨がガラスまで壊してしまいそうだった
晴れ上がった翌日の昼 ....
日頃ぐうたらな僕が
一念発起して
庭の草をむしり始めた
夏の太陽はぎらぎら笑い
ぽたり、ぽたり
{ルビ滴=したた}る汗は目に沁みる
草のむしれる感触に
無心で熱中しながら、熱 ....
時代は益々混迷の度を深める。
今、この時
詩が何かの役に立たないか。
詩心は宇宙の果てまで旅する事ができる。
そして自己の中の奥の方の声も聴くこともできる。
このコスモロジーは
必ず人間を ....
「草を踏まずに森を抜けられるだろうか?」
靴を脱ぐといい。
「しかし草を踏まずに森を抜けられるのだろうか?」
靴を脱ぐんだ。
「どうなんだ?俺は優しい草を踏まずにこの森を抜けられる ....
一匹の金魚が
ヒレをゆっくりあおいでいる
ポイに捕まった
アタシは運が悪い
みんなはどうしたかな
どこへ連れられていくやら
どのみち売られた身
受け身ばかりでは
....
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