一つ銀河を買った
安かった
お値打ちだよと町の骨董屋が言った
どのへんのですかと尋ねたら
古いのだからずっと遠くのらしいねと答えた
持って帰って
包みをほどいて中を覗くと
赤い惑星に
....
かつて
人の夜は
静寂だった
無音の
冷やかな空気に
包まれる
音を伴わない
声を聴く
動かない静けさの
声を聴く
沈黙に耐えられぬ
饒舌
黙考に耐えられぬ ....
病を得ても
私は益々軒昂だ
信仰とは無限の希望
希望に生きるとき
その生命は充実する
美しい世界を知らない美しい人々
この夜を朝に変えることもできないのに
大気が乾燥しているから今日は空が綺麗だ
アスファルトの上を模様のように這うトカゲには太陽は目に痛い
そう、そのきみが太陽か ....
神々の夫婦喧嘩で
あたりちらし流れ着いた新しい愛
それは朝の空に浮いているみじかい月のように欠けているから綺麗だ
浜辺で月が太陽を追い落とす時
酔い潰れる死からは逃れられない
死には遠慮 ....
「太陽の失態」午前1時
のんきな太陽が退屈のあまり海を覗いたそうな
するとパラオの海にぽちゃんとおとなしい波を落としてしまったそうな
だから大西洋はいつも時化なのだそうな
「眠りあ ....
暗闇
行軍
泥まみれ
腰まで川
流木
照明弾
潜伏
腕だけの物
脚だけの物
暗闇
進軍
全身泥まみれ
寒気
眠気
傾
脱落
暗闇
かわいた喉かわかし
凍りついた夜の欠片
言い聞かせて飲み込む
染み込むかなしみ、藍色
なんにでもなるさ
君が笑えるなら
{ルビ夜留=よる}をぺしゃんこにする
怪獣にだって
吐き出す ....
テレビを点けたら
そこはアメリカ合衆国
ホワイトハウス前
バイデン推しの国民と
トランプ推しの国民が
まっ二つに入り乱れ
ポリスマン達は{ルビ眉間=みけん}に皺を寄せて
にらみを ....
「こらっ、バイちゃんダメでしょ!」
「んあーっ」
「この黄色のスイッチは
絶対押しちゃダメなの!」
「んあーっ」
「これ押したらね、バイちゃんも
バイちゃんの大好きなプディングも
全部ぶ ....
放り投げていたわたしを
私が拾い
抱きしめた時
やっと私はわたしを知り
温かな諦めで
ぽっかりと満たされた
降りていく
夜空の底へ
降りていく
瞼を閉じて
降りていく
やはらかなそこへ
そこなきそこへ
はらはらはらはら舞いながら
やさしいことのは散らしながら
降りていく
宇宙の底 ....
こう見えて
俺はあいうえお作文の天才なんだぜ
ノーベルあいうえお作文賞があったら
間違いなく5回は受賞してるんだけどよ
賞を作ったダイナマイト製造鬼が
あいうえお作文作家に
恋人を取られた ....
17歳の時に書いてた詩をみつけて
乾いていく心を守れなかったなと思う
ばかものよと
誰かに言われるんだろう
二〇一四年六月一日 「偶然」
あさ、仕事に行くために駅に向かう途中、目の隅で、何か動くものがあった。歩く速さを落として目をやると、飲食店の店先で、電信柱の横に廃棄されたゴミ袋の、結ばれていたは ....
生きるのが悲しいとき
空がありました
お金は無くとも学は無くとも
愛するものが無くとも
愛されることが無くとも
顔も髪も服もゲロまみれで目覚めて
一言
綺麗だなあ と
呟いたあの瞬 ....
「足萎えの人魚」って
人魚には
足が無いっしょやぁ
だから、それは
人間になった人魚のことさ
満ち足りない希望を
欲望に換えて
「海に沈む狐」のように
漣に涙する夕日に向か ....
存在、存在、存在、存在、存在、在存、存在、存在、存在、存在。
9つの存在と1つの在存、そして在存を異物と見なす僕らの存在。
闘いの始まりではなく
始まりの闘いが続いている
クローゼットの把手の
象徴は
クローゼットの中の死体に拠るよりも
振り返った先の
あなたの微笑に降ろす
錨かもしれない
そうやっ ....
これなにかなって?
笑いあう
くちびるふれあせて
あたりまえのように
名前を呼んで、呼ばれて
つながった心つながったままで
終わりなんだな
思うほどに
君を想うよ
崩れ落ちる ....
野菜を切っていて
指まで削ぎ落とした
あまりにもスッパリ削いだので
痛くも痒くもなかったけど
時間が経つにつれ
痛みと真っ赤な血が押し寄せて
ああ、やっちゃったと改めて思う
私にも赤い血 ....
焔
困惑
火の粉
無力感
夜空
焔
喪失
天使
絶望
焔
世界の破壊者は片手を上げ
まわりに誰もいないのに気づくと
片手をおろした
海は波の触手を伸ばして陸に襲いかかり
さらには沸騰し
現在は塩酸になるか硫酸になるか悩んでおり
山はもちろんの ....
からっぽで何にもなかったので
手元に落ちてきたSFを入れてみた
SFの尻尾はもう古ぼけていて
埃をかぶっていたけれど
頭のほうは元気で活きがよくて
これならからっぽも何とかなるかしらと
一 ....
「ハトと一緒に
風呂に入ってよ」
働き先から
帰宅した妻が言った
「分かったよ」
そう言って
沸かしてた風呂に
入学前の娘と
入ったものの
温めの風呂でも
ノボセて ....
なにかを始めようと
手続きしたわけではない
そうだ
終わりのことなど
誰も
かんがえるものか
だから
俺の終わりのことなど
知っ ....
白い壁がありました
白い壁に沿って私は歩きました
私には足がありました
私の足は交互に動きます
私はそれを動かしています
白い壁があります
白い壁に沿って草が生えています
私は草をむしり ....
{引用=「アルタイル(ひこ星)」
めをつむると
いたって
砂さばくです
ずっと
ふたはあけた{ルビ儘=まゝ}
眼には
さぼてんの花
{ルビ如何=いかん}
せん
いか ....
人の大切なモノをとって
羨ましがらせて
人を傷つけて
優越感に浸るのが
楽しい
それ以外は何をしていても
虚しくてつまらない
そういう悪意に満ち
虚無感に満ちている
人間がいる
そ ....
向かいの甍は
銀の色
広がる青は
底抜けで
私は憩う
この一時
入射は深く
温もって
光の流れを
浴びながら
広がる歓喜に
胸貫かれ
この十一月の
光 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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