君はもう去ってしまうと言うのか
遥かに飛翔して行く詩人よ
一瞬触れ得たあのきらびやか
な言葉の魔術はまさに天与
見者の君はあmりに冷ややか
今残る傍線だらけの詩書
色のついた母音ぼくの ....
あなたに似ている
そっくりではないけれど
あなたに似ているひとに
駅のロータリィで出逢った
ちょうど、
バスに乗り込むところで
急いで追いかけて
ぼくも同じバス ....
あなたに齧られた痕
二の腕の内側にくっきりと刻まれた
あなたの歯型
一晩たって紫色を帯びている
そっと唇を触れてみて
こんなやわらかい肌に
あなたが突き立てた歯の力強さを思う
そんな ....
夕方と夜の境目
湖畔の輪郭が紫色に曖昧になったころ
湖に身を乗り出し水平に手を伸ばすと
足元に流れ寄る無数の細かな波が
浮力となって
まるで
湖の上を滑らかに飛んでいるかのような気分になる ....
闇を歩くあなたの素足には
ぎらぎらする光点が
まとわりつくのです
螢じゃありません
火花です
さわれば火傷する
青白い火花です
死せる姉よ
いまも世界の暗い側を歩く
姉よ こ ....
姉は 目覚めて 自分が
見慣れたヒースの野原にはいないことを知った
姉の夫は彼女を顧みなかった
姉の夫は他の女と愛を誓った
姉の子供は流れ去った
姉はだから子どもたちと男たちを憎んだ
....
彼女に歌をつくってあげたかった
とってもスウィートでハートフルなやつを
彼女のためだけにつくって
彼女のためだけに歌いたかった
プリンの歌がいいな
うん、いいね
僕はノートに詞 ....
あなたが好きで、歌ってくれた
よく歌ってくれた。
録音して、僕に
歌わせようとまでした
その歌を、今聴いている
僕の体のなかで
あなたが、腕を広げるよ
その歌を聴くと
あな ....
最後の頃は
ずっと黙って耐えていたんだよね。
そんな
思い出しかなくても
あとになれば
美しいよね。
あなたを泣かせてばかりいたから
あとになれば
思い出は
哀しいよね
....
海のうねりのあの彼方
青空は遠のいて行く
不透明な愛別離苦
風も無い時の{ルビ泡沫=うたかた}
浮び上がる島の姿
眩しい二人の淪落
光る緑の不整脈
そこに酔い痴れてくたくた
愛 ....
突破しなければならないんだ。破りたいんだ。壊したいんだ。走りたいんだ。逃げたいんだ。逃げだしたいんだ。期日は過ぎてるんだ。何もないんだ。どうしようもないんだ。バイトじゃないんだ。くだらないんだ。蚊が多 ....
扇風機だけがうざったく回る午後、
夏の気温や引力が肌にまとわり付いて離れやしない
呼吸器官を悪循環というカタチで巡り回るであろう、
このタバコに火をつける瞬間でさえも気に入らない
さあさあ ....
卵、みせかけのベニヤの殻をぺりっと突き抜けた
明るい中から暗い夜へうなだれぶち込められたどろりの光を
そのまばゆさの産物がひとつひとつ小さなゼリー状で次々と分裂し
粒が粉になり地球上に拡散しまた ....
朝の寝床で聞く ででぽっぽぅ
は 夏の息苦しさ
貝塚の丘のぽっぽどり
何を歌うか
生の証を 風に乗せて
ぽー ぽー ででぽっぽぅ
鉄の扉 内には把手が無い
日曜の午後 鳩が鳴く
....
この詩を捧げたい
満たされている人にではなく
孤独に打ちひしがれて
震えているあなたに
<負けないでください>
新宿の地下街の
階段のところで
たまに詩集を売っている
ひとりの ....
そとはあかるいさあみんな
もうきたかぜはさったから
のはらにいっておどろかな
かわのほとりでうたうなら
ちいさなはなもかわいいな
めをだすこみちあるくなら
ぼくらのくんだこのかいな
....
川原を散歩していると見たこともない不思議な形をしたものを見つけた。
石とは少し違う。言葉で言い表すには難しい。
なんというか見えるのだけどよく見えなくて
捉えどころのない形。
そんな感じだ。
....
昨日の夕食はなんだったか?って
急に聞かれたってすぐには答えられない
誰だってそうだよな?
暗闇に2人の吐息だけが木霊していた
静寂 あまりにも静寂
緊張 手の平に汗が滲む
昨日の ....
散らかった部屋だけが僕を落ち着けてくれる時、
僕は次にどこへ向かえばいいのだろう
眠れない夜に
窓から差し込むおぼろな光が
私を月の世界へ連れて行ってくれやしないかと
目を凝らして
そのうち光と影の境界もあやしくなってきて
本当に自分は今
月へ向かって
旅立とうとして ....
あなたから溢れる潮の音が満ちてくる
私は抱かれながらあなたに浸されていく
こんなにも安心して
私は生きている、と思う
フローラの口から
花がこぼれるように
私とあなたの口から
流れ出す
....
(窓の)隙間からひるねこが洩れてくるので
(夜が)さらに重くなる
(部屋の)すべてがひるねこで満ちていき
ひるねこ(の時間)が
姦しく はびこっていく
{I=山ほどのよるねこ ....
わたしの周りに
落ちている切なさを
あれもこれもひとつ残らず
夜明けの空に放り投げたら
小さな星となって
朝の光に溶けていった
昼間は見えない
けれど
夕暮れがまた
あれもこ ....
ある日のこと
散歩してると
ふと
ユウコのひとみがかがやいて
つぶやいたのです。
アオゾラニ
ホラ
ハルガヒカッテル
ユウコと
ぼくと
ふふっと
ほほえみあって
うたっ ....
雨、そして雨。雨だ雨が降っている。鋪装された道が熱い。その上に降っているのだ。雨だ。こんなにも暗い。その上を彩っているのだ。螺旋に彩るそれを湯気と呼ぶ。湯気、湯気、こっちにおいで。来ない。来るわけが ....
君は溶剤を片手に
わかってねえを
ひたすらに繰り返す
僕は知らないふりで
適当な
相槌を打つ
細かい周波数が
聞こえる気がする
君はこの世界を
教えてくれると
僕に言い
そして君 ....
久しぶりにカルピスを買ってきた。
5倍に薄めて……
と書いてあったので正確に計って作ってみた。
僕にとっては少し濃かった。
そこで6倍、7倍、8倍と作ってみて
1番いい稀釈を調べることにした ....
タイプライターのキーボード
整列したアルファベット
やわらかい白い指が舞う
日にゆれて互いに感応
華麗な音楽を奏でる
ぼくの瞳に映っている
あれは懐かしい愛の夢
そしらぬ顔の ....
樹皮から生まれた
雨の夜に生まれ
落ちた
気がつけば土のなかにいて
根の森のなか
迷わず
根の細い方へ向かった
沈んでいった
――海も陸も底は暗い
まどろみながら
土と根とにひ ....
腰のものを赤く染めて鳥が鳴く。
うぶめ、と呼ばれる鳥である。
産の穢れに死んだ女は鳥となる。
ほう、と鳴くが聞こえるか。
生まぬとしても女は女と男は言う。
うぶめの悲しみを知らぬは幸福と ....
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