雨を吸った荷を枕に眠り
どこまでも開きつづける羽を夢みる
左側だけが蒼い羽
鍵を持つ手を戸惑わせる羽
いさかいの火に
月は燃え 雲を吐く
ただの黒へ ただの黒へ
鳥は沈 ....
にわかには信じがたい歌と指によって
けだものは のけものは 降って来る
目にあまるけだもの
手にあまるけだもの
首を差し出せば
からみつくけだもの
出た ....
ご機嫌ななめの雲の下 一つ葉のクローバーみつけたよ
はっぱがひとつだけあるから 一つ葉
雫をのっけるのも ひとつ
もらい泣きする雲の下 四つ葉のクローバーみつけたよ
....
「オレだよオレ」
その日僕は
喋る鷺をこの目でしっかり見たのです
映写機の
カタカタと廻る音が五月蝿くて
目を覚ました
カーテンの隙間から
入る風が妙に心地よく
暖かな日差しに身を寄せている
自分に気づく
目の前の大きなスクリーンに流れる
エ ....
連なった文字の中に
あなたを見た気がした
近くにいる時は
あんなにも近くにいた時には
見えなかったあなたが
見えた気がした
並べられた論理の中で
あなたを解った気がした
吹き込まれ ....
遠くを見るよ
とおくをみるよ
岩に開いた小さな窓から
とおくをみるよ
涙は軽石の窓枠に
音も立てずにすいこまれてゆく
誰か
小さな梯子でここまで
登ってきて
ザラザラに負けないで ....
人の思いなんてわからない
心の内を知っているのは本人だけ
誰が近くにいても誰にもわからない
だから人生っておもしろい
明日は何が起こるの?
一ヵ月後は何が起こるの?
将来はどうなるの ....
隣りでは君の咳が止まらずに
ウイルスが部屋中に降り積もって
負けじと僕も僕のウイルスを飛ばしながら
お互いのウイルスは僕らと同じように仲良くしてるのかなんて
そんなこと
ど ....
少し煩かったので首に巻いた鎖を強めに引っ張るとあっけなく死んでしまい仕方なくオブジェにでもと思い立ち鎖を梁に掛けてそのままテコの原理でククッといや本当はズズっという音がして小便やら大便やら ....
妻と相談して
家にエレベーターを取りつけることにした
けれど、取りつけた後で
この家には二階も地下室も無いことに気が付いた
ボタンを押すと
チーン
と音がして扉が開く
上にまいりませ ....
濡れズボンが風にそよいでいる
明日ごろまで生きていれば
多分それを穿くわたし
ねえ
あそこに流れていくものを
いつから雲だと知ったの
風が強くて
笑うほどはためく
せんたくものたち
この体も
飛べたらいいのに
涙をぬぐって
窓と枠のわずかなすき間を
テープで何重にもふさぐ
危なかった
もう少しで食い破られるところだった
鳥はどんな小さなすき間も見つけだして
部屋のなかに入ってくるから
声を ....
僕は
君が 歩くための 杖になってしまっている
今日
君が着るシャツの 布の切れはしに
僕はなってしまっている
綺麗なものだけで成り立つものは好き
そういうものには邪魔がいっぱいあるはずなのに
それを感じさせないものは素敵
手品みたいにしかけたっぷりでも
僕をすっかりその気にさせてくれるなら
すっ ....
抱えているものは
深く
そこはかとなく
花が揺れている
静かな水の底の
急な流れのように
黒曜石は削られ
砂になる
空の底の風に
小さく笑う幼子のように
声無き声を紡ぎて遊 ....
うねび/くちかげ
うねび
くちかげにささやぐ め(う)み の
床下に落ちた砂浜、
まうむ、あうむ、みむ、
扉で裏側の思惟が
深くふかくきしっている
傾いた百合……
うつ ....
ひらひらすべる 落ち葉もまがりかどこえ
きらきらすべる てのひらの氷もとけ
さわさわすべる 甘いかおりたちもほどけ
さらさらすべる しょっぱい水もひえ
ひらひらすべる 落ち葉も ....
公開すると後悔しそうなので
航海してキブンをカエテみることにしました
公海をトビダシ
紅海をワタリ
黄海をヌケ
トキには降灰するなかも航海しました
江海でココロを更改し
狡猾したり構会し ....
窓という小さなスクリーン
世界中の何処を探しても見つからない
その窓は私に語りかける
その窓は白いレースのカーテンを揺らし
心地よい綿のような風が私に歌ってくれる
目の前には一本の木 ....
深緑 {ルビ紅=くれなゐ}に染まりて
泣いて助けを請う 口は無し
助けを求め彷徨う 足すら無し
ただ静かに燃えゆく様を
焦茶 {ルビ煙=けぶり}と溶け合ひ
ごうごうと烈火は 其の叫び
....
大きな母体から現れた赤ちゃんは
誕生と共に死と隣合わせ
この関係は絶対に壊れない
人が死ぬとき
「いい人生だった」という人がある
本当に人として生きたのだろうか
人は自分の在るべき ....
なんの特徴もない女が
シャンプーのつめ合わせ持ってやってきて
さっきからうちの風呂場で
シャンプーの中身をつめ替えていて
僕は黙って後ろから性交し
女の中に白い精液をつめ込んだ
....
筆を取れば
紙は消え
紙を取れば
筆は消える
身体にあいた小さな穴を
言葉は通りすぎてゆく
灯りの消えた店のガラスに
明るい傘がひしめきあい
水た ....
果実のように眠る蛇が
枯れ木の枝に揺れながら
見知らぬ少女に呑まれる夢を見ている
少女は蛇を知っている
眠ったままの蛇の頭を
深く口に含んだとき
無味の毒が舌を ....
ひょいと持ち上げれば石の下にも
木々の葉の裏にも
川にも、山にも、雲や風の中にも
ニコニコ笑って神々は居る
チョット助けてよ
ほら手伝って
と声をかけても
にっこりわらって
ないな ....
アオサギが視ている
水の中を
アヲサギが覗き込んでいる
どんなに深く覗いても
みつめるものは
小魚だけ
きらきらとかがやくもの
どんなにきみは
それをのぞんでいるのだろう
....
ポストに封筒を投函して
コンビニエンス・ストアに入る
雑誌とペットボトルの前を素通りして
カゴの中へ缶ビール
それからカフェオレ
あと何か
プリンがいい
2つ手にとる
口に入れるだ ....
誰だ、窓を塗ったのは!
すりガラスが震えて
ブラインドが
閉まる気配
縁石に腰掛けた老人が
日焼けした手で
顎をなでた
何かつぶやいて
しゃがれ ....
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