優雅で端整な コメット
乱暴で大食漢の オランダ
平凡で神経質な 黒出目金
紅白 オレンジ 真っ黒
我が家の四尾の金魚たちを
見つめているときりがない
金魚たちは主の心を映して泳い ....
今
君が飛び立つ理由を僕は知らない
君が微笑んでいる理由も僕は知らない
なあ エンキドゥ
この世でやるべき事は僕よりも多いはずだし
この世で愛されているのも君の方だ
....
見上げる僕に吹きかけられる
優しい糸に
包まれて
守られて
なにもしてあげられないと
あなたは言っていたけれど
僕は眠っていたのかな
もうこんなに
賢くなりま ....
郵便配達人は
来る日も来る日も手紙を配りつづけた
高い塔は目をこらしても先端が見えず
螺旋状の階段にそって扉が等間隔にならんでいた
郵便配達人は封筒の番地を探したが
扉の数字の順がでたら ....
雨の下にずぶ濡れていた
左手にワイン
右手にパン
行き場なく
真夜中のスーパーの駐車場
雨を吸い込んだ衣服が鎧のように私を固定する
じゃりじゃりした下着の中では
排泄物が雨と親密にな ....
夜はどこにあるのですか
しまってあるのですか
どこに
すぐそこに
見えませんか
そんなに澄んで見えますか
あなたの見ているあれは
実は
空ではないのです
あれは
ただのふろしき
....
魂が燃えて。かすんでって。消えたのを見ました。
一生懸命、生きていました。
泣いたらだめだと思い、こらえたけど。
何か、私はできたでしょうか。あの子に何かしてやれたでしょう。
届かない ....
小学生の頃 道徳の授業で
トマホークというミサイルの映像を見せられた
昼休みの図書室で
「はだしのゲン」を読んだ
全身を包帯で覆われた母親が
生と死の境目で
息子の名を
とぎ ....
絶対いやや
絶対離れたくない
あんたが去っていくて言っても
うちは今まで通りあんたの家に通う
いつも通りご飯作ってお風呂沸かして
待ってる
あんたの好きなもんを知ってるんはうちだけやし ....
シンメトリーな物体は
すべて顔に見える
ということに気がついた
カーテンの柄
絨毯の模様
古ぼけた衣装ダンス
服についてるボタンのひとつひとつ
みんな息をじっと殺して
わたしの ....
あー、あー疲れたと思って家に帰れど
「ただいまー」と言う相手もいない
「ただいまー」
「いってきまあーす」
と言って家を出た子供の頃が頭をよぎる
お袋かぁ・・・・・・・。
幾つになって ....
この夜
私は夢の中で
白い竜巻を 部屋の中でオロオロしながら じっ、と見つめていた
白い竜巻は私の居る家の横をすれすれに通っていき
竜巻が過ぎ去ってしまったあとに私は家からやっ ....
地下深くもぐり
モールス信号を
生涯送り続けた男が
死んだ
その晩
世界中の
ラジオから一斉に
鐘の音のモールス信号が
響いた
雨が空を押し流して
新しい朝を呼んできた
真っ青な
洗いたてのシャツ
ぱりっ
ばくばくと奇妙な声で嘆いて八つ足は怯えて。
八つ足が食い散らかした誰かの足。
腕を伸ばして拾い集めるとどこかで呼子が鳴る。
あれが合図なのだとしても、
立ち上がることはできない俺には足がな ....
あたらしい
いのちが
うまれてくる
えいえんをゆめみても
おわりはくるけど
かみさまが
きみたちに
くださったのは
けして
くじけない
こころ
さみしくて
しず ....
しんでしまうとか
めざめたくないとか
あいたくないとか
たべたくないとか
ゆめをみたくないとか
はたらきたいとか
樹になりたいのだとか
あの灯の中に行きたいのだとか
右手に花を ....
1
弟悦章は一九五二年四月二九日
英生院法安育徳童男になった。
母こまは一九七九年一二月一九日
淑生院妙玲郁徳信女になった。
父今吉は一九八三年三月二四日
瑞生院法禅嘉徳信士になっ ....
東大の赤門で
「ほんとに赤いね」
と言った私を
「ほんとにそんなこと言うんだね。ふつうだね」
と言っていたあなたは
鞄にこそぎ見える
赤いギンガムチェックのショーツを
「こんなにかわいい ....
私の隣に彼方はいない
彼方と離れて楽になった 彼方と離れたくなかったのに
新しい恋も探せるでしょう 彼方以上に愛せる人はいないのに
もう戻ることなどありません きっと私が捨 ....
毎日楽しく過ごしています
あなたのことなど忘れたように
違う人の腕に抱かれています
あなたに抱かれたことなど無かったかのように
冷たい布団で眠りにつきます
あなたの体温を忘れたかのように
....
おとぎ話のお姫様や王子様しか
しあわせになれないと
思ってったんだよなあ
子供のころ
幸福ってはるかかなたにある理想のことだと
理解してた
そんな俺が
いつのまにやら
しあわせにな ....
冷蔵庫が嫌いな人になる
それが唯一の特徴になる
ぶつ切りのチーズ
ぶつ切りのフィルム
どちらも最後には朽ち果てるので
本当なら何もない部屋がよかった
断面図はシンプルなのが ....
今の自分を否定してしまったら
全てが壊れてしまいそうで
気持ちはあやふやにして
自分のこと
深く考えないようにしてるンだ
意図的に行動なんて
してるわけじゃないから
何か言いかえされ ....
空が あんなに綺麗なのに
月が あんなに輝いてるのに
星が あんなになぐさめてくれてるのに
想うことは ただ君のことばかり
想えば想うほど 切ないだけなのに
想えば想うほど 苦しいだけな ....
死んだ親父は
一九〇五年一二月二日生まれの
一九八三年三月二四日没だから
享年七八歳であった。
死んだお袋は
一九一二年四月二〇日生まれで
一九七八年一二月一九日没だから
六七年間の ....
ロボットは町中の人々に
自分はロボットであると言って回った
町中の人々は
確かにお前はロボットだと答えた
しかし、ロボットは
俺はロボットの言うことしか信じない
と言い続け
ある ....
エレベータの中で
一人の羊飼いと出くわした
私はその羊飼いのことは知らないし
羊飼いも私のことを知らない
二人とも
なんでこんな所で出くわしたのかわからずに
どうしたものかと
す ....
訪れるものに告げられる
訪れてなお訪れるのだと
川の水は増し 鳥たちは
乾く間も無く飛び立ってゆく
まじわり はなれる
指の内 指の外
同じかたちの ....
ちゅらさ ちらす ちらさ{引用=(美しさ 散らす つらさ)}
笑って
と三回繰り返した後
泣き出したのは
どっちだったっけ
まぶや まぶや
ちらさん ちゅらー ちらさに{ ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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