いちばん最初にその音を聞いたのは
体育の時間
運動場のまんなかで
野球をしてるみんなにまざって
ちっちゃい歌をうたった
こんな歌、誰にも聞こえないよーって
言うみたいに ほら
誰かがホー ....
泣き果てて疲れる体を 抱き起こして 逃げなさいと
赤い血をめぐらせるような 踊りをおぼえなさいと
沸き上がる頭の奥で あの人ばかりが眼をつりあげる
死にたいくらいで すがりつかれ ....
粗大ごみの上でうたえば 黒ねこににらまれるし
公園へ行けば 空があたしをふみつぶすし
嫌われものは うたもうたっちゃいけないの?
やさしそうな人はあたしを追いはらって
あた ....
言葉たち
あちこちで
みしみしと
ひしめきあっていて
言葉たち
時に
きゅうくつだったり
なんとなく
楽しかったり
はやく詩になりたいなぁ
なんて
....
にんぎょうをひろいました
どろをきれいにあらって
あたらしいふくをきせて
るぅ となづけました
おなかがすいたというので
くだものをかってきて
かわをむいて
るぅ となづけました
....
おまえが
にゃあ
しか言わなくなってから
三ヶ月過ぎた
冬の上野公園で
壊れている
おれ
ショウジョウバエが2匹
離れない
ベンチ
に横たわって
斜めに見る
空はどこまでも
....
空の底に飛んでいく何かを眺めたいのですが
ただでさえ寒いこの部屋の 窓は開けません
想像してください
「矢印が3つばらばらに別の方向を指していて
その三角形の真ん中には 目のグラフィック ....
お借りしていたものをお返しいたします。
と、鍵を送りました。
怪我をしないように、布織紙に包みました。
手紙を添えました。
精一杯の優しさなんだろうと、
直属の上司が電話をしてきました。 ....
途方もなく繰り返される通勤という愚行
なんとか自由になろうと編み出した歩行
いまでは神保町から西新橋まで徒歩強行
満員すしづめと戦いながらの空しい思考
電車と速歩各一時間でストレス解消成功 ....
父はつまらぬ魚屋でございましたが、係累は多うございました。
たいそう古くから魚屋を営んでいたと申します。
けれども嫁はどこの馬の骨ともつかぬと祖母は母を貶めました。
わたしは母の係累をひとりも存 ....
東京駅の地下街で倒れた
「わかりますか?」と問われ
わかっているのは君のことだけだったので
「ラ・フランスは長野の特産」と、さっきわかったことを答えた。
語り口は風向
夢に朦朧
うつつに当惑
六畳一間
食べ残しのチョーク
まっすぐに引かれてない白線
そこはわたしの場所だ。
遠ざかれ。
そこがわたしの場所だ。
天気図のサブリミナ ....
分からない事があった。
それをSに聞いてみた。
そんなこと、
どうでもいいじゃん。
むっとした。
むっとしたけど、
その通りだと思った。
僕は生きているから、
そんなことは、
どうで ....
教室に入ると
みんな騒いでいる 明日テストなんだって
いっしょに騒いでいたかったのに
僕はいつからか先生になってしまっていたらしい
みんなが僕の一挙一動に注目する
頭を掻いてみようか ....
青春がんばって 土を蹴って走り続ける
シナプスまで酸素が行き渡らなくなったら
さあそこに見えた青春がんばってる僕
よくやったよくやったと
手をたたいて褒めていた
聞こえるパチパチ
まわり ....
暴力と中傷 無責任な大人
群がる男 愛を忘れたあたし
全ての事に絶望して
首をロープに結びつけ
「お父様 お母様
先逝く不幸をお許しください」
と
真っ白な紙切れを足元に
....
お金をもらって抱かれた
あたしは5万円の女
痛くない 愛される
でもどこか虚しくて・・・
汚い身なり
あたしの体が「受け入れたくない」と
必死で泣き喚く
でも耳を塞いで 「我慢して」 ....
いつだって
僕は廃棄物
君は資源物
いつだって
恋は幻想物
愛は粗大物
いつだって
人間は可燃物
記憶は不燃物 ....
眠るママ あまり会わないパパ
ママの中のあたしの価値は?
パパの中のあたしの価値は?
怒るママ 静かに怒るパパ
ママはなぜあたしを殴った?
パパはなぜ涙を流すの?
ママとパパはしゃ ....
どっかの自動販売機
お金を入れると 愛情ドリンクが出てきた
喉は潤ったが それは一時のことで
またお金を入れて 僕は愛情ドリンクを買った
どっかの無料コインロッカー
100円 ....
ずびずび。
女の子がそんなに鼻をすするのはよせよ。
心の中で呟く。
きっと言ったら聞こえよがしにもっと強烈なのをかますんだろう?
俺が悪いと責めた眼差しはあながち悪くないな。
....
夜に雪が降る
街頭の灯りの中に暗闇の中からすーと姿を現す雪
手を出すとふわりと手に乗り、スーと消える雪
儚いような命の雪
しかし、無数に降る雪は、消えても消えても又降ってくる
そして、何時か ....
しのぶの夢を見た。
20年前に分かれた女
スーツを着て今でも昔のそのまんま
公園の人ごみの中で目と目が合った。
ジーと視てしまった。
しのぶも見つめていた。
側に寄って両手を広げて見せた。 ....
その空席には猫が座った。(そして眠り始めた)
なので、もはや空席ではない。(眠り始めたのは椅子の方だったが)
今は崩れし前方後円墳
色褪せ剥がれたる胡粉
古への熱狂と興奮
陰鬱に漂へる悲憤
見出されし死者は怒り
水気無き額に雨滴り
明かされし{ルビ咒=じゅ}は空を{ルビ撓=たわ}め ....
あたしの前に立つ貴方は
いつも不機嫌で
疲れていて
そんな貴方を
出迎えるだけの毎日に
いやけがさしたと
いう君の抗議は
ギィーギィーという金きり声で
ぼくをいっそういらだたせた
....
少年は旅ゆく広い北海道
耕耘機に乗り地道に移動
のんびり過ぎて地虫がたかる
地虫も喰えばうまいとわかる
なんと美食家この怪童
***
社長さんの実家は青森
故郷の地酒で今 ....
ししゃもはいいねぇ
そういって親方は
お弁当を頬張り
しわくちゃの目尻が
太陽でいっぱいになる
むこうの田のなかで
ごろごろ転がしている
しろいのが白鳥です
ほらよく見てごらんなさい
稲の切り株のあたりで
落穂や二番穂をむさぼっています
あのやさしげな長いくびは
あなたの腕のようで ....
インドの魔術師から花束をもらった夜
ぼくはなぜか平安時代の日本にいる
うらわかい細身の美女にかこまれて
宴はすでにはじまっていて
ひとりの女をだきしめながら
官能がたかまりおもわず ....
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