「鳥」から
空が物憂げに広がっているので
鳥は努めて Coquettish に振舞う
誰に見せるともなく
見ることもない
瞳はすべてを線描きにしてしまうので
空はさらに大きく ....
彼らの地面が
迷うことなく飛翔している
その背筋に
私はここから
敬礼する
瀕死の人間の魂が電波を操れるわけはなく
だからあの明け方に二度鳴ったベルはあなたのおじいちゃんの仕業ではなく
単に誰かの間違い電話だったのだよ、 と言われ
冷静な私はそれを十分わかっているの ....
俺は
黄色いチューリップを買って
黒いピアノの上に置いた
あなたが
よく弾いていた古いピアノだよ
今
このピアノはあかない
鍵がないんだよ
どこを探して ....
しばらく詩をかくのを忘れていた
それはいいことだ
そして ....
森に 街に 空に
さんざめく
いきものたちの ささやかないとなみ ....
俺は忙しい毎日だったころ
人を裏切ることさえ
ためらわなかった
氷の心はとけなかった
体が痛んできたころ
生まれたくて生まれたわけじゃないと
自分の存在を呪うことさ ....
君と来た場所に
僕は一人で来てみたよ
風が冷たかった
僕は君に
冷たかったかい
自分のことはわからないんだ
君は一人で泣いただろう
僕のことで泣くことはなかっ ....
からだが
ちいさくぶんれつして
ゆるい葛湯のなかで
しびれてしまった
熱いコーヒーで
眼を覚ませと繰り返して
無駄
口腔を越えて
咽頭を流れ
食道に向かうけれど
感じる ....
かつてここには声があり
雨とともに舞っていた
あつまる小さな手のように
はじきはじかれ まわる歌
緑の雨に声は飛び去り
雨の緑に見えなくなった
水は煙る手になった ....
おどろくほどのおおきな声で
死体を貪るおおきな鳥が
君には休暇が必要ですと
おそらのおうたをうたいます
結うことを知らぬ孤高の娘が
銃弾をよけては拍手喝采
晴れた夜空に刃を向けて
ゆ ....
昨日かー。わかんない。悔しい。隙間を抜けて秘密の場所に行ったのだろうか。暗い部屋。君。あいつ。すごく興奮したんだ。こすれる水っぽい音。あいつの囁き。
いつもと違って君がなんだか新鮮な野菜を誉める ....
(1)
太陽が沈んでくって言うけど
太陽が沈んでるんじゃなくて
地球が回ってるんだよ
うるせえ、馬鹿
(2)
天の川なんて言ってるけど
あれ、川じゃないから
....
月と同じ屋根に上って
一つずつ消える足跡を映さない
思いきり転がせた後
少し忘れて
どうでもいい声のせいで目が動くように
全部の地面を知ってた
ここから
汚い言葉を使って
隣の髪形 ....
僕にはいつもかぶさっているから
雨がやんだ後 手に持った刀に
灯を点せたとしてもうたぐっている
バスの中で
テニスコートが校舎の影に隠れるのを
通り過ぎる間 ずっと嫌だったから
ラインだけ ....
長谷川七郎八十二歳の詩集『もうおしまい』
くもり空の伊豆高原で祝いの酒宴をはった
そこには詩人のぶあつい生の風景が舞い
夏の夜はたのしい談笑のうちにふけていった
女流反戦詩人の膝枕はやわら ....
ぼくたちの命を
24コに切り出して
眠りが貪るぶんに
5つ6つはじき
切符に変えるのに
いくつだろうか迷い
残りを二人で持ち寄っても
果物籠いっぱい
肩をならべていた
....
夜の海が私を欲しがっている
或いは一つになれるだろうかと
踏み出した足に私は困惑する
そのとき私は生きている
そしていつも自らの中に
私は小さな一つの海を持っている
寄せては返すこ ....
人間はいつもゴキブリの飛翔におののく。
りっぱな羽根があるんだから、
ゴキブリにしてみりゃ、
飛ぶのは当たり前なんだが。
ゴキブリ自体は、
単に飛びたいときに飛ぶ。
問題をややこしくす ....
ある日の朝、僕は朝を見れなかった
その日、夕日が
毒々しい赤をひらひらと空に切り貼りして
とてもイチゴジャムだった
あの晴れの青を煮詰めてできた
ブルーベリーの闇に、
....
眠り は周囲との同化を意味する
さようならの文字はきつく結ばれて
金属製のドアノブに結露して いた
それは 像のも だ
それ 偶像の のだ
そ は偶像 ものだ
れは偶 のもの
....
窓の少ない教室の四方は水の壁で
ゆがんだ光のような蜘蛛の糸で結ばれている
クリップを伸ばしたような針金じみた机の列が
右から左へきちんと並んでずっと黙っている
黒い帽子の集団がやっぱり右か ....
そこにいるの?
君は
そこにいるんだろう?
モニターの向こう
ラインの向こう
キーボードを抱いて座っている
指先からやさしいことばが
溢れてる
映し出される君の言葉に
どんな ....
古タオルに黒マジックで
ぞ う き ん と書いた
ぞ う き ん
なので反対側の端っこには
き り ん き ん と書いてみた
き り ん き ん
家人に見せると
きりんきん では ....
+
忘れていたことすら忘れていたのに
嗚呼、忘れていたことを思いだしてしまった
思いだしてしまったことをいつかまた忘れられるだろうか
++
花の絵を描いて ....
食後に三度 歯ブラシを
銜えゴシゴシ 磨きます
気分もすっきり するのです
パンにチーズに ハムレタス
ステーキポテト キンカイ魚
洗い流され 排水溝
モー ....
台所で玉子を割り
箸で溶いて
フライパンでバターとからめた
食卓であなたと向かい合い
それを口にふくんだ時 はじめて
涙が溢れてきた
(お前も卵にはなれなかったのだね)
....
痛みの庭にしゃがみこむ
すべては照らされ
すべてはまぶしい
誰かが
「」と言っている
私は見られない
うつむくまま
光が透過する
うつろな体の殻
(ここはどこか
という ....
幾度も季節は過ぎ行きて
過去に残せし我が心
舞い散る枯葉は
千夜一夜の我が夢か
咥えし煙草も燃え尽きて
儚く灰になりにけり
空の彼方を待ちわびて
夏の背中も今遠く
星の無き夜の ....
非番の日
みえこは赤ン坊をつれて外出中
(退屈なので)ぼくは
近所のスーパーに出かけた
食品を手にしてはいちいち
(退屈なので)
表示内容を大声で読み上げた
「着色料に発色剤 合成保存料 ....
6096 6097 6098 6099 6100 6101 6102 6103 6104 6105 6106 6107 6108 6109 6110 6111 6112 6113 6114 6115 6116 6117 6118 6119 6120 6121 6122 6123 6124 6125 6126 6127 6128 6129 6130 6131 6132 6133 6134 6135 6136
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
8.58sec.