無罪放免まであと二十六ヶ月かと指を折って
なにやらしれぬなまぬるい監獄暮しの
ご同様のひとびとにまぎれこんで日がすぎて
それでも親子六人がいわうお正月の初物
にぎやかに酒をのんだり餅をくっ ....
あ ちょっと
そこの
なにやらごたいそうな ....
僕は駅前のコーヒー屋で
君の帰りを待つ
僕と君は
休みがちがうから
君が仕事から
帰ってくるのを
このコーヒー屋で待つ
君も僕がいるのを
知っていたから ....
人は
星と月に導かれて歩いていくこともある
一筋の光もない闇夜を
たいまつも無しで
歩かなくちゃいけないこともあるぜ
俺も
「罪びと」と「聖者」の顔を持つ
誰も
「罪びと」と「 ....
ふたりずっと一緒だよ、
それは今もこれからも変わらない
愛言葉だよって
ちょっと照れながら言う君
好きだよ、
これからもずっと一緒だよ。
さよならで固まる
夜が明ける 人が行く
陽が差す 酸性雨に降りしきられる
あの小さな子がこんなに大きくなる
区画整理が始まる
建て替え決議がなされる
....
君のはじける姿は
幼い日の風船のように
希望で膨らむばかりだから
僕は思わず手を放して
遠くに飛ばしてみたくもなる
君のうつむく横顔は
やぶれた日の夕焼けのように
そっと時を抱きしめ ....
♪私ゃ もめろ川の 梅の花 コーリャ
あんたほーれ この部落の 鴬よ
開花前から 条例違反
蕾のうちから 突いてくる
(ハァ どんと来い どんと来い)
♪俺よ 政治屋の 徒 ....
{引用=詩集『カエルトコ』より; 2}
●Junk
風が辿り着く
ジャンクの帆布のはためきに
子供は寝言を呟く
●Soldiers' Home
むせ返るジャン ....
金の糸で刺繍をした
赤いビロードのカーテンの奥で
博士は言った。
そのカーテンの刺繍はなんだか
俺には少しずつ動いているように見えた
ナナフシのような形の
幾何学模様
博士は言った。 ....
水に美しい音楽を与えると
結晶は美しい造形を彩るという
一頻り米に感謝の言葉を繰り返すと
匂やかな発酵をするという
君に君の美しさを称えると
君は聞き飽きた顔をする
....
うらやましいお方
金曜の夜は
「あと2日も一緒だ」と
「幸せだなあ」と
そのお方と一緒に眠られます
土曜日は
しじゅうお布団でごろごろ
あなたは昔わたくしに「ころころしたい」
とお ....
ひしめきあう一日のあとに
コップを倒した夜は零れる
子猫の駆けた路地裏に
白い平らな月は滑る
風は
影の上に重なる雪をおくり
この街の色やかたちをおくり
世界はひ ....
お元気そうでなによりでございます
半年ぶりのごあいさつにまいりました ....
今日ハナミズキの花が見えたよ
もはやぼくの内側に ....
宿に着いた俺は
すでに着物の中の女将の声と
上がり框の威風さに酔っていた
瞳で飲み干すだけの
美貌の狂い水を
今宵も仲間は口に入れ
その刹那の間借りを
起きても寝ても隆起させ
やが ....
ユニットバスに潜ろうとして
潜ったとしても
この深さじゃ潜れたことになんのか
わかんなくなって
水中で
ぼやけた風呂の栓を眺めてたら
天井から冷たい水滴 ....
きゃらめる 3
ねこ
1
あくびには
すくなからず
じしんがある
しょくにんげい
のしんずいは
そうおもわせないと ....
深く心を犯した意識
溶かしていくのにはどれ程の月日をかけたら良いのだろう
簡単には分解できない
割り切れやしない
心残りな出来事に魘されながら
それでも飄々としてまるで何事もなかったかの ....
生きることに真面目になれない
いい加減ないい気な人生
時間ばかりが流れても治らない痔
慢性的な麻痺が全身にはびこり襲い来る睡魔
こんな筈ではなかったのに糸の切れた凧
うんざりして眺める世 ....
静寂よ
この身に降り注ぐ罪よ
僕はまだ息をしているか
僕はまだ君を掴んでいるか
――静寂よ
死と共に僕を罰せよ
未明に生まれ
未明にさまよい
座礁した言葉の虹のように
かがやく波紋の輪をひろげ
少しずつ闇に溶けながら
こだまの羽は夜を渡る
浜辺に立つ子の手のひらを拒み
さらにはばたき ....
付き合いはじめの頃は
それはもう
口に出すのも
はずかしいわ
昼も夜も
アプローチ
ぎこちなかったけれど
愛が感じられた
ほんとうに
全然
寝つけなかったんだから
それが ....
久しぶりに酒を飲む
なぜか俺は
缶をめちゃくちゃに潰す癖がある
煙草の箱もねじり捨てる
別に恨みがあるわけじゃない
体にいいと思って
大酒飲んで煙草吸ってるバカもいないぜ
....
ベットに寝転がって
安い赤ワインを口のみしてたら
こぼしちまった
赤いシミがポタポタついてるよ
赤ワインのシミを取るのは
白ワイン
赤は血の色
白は無の色
....
今日の夜空は
都会のわりには
星が綺麗だよ
あなたの古里は
もっと星が綺麗だろう
人が死なない日なんてなくて
人が生まれない日なんてなくて
また星が消えれば
....
わたしはばかだ、
わたしはばかだった、
わたしはおおばかだ、
わたしはおおばかだった、
わたしはだかだ、
わたしはだかだった、
わたしはだれだ、
わたしはだれ ....
ボウアは めっくりぽえるのが 好き好き
だからいつも かぷりちゃう
いつも どこに あたびが
ワルツ ワルツ まむつよ
それ なあに?
「おかさん の おっぱい めるめろ!」
....
{引用=詩集『カエルトコ』より; 1}
●アフリカ
いつかアフリカに
行くのではないかと思う
いつかいつか年老いて
総入れ歯になったその月に
アフリカに着の身着のまま
行 ....
レジで店員に質問される
「ところで、怪しい者を見ませんでしたか」
「はっ?」
「怪しい者」
あんた以外にかと問い返すのを抑え
いいやとだけ答えてすぐに店を出る
真夜中の住宅街で
幅員 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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