鯉のぼり

月に照らされ 夜の海を泳いでいた

気持ち良さそうに

生きてるみたいに
スミレの花の砂糖漬けを一つ口に

舌先で触れる
とろりと甘い
真っ暗な静寂の世界で孤独な二人が音を作る
芍薬の香りのする
雨後の湿った庭
皐月の新しい植物たちはどれも
その掌に虹色に輝く雫をのせている


人工の香りしかしないこの家に
芍薬を生けると
異質な感覚が
胸に過ぎった

 ....
半透明なら何もきずつかないかっていうと
きずつかないこともない
そんな連想劇を支配すんの
灰が屋上のうえに溜まってゆく、
こっちの肺にも・もはや・あしたからのスケジュールとともに
見終わ ....
高層ビルの二十八階から双眼鏡で

おふざけなほどに複雑な街を見て哲学した

京王百貨店に急ぐ若者は歩道の白線につまずき

電気屋の屋上でずっと厚い本を読む中年は排気に髪をなびかせている
 ....
 私の家には、かあさまととうさまと私の妹が住んでいた。

かあさまのゆりかごはいつもの窓辺でゆれていた。
その窓辺からは心地よい風だけがかあさまに吹いた。
ゆりかごに座ったかあさまは、瞳を閉じ ....
きりんのノートを買った
書きなぐる
黒いペン

今日のこと
今日のこと

ぐるぐる
まわって
おんなじ
もどって
ぐるぐる
している
しこうの

今日のこと
今日の ....
やったらやり返される
だから貴女に返してあげたんだ
あたしの苦痛

貴女は何も知らないのね
だから羽をもぎ取って
落としてあげたの

飛ぶことに疲れてたんでしょ?
それなら良いじゃな ....
いつもそうでした
いつもいつもそうだったのでした
悲しいことだと思うでしょう でも確かだった
僕は いつもいつも 忘れられずにいたのです
しかしきっと 今でも

ガラス細工越しの 西日 ....
私の嘘が

針千本 飲むくらいで

許されるなら
週末の淀んだ駅の構内で
すれ違う人々の心の{ルビ懐=ふところ}に
「ある独りの人」がおり

優しくうつむいていたり
寂しくほほえんでいたりする

「ある独りの人」は

(声をか ....
ル ワール 踊ろう 初めての秘儀
喪失ではなく 手に入れた 許し
与えられた 掌 から 零れ落ちるほどの
甘い 蜜 棘に気をつけて
決して 縛っては

いけないから
朝になれば羽が体に滑り込み軽くなる
見えない羽が元気をくれる
誰でも持ってるふわふわの羽
眠ると白い獏が届けてくれるよ
朝、色とりどりの見えない羽が舞う駅のホーム
夜、千切れた羽が星空に吸い ....
あちこちに光を反射する海と
緩やかに登っていく山の斜面とに
張り付くような町を
通り過ぎる

ざあざあと
長い波間を
滑り込むようにして
通り過ぎる

穏やかと
それ以外に言いよ ....
奴らのように強くあれよ
奴らのようにたくましくあれよ
奴らのように自由であれよ

奴らのように迷惑であってはいけないが
雨に打たれ散る花のことなどしらない
サボテンのとげが雲に向かって伸び
天上では太陽に向かって縮れた風が伸び上がる
カップに入れた珈琲はいつものように薄く
カレンダーは四月のまま終わらない

 ....
冷蔵庫のモーターの音だけ響く部屋で
ベッドに横たわると
たった一人の自分の呼吸さえも
聞こえなくなる

こんな夜は毛布に蹲るしかない
枕と頬の間に絡まる髪をかきあげ
コットンの感触を確か ....
ある日わたしは不思議な感覚に襲われたあるいは教わることができた
それをファンタジーと呼ぶことにした
それはずっと前からファンタジーだったのかもしれないが

とにかくファンタジーはわたしの生活に ....
深夜列車の中で
丸々太った
『マルチーズ』と

四角く太った
『ヨークシャテリア』を
見た

2匹とも制服を着て
高校に行っている

『らしい』

昨今
こういうのが増 ....
あの日
誰もがわたしに
優しくしてくれた
あたたかい言葉を投げかけてくれた
よかったね、と
言ってくれた
わたしだけはどの人とも
いがみ合わずに
誰にも
嫉妬されずに
いつも、いつ ....
ポケットのなか
ちゃぽん ぽ ぷぃ
泉が ひとつ
水 さかな 跳ねる

クリスタルの音符が
りるん きん きりん
歩くたびに 響く

泉のなか
 ....


夕空と海の混じり合うそのすきまに
すべり込むうみどりの影のさみしさ
赤い包みのキャンディーをポケットから取り出すと
口に入れる間もなく風景に溶ける




”ちかみちはこっ ....
俺のげんこつは、いかつくて、怒ったように角張っている。
お前にげんこつを作らせたら、親指が中に入っていて丸く、下唇を噛んで恥ずかしがっている子供のように見えた。
愛しいひと。
俺はお前のげんこつ ....
ごまめを煮る、ごまめを煮る、
大晦日。
母が去り、娘も去りて、父独り、
帰郷する息子を待ちつつ。
食卓の寂しさ隠す出来合いに、
手作りの、せめて一品。
ごまめを煮る、父が煮ている、
大晦 ....
電話が鳴った

今日
肌身離さず持っていた
携帯電話が
いつもなら
部屋に放っておかれるはずの
携帯電話
今日は
大切な携帯電話

電話が鳴った

午後10時37分
着信音 ....
わたしの体は
わたしのモノ

夕方からお出かけして
ラーメンと青島ビールを二本
ひとりで飲み食いしてたら

さびしくなって
電話しちゃった
目の前で
女優が
水ギョーザ
食べて ....
暖かい風が吹き始めました
いつもの場所に帰りましょう
至福の時はそこにあった
手を伸ばせばあなたがいて
いつものように微笑んでくれる
まるで当然かのような仕合わせが
すり抜けてしまわないよ ....
あぁそうだ
この曲だった
あなたと初めて出逢った時
初めてキスした時
抱き合った時
あなたを愛しく想った時
あなたの涙を見た時
いつもこの曲だった

今はもう聞かない
あなたが傍に ....
殺してやるの輪郭を辿って行くとやるがくれになり
殺してと呟いてみたり殺してくれというと
最後に助けてなどと命乞いが産まれてくる

毎日何も考えずに幾人もの命の消滅を見過ごしながら
命の沸き出 ....
                       きゃらめる 10


  あめ

  1

ひとつぶの
しずくは
すなにとけて
あとかたもなく
きえてしまう
かぞえきれない
 ....
自由詩
タイトル 投稿者 Point 日付
海で泳ぐ鯉蒼木りん0*04/5/3 0:35
砂糖漬け暗闇れもん2*04/5/3 0:19
芍薬の香り蒼木りん1*04/5/3 0:13
テトラポッド船田 仰404/5/3 0:10
高い所と雲の近さは妄想の距離田川修作304/5/2 23:55
明日に最も近い夢玉兎404/5/2 23:48
日記204/5/2 23:06
仕返し海美104/5/2 21:14
グランマ田島オスカー004/5/2 21:01
指きりげんまんtakase204/5/2 20:58
漏声 ー夜の車窓ー服部 剛604/5/2 19:20
宴の許しrue1*04/5/2 19:02
雲製造システム暗闇れもん3*04/5/2 18:43
やまない音霜天504/5/2 16:28
風邪のように白峰=黒都004/5/2 15:31
ひとりきりの日曜日竹節一二三504/5/2 14:19
ワンルーム野島せりか304/5/2 12:02
ファンタジー、あるいは黒川排除 (...204/5/2 2:44
人面犬蒸発王204/5/2 1:46
わたしのやさしいひとたちうめバア3*04/5/2 1:35
水魚をもらった日湾鶴304/5/2 1:25
なないろワタナベ8*04/5/2 0:38
げんこつchitok...104/5/2 0:22
大晦日304/5/2 0:20
The important moment...Lily o...3*04/5/1 23:24
ひとりチアーヌ304/5/1 22:20
秘めた想いをKEIKO004/5/1 22:06
耳の記憶004/5/1 21:53
春のXrue104/5/1 18:50
きゃらめる 10[group]アンテ604/5/1 18:25

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