夜の汀に
静かに打ち寄せる旋律が
月を濡らし
とびきり無垢なくらやみ
豊かな潮騒に包まれる
すべての静かなあなたたち
今はただ
波間に映りこんだ月のように
やさしく揺れて
なにも持た ....
夕暮れのスーパーマーケット
では
いろんなものが
安く
売られていて
わたしはカゴを持ち
ぼんやりと
歩く
お金を出したら
いくらでも
買える
ものたち
ほんとはあ ....
(1)
高校生のとき、
まだJRが国鉄だった時代、
三十日間三十万円日本一周鉄道の旅を計画した。
青春18切符があれば、不可能事ではなかった、
東京を通過しないとどこにも行けない関東圏、 ....
ゆめの風
荒地のビルの砂けむり
起きるから寝られる
寝るとめざめる
その当たり前の営みの
出来ないこと
吹き荒れるはげしく
おそろしい
あたりまえの日々
....
からみつくんです、アタシに。
ねちゃねちゃぐちょぐちょべとべと
毎日毎日心も体も
何処にいても何をしてても
目覚めても目覚めても。
からみつくんです、アタシに。
ねちゃ ....
どこから夢で
どこまで夢だったのか
わからない
という 朝
さざ波がたっていたので
ただ
風をさがした
前に進むための
1オンス
やがて
なにもか ....
日が暮れていく、僕の脆弱な血管の中を
翼よ、あれがパリの灯だ
けれど、僕の翼はじゃがいもでできている
ポム・ド・テール!
大地のりんごよ、大空を飛べ、飛べったら飛びたまえよ
....
夜で潤んだ廊下のタイルに
こぼれていた非常口の灯りは
緑
それなのに
何からも 何処からも
匂いの消えた夜だった
緑色に 浸りたい
そんな気がしていたのは
....
あいまい【曖昧】(形動)
ディティールはベールに隠す、たしなみ
真実は自分でもわかっていないことが美徳
いま【今】(名)
常に最優先させる感情の所在
....
あなたの俯く姿をみるたびに
心は境界線を失ってあふれだす
あふれた黒い気持は夜を覆う翼になって体を飛び出そうとし
白い気持ちは爪を剥いてあなたを捕らえようとする
....
気がつくと きみは
魚になってしまっていたので
ずっと
きみを知っていたのに
はじめて見たような気さえした
望遠鏡をのぞくと いつも
波がよせては砕け
飛び散る
セロハ ....
まじめな顔してたって
そんなところに僕はいない
真面目なフリしてたって
そんなところに君はいない
イメージだって
駆け引きだって
僕の心はほくそ笑む
君の心は舌を出す
....
[水道管は、壊れています。前の駅を発車しました。]
水圧で 蛇口が外れそうになってるじゃないか!
こりゃいかん、いかんぞっ
「垂直に、屋上より、103号室まで
特急 ミズカモ ....
ぜんまいじかけ
ぼくはおもちゃ
ぼくがあるけば
カチャカチャカチャ
ぼくがわらえば
カチャカチャカチャ
ぼくのせなかの
ねじをまいてよ
きみのゆううつ
もらってあ ....
冬の配達人が
夏に来て
僕に言う
「君の手紙には切手があと十円足りません。」
早く切手を買わなくちゃ
朝の配達人が
夜に来て
僕に言う
「君が書いた宛先は薄くて ....
この
でんしゃは
なもなく
なもないばしょを
ていしゃばに
しています
かたたん
たたたん
うえに
あがってゆくほど
でんしゃのなかには
いろんないろが
たくさんつ ....
ぐっとかみしめて
ぐっとかみきって
ないほうする
やりきれない
せいぶんを
たいようのしたで
じょうはつさせる
こうごうせいの
ひみつを
おしえてあげる
信号を無視してあらゆる交差点を渡った 緩慢な自殺未遂もことごとく失敗に終わり
裁縫バサミで刺した腕の傷も今はもうほとんど目立たない
つながれた大型犬が吠える それにつられて隣の家の
つな ....
かわいい娘なんていっぱいいる
ましてやスタイルのいい娘なんてもっといる
それなのになぜあなたなんだろう
性格のいい娘なんていっぱいいる
ましてやきのきく娘なんてもっと ....
眠れないと君が差し出した手を
掴み抱いたあの夜
鼓動が伝わってくるほど
近くよりそい
お互いを確かめ合った
ただ触れるだけの接吻は
上手くできないまま
....
背中から君を押すように
ボクの体を南風が通り過ぎていく
北風も 独特の北の空気もないのに
背中あわせの君は何を見ているの?
背中でそっとといかけてみるけど
ボクのといかけは
君 ....
南風がふいて、白熱電球のような太陽が目を焼く
特有の湿った熱さの南風は
暑苦しい夏をさらに暑くし
ボクの不快指数をぐんぐんあげていく
ボクは手のひら以上あるハンドボールをぎゅっと握り締 ....
花は何処かで咲いている
あなたが欲しい花は
必ず何処かで咲いている
だから いつか
その花を見つけるまで
今は目の前にある小さな花と
暮らしていこう
ほら ....
紅葉坂のプラネタリウムは
横浜の夕暮れと星屑
石畳を下れば
恋の数ほどの壁画群
駅前に着くと
冷たくて頭が痛くなる
メロンジュースを飲み干す俺の横に
君がいつも
君がいつも
....
いつも
やわらかく
笑っている。
ひとの
わがままを
いっぱい
包み込んで。
ぷろみねんすに
灼かれながら。
泣いていいんだよ。
怒っていいんだ。
蟻 ....
塀の上のツツジの蜜をアゲハ蝶が吸っている
硝子屋の軽トラが道の脇に停まっている
見上げたら
茎のような電線の向こうに
無期懲役の太陽がある
自分の魅 ....
お前はなぜそちらにいってしまう
なぜ嬉しそうにそちらにいってしまう
私の手をなんて簡単に離してしまったんだ
あとではぐれたてもお前なぞ知らないぞ
お前はなぜそちらにいってしまう
なぜ嬉し ....
あ から ん までの
きみ のこと
ろくがつ だけが
かすんで る
{引用=fromAB}
小さな手
小さな目
欠けた空を映す鏡に
歌のかけらを置いてゆく
重なりつづけ
重なりつづけ
どこにもつながることのない
造られた花のような子供たち
たじろぐ腕をとり
....
君といないことを意識してください
会いたいのは今ですが
ずっと ずっと
会いたいと思っていてください
君がいないことを意識してください
素直なのは心ですが
ずっと ずっと
想っていて ....
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