女と出会ったことがない
こんなに生きているのに
私まだ女に出会ったことがない
履歴は白紙のままで
底知れぬ充足を感じるように
女だぁと我が身を抱きしめたこともない
子の母であり
妻で ....
雲の傷を見つめ
花の傷を見つめ
夜の風に会う
川と光
野をさする指
草に埋もれた門のまわりを
月の光が
何度も何度も踊り巡り
いつまでもいつまでもやめないので
誰 ....
愛されたかった
わたし
壊れた
粉々に砕け散った
もうどこにもいない
探しても
見つからない
まるで4階から
地面に
パソコン本体を
落っことしたみたい
音は聞こえなかった
ゆ ....
入り組んだ細い廊下
すれ違う人人
すれ違う思い
それぞれの目的へ流れて行く
もしも
中国語が
話せたら
10億人と
話せるアルよ
だから営業なんかヤなんすよて
本音だけ白骨化浮き彫りになる34℃の昼休み
新人と回る身にもなってみろとは口にせず
掌に携帯包み何度もメールの文字をたどる
あと5日したら会えるから
昨日出した ....
透き通る空に
何もかもが見透かされている気がして
僕は空を見上げなくなった
透き通る空に
あなたは前を向かなきゃっていわれてる気がして
僕は耳を塞いだ
けれど、いつも空は僕を見 ....
止まれない らしいよ
僕らが乗っている回転装置
呼吸のたびに
くるくる
気付かれないくらいの速度で
くるくる
回ってるんだって
木馬はもういない
回る勢いで駆けていったから ....
あのビルは
誰の羽なのでしょうか
あんなに高くて
空に届かない
見上げるわたしたちは
いつまでも
一枚の写真でした
風鈴
縁側に転がる西瓜
金魚鉢に氷
染の団扇に
夕涼みの風に揺れる簾
懐かしいキミの裸足
髪を結い上げる細い指
藍の浴衣に紅い帯
藤の枕でうたた寝の
遠く聞こえる祭太鼓に ....
ある窓があって
その窓は生まれつき北向きなのに、あちら側では
目を開いたまま湛えられた池の水面が光になり
崩れそうに傾きながら何かを守る強い屋根瓦が光になり
駐車場に並ぶ誰もいない ....
最後の人が飛び降りたまま
裏返ったブランコの鎖が歪に静止している
翌日になれば元に戻される、それだけのこと
わたしは、もうずっと公園にいない
だから知らない
ブランコ ....
真っ直ぐな樹は根付く先を求めて
荒れた大地を歩き通し
ついに小さな森にたどり着いた
黒い雲がどんよりと空に垂れこめていて
森全体がうす暗く
樹々はみな痩せ細って
わずかな光を求めて伸ば ....
なんてゆるゆると
今が歌う
カタチを持たない
雲に向かって
メロディーを忘れた
僕に向かって
そうさゆるゆると
今は歌う
分かりやすい
寂しさに向けて
....
騒がしい教室 その隅で彼女は笑った
そして泣いた また笑った
鈍い音 張り裂ける声
群がるアイツラと傍観者のアイツ
そして・・・の声。
帰り道彼女がいった「螺旋階段って何処まで続いてるんだ ....
そう そこの そのあたりの
ちょっとわかりにくい
せいしんの せぼねのあたりが
このあいだから いたくって
もしかして まがったり おれたり
していませんか?
そうですか
それじゃち ....
しあわせ という言葉は
なくてもいいと思います
そんな名前のものは
ほとんど どこにもないからです
あい という言葉も
なくてもいいと思います
そんなことは
ほとんど 誰にも ....
鬼が来るぞ 鬼が来るぞ
ぬしを喰らいに 鬼が来るぞ
ここに来るなら 来ればいい
御神酒を一杯 しんぜましょう
われを喰うなら 喰えばいい
苦きかなしみ しんぜましょう
鬼が来る 鬼 ....
にがうりの夢を見ていた
だれもけっして
にがうりをゴーヤと呼ばない夢だ
まだあたしはにがうりのさわりごごちも
あじも
においも
にがうりの見ていた夢も
その夢の続きも
知りませぬ
知 ....
ピ−タ−パンシンドロ−ムか知らないけどさ
働きたくもないのに働けなんて無茶いうなよ
俺らには俺らの生き方があるんだ好きにさせろよ
やりたいときにやるんだよこれからもそうしていくんだよ俺らは
....
一体何のために生きてるのか
何故苦しい思いをしながら生きるのか
何故自分から茨の道をいくのか
俺にはみんなの生き方がわからない
わざわざ辛い思いして泣いてまでそこまでするのか?
人生楽しい? ....
「勝ち組」 なんて言葉があるが
そんなもの
どうでもいい
認めようと 認めまいと
私たちは 間違いなく
「生き残り組」 だ
街路を覆う銃弾の嵐も浴びず
怨恨のナイフに刺される ....
ハエの手のこする音が聞こえるぐらい静かな夜だった
ぼくらは見つめあっていた
なにもごまかしようのない
左右がふとそろってしまった鏡のようなぼくらだった
まばたきの一回で世界が変わってしまいそう ....
天の川原に吹く風よ
あれは、 酉 だったか。
否、カエルだったか。
この世の思いが
あの世に映る。
あの世の想いが
この世に移る。
今宵、ここの橋の上に
天の川原に ....
喉の奥の、肺の先の、それでも呼吸器とは歴然と違う部分です。詰まるものを、イマジン。そんなようなしびれを指先に集めます。午後の窓の外に体を拭く記憶が放置されて、ユラる洗濯機の渦か ....
赤茶けた街のほとりに
くぐもった電飾が舞い
砂めいた波の{ルビ間=ま}の{ルビ音=ね}に
荒れた手の女が遊ぶ
草臥れた解体現場
風の吹く
干物の匂い
上り行く老若の唄に
焼き魚 ....
糸を張り
餌が絡み付くのを待つ様は
まるで、今のアンタのよう
餌は
糸に絡み付いたことに気づいてない
彼らは
罠に落ちたことに気づいていない
餌は
糸に絡み ....
わたしたちはお互い
愛してるフリ
が得意
やさしい人のフリ
も得意
でも馬鹿じゃできないそういうことが
できるあなたが
わたしは結構
ほんとに好きだったり
するの
だから大丈夫
どんなに蜘蛛の糸を張り巡らせてもわかるの
あなたの細い手足も小さな胸も
決して男をからめ取るためのものではないことが
スカートのポケットにはいつもキャンディが入っていた
それにガラス玉が3 ....
耳の奥にある大西洋のような広い海から波音が響く
波は切り立った崖にぶつかり白く砕け きみは毎日の新陳代謝
そしてささやかな発熱を繰り返している
切り立った崖の上にある一軒のブック・スト ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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