空を高くしたのはにんげん
都会のビルはそらにむかって銃口をつきつけて
戦争をふっかけている
勝敗など決まりきっているのに
バス停に立っている男の人を見て
フラミンゴだと思った
眼鏡をかけ
顔色は浅黒く
腹がぽこりとつき出ている
かつて、そんなフラミンゴを見たことがあるか
そうでなければ
自分がフラミ ....
手にさげた 月のふきだまり
つめ といだ 草のさざなみ
石の望み
動かない 空と
ながれはじめた 雲
ゆく 決別 の 時
夜が終わろうとしている
真夏午前四時半の空は青ざめて
ほのかに光るシリウス
さっきまでは見えていたプレアデスは
もう見えない
コオロギが鳴いている
いちばんよく響くあれは
たぶん ....
夏バテしちゃって
ソーメンばっかり食べていて
しばらく米を食べてなくって
米びつの米はほっぽらかしで
へんだなあとは思っていた
締め切りの部屋に小さな蛾が群れ舞うから
妙だなあとは思っ ....
青白い殺虫灯に
まっさきに誘われて
バチバチと音を立てて
まっさきに死ぬ。
燃え上がる火を見つけると
後先知らず飛び込んで
一瞬火の粉を吹き上げて
あっというまに死ぬ。
光に惹 ....
山ブドウのつたに
寄生しているから
ブドウムシと呼ぶ。
冴えないちっぽけな芋虫。
それがどんな成虫になるか
私は知らない。
たぶん冴えないちっぽけな蛾か蜂に
なるんだろうと思う。
....
もっと楽しいことがあるなら
ぼくはそこに行くと思うけれども
どうせそこにはもうないんだろう
どうせそこにはもうないんだろう
もう、
もう、
牛のようだ
ええ、牛のようですね
わたしは
だれのものなのか
だれもおしえてくれなかったので
わたしは文字になりました
そうすると
色々なところで
わたしを使ってくれました
本の中にわたしが居たり
チラシの中に ....
垂直の空を
仰ぎ見る
ここは空の縁の終わらない場所
折り重なった雲と雲が
覆い被さってくる
雨
続きを
見たいと思っている
染み込んでいく雨粒と
あの雨の後の匂いの行方を
空へ ....
夜半の網戸に
数回、アブラゼミは体当たりをし
ジジジッと最期を知らせた
アブラゼミも網戸もぼくも
誰も悪くはないよ
かなしみは 今、
いつかの記念日の時計
いつかの8時を告げた ....
自由、
自由って事は責任を取るって事
社会って厳しいね、知りませんでしたよ
ずっとずっと子供のままだと思ってた
そんな子供の時代、大人に憧れながら背伸びもしてみた
あの頃は羨ましく、輝い ....
あなたの玩具箱から
逃げ出したいと思う
このまま
古いもの 新しいものに
埋もれていくのは
嫌なんです
なぐさめてくれるお人形は
ひとつぐらい
どこ ....
夜にも鳴いてるカッコウの
しずけさ際に
ぼんやり燈す 薄明かり
ひたすらに
貴方の走らすペンの音
背中にそっと 触れたいけれど
厳しい横顔
もうしばらく ....
銀紙を たくさん砕いてるよ
もう ずいぶんたまったよ
今日は よく晴れた日だったね
君を呼び出して
あの 高い橋の上から
砕いた銀紙を ばら蒔くよ
君に見せたいから ....
身を隠すような
今宵の月に
僕の言葉を
飲みこんでもらおう
取り繕う間もなく
今日の日は終わり
帰り損ねた熱だけがまた
ここに{ルビ蹲=うずくま}る
....
「さけのみ」
さけのみは うわばみ
ぐいのみで がぶのみ
なみなみと さけくみ
おつまみは しおのみ
さけのみは ひとりみ
かたすみで たたずみ
こめかみの しわもみ
....
いつかこの街を訪れた時
この寂れた通りでは
1人の少年が
熱心に小石を集めていました
道を少し下った小川には
おたまじゃくしを見つめる
1人の少女がいました
今
少し活気のつい ....
ほうれ
背鰭をいっぱいに広げて
跳び上がる
なにくそ
ほうれ
こちらも
負けじと
跳び上がる
体を丸めて
力をためて
雄は
精一杯の命を競う
母を見る
今日も
少し
年取ったようだ
年は
人から
何を取っていくんだろう
魂、みたいなもの?
何かが今日も
母から
少しずつ抜けてゆく
残暑見舞い申し上げます
少女だったあなたと出会ったときから
もう何回目かの夏が過ぎてゆきます
白い制服と 浅黒い笑顔
ぼんやりと胸に残っています
会わな ....
学校ひけたら
駆けていく
あの駄菓子屋は
今も そのまま?
鬼ごっこした
松ばやしは
いつの間にか
駐車場
それでも
ここは あの頃の匂いがする
初めてキスした
公園の ....
差し出された腕が 宙を泳ぐ
僕は 君をあやすかの様に微笑んで
そっと 君の両手を膝に戻した
頬を膨らます君が
抱っこをねだる君が
差し出された腕が
愛しくて ....
形のないそれを掴みたいんだ
掌に乗せるようにそっと
見上げたら花火がすでに消えていっていた
残った余韻に僕はキミを想った
そばにいたい そばにいてほしいなんて
思うのは簡単だけれど
....
4歳のこどもを
正面から抱っこすると
つい4年ほど前には
お腹の中にいたことなど
信じられないほど大きい
わたしたちひとつだったはずなのに
分裂したね
さびしいけどもう元には戻れない ....
吾輩はジルである
ピアノの好きなジルである
ポカポカお昼寝日和の今日も
ピアノによじのぼる
前足のっけて よっこいしょ
後足のっけて どっこいしょ
ピアノがうたう ぽろんぽろん
嬉し ....
あいたいナって思う人はたくさんいるけれど
あえる人は一人だけってトキもあル
でもやっぱりあいたいのは
愛すべき困り者たち
今宵もまた月が満ちてきました
さ、唄を歌いましょう
この時間の空気はゆっくりと冷えてきて
昼間の暑さがウソのように溶けていきます
世界は藍色に染まり
空には散りばめられた ....
ルルルルールルー
春の風は 足の指のすきまをすりぬけていった
ルルルルールルー
こまどりは ほっぺたをふくらませていた
ルルルルールルー
青びょうたんは 観察されるたび疼いていた
....
朝を迎えると
今日もまた
いつか見た朝だったのでがっかりしました
でもなんだかいつもと違う気がして
朝食にトーストでもかじりながら
何が違うのか考ることにしたけど
昼になって夜がきても
....
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