あまりに懇願されるので
試しに小指を与えてみた
男は急いで口に運び
コクリと飲み込むと
生あたたかい求愛がわたしに届く
唾液に光った男の喉をうっとりと通りぬける
わたしの小指
満たさ ....
あいつはとても優しい
プラスチックの歯ブラシが風呂場で
ふいに落ちたときにおもうくらい
それくらいさみしい
大阪で
散乱する破片を踏んでみてから
それが言いたいことだと気付く
僕 ....
微かに風が流れる
この部屋は寒いから
暖めて
少しでも長く
この時の中にいたいから
「温めて 私を」と
誰にすがる言葉
幾つも泡になって消えて
どこま ....
逢いたい人には 逢えなくて
ずっとは 続かなくて
気持ちは 届かなくて
お預けと 我慢ばかり...
凍った月を食べる
パリッ..
(2004 ....
わたしの好きなお月様は
すれ違い
先に明日にいってしまったので
わたしは一人で
ただひとつ星を眺めています
この夜がやさしくて
手を離すのが
いやで仕方 ....
君に似通う、後ろ姿
君に通じる、甘い香水
君が好んだ、帽子の形
君が馴染んだ、窓際の席
君が望んだ、最新刊
君の痕跡はどこにでもあって
僕はいつでも君の思い出に触れられる
....
街灯を転々と遊びながら帰る
競う人もいないけど
ただ歩くことはしたくなくて
誰もいない夜道をケンケンしながら進む
窓からこぼれる光がなぜか寂しくさせる
子供みたいに
ずっと
帰りが遅いと ....
魚津の水族館で
イシダイの一尾が輪っかを
するりと抜ける
そのとき
古い学習図鑑の白黒ページのイラスト
を思い出した
それが
かげろう
{引用=
蜃気楼の街
....
商店街を抜けると土手の向こうから
途切れ途切れに提供のアナウンスが流れて聞こえ
江戸前のを再現した
真っ白い枝垂れ花火が降りました
わずかに遅れ耳に届く乾いた打ち上げの音が
昨日まで必死だっ ....
受け入れることはたやすい
おまけに気持ちいい
感謝までしてもらえる
でもみんな
みんな
置いていってはくれないの
わたしにはもう
何も残っていないのに
なんだろうな
理由も無く泣けてくる
それはたまたま欲しい品物が
売り切れてて入庫予定がなかったり
約束していた友達が法事で来れなくなったり
文字変換が上手く行かなくて
とてつもなく変な ....
いくら扇いだところで
忘れることなどできないというのに
いつまでもうちわで扇いでいる
自分の周りだけ
他のところより夏めいていて
ほんのりとしょっぱい
何本平行線を引いても
必ずどこ ....
ふと見上げたら飛行機雲
白い線がまっすぐと伸びていく
空はこんなにも大きい
そして
ひとは
ちっぽけだ
泣いたり
笑ったり
大忙し
....
五月の終わり、六月のはじまり、雨、雨上がり、雨上がりの、街。
咽る光、光、に、蜂鳥、蜂鳥がゆらぐ、ゆらぐ、かすかな影、その残響、翳る、光、黒揚羽。
揚羽蝶、焼く、焼ける、焦げる、黒く、霞む、目 ....
うまれいずる君へ
もしくは、ほろびいく君へ
すべてがみえたとか
ウォール街で計算がうまくいって勝負に勝った
或いはマセチューセッツでしのいだ
顕微鏡でみえた、だとか
あたらしい細胞や組み合 ....
もしも もしかして
わたしが きように よわたり じょうずな はとだったら
きっと きょうも くるっぽーとないて
ぽっぷこーんを もらうだろう
でも そんなふうには いきられなくて ....
なついろゆかたに あかいおび
ちかくで はなびが みたくって
はしっていくのは だれですか
きんぎょに ふうせん りんごあめ
あっちにいったり こっちにきたり
ごひゃくえ ....
ピンクのカエルを
メロンのゼリー液に泳がせてみた
この気候だから、まだ当分は泳ぎ続けるだろうね
月と自尊心は似た形をしてるけど
こいつらがいれば
冷蔵庫は当分用なしかな
....
にび色の
繭玉
落ちて
割れて
光を放つ
背中
苦しくはない
賞賛を
浴び
悲しく飛ぶ
ための
蚕
「ずっと」なんて聞き飽きた言葉で
君のことをがんじがらめにするよ
不安定な言葉よりも何よりも
ただ君のそばで眠りたい
女らしさにときめく男のように
男らしさにときめく女のように
当たり前で馬鹿らしいほど真っ直ぐに愛したい
口の中で転がす言の葉を
君にあふれるほど与えてほしい
....
長距離で見詰め合った
あなたは 私をまだ知らなかった
日記のような手紙を書いた
あなたは 深夜ラジオでメッセージをくれた
海辺の風に吹かれて目をつぶった
あなたは ....
煙草が吸いたくて
その場に座り込んだ
通り抜ける脚
目的を持って進む足
その流れから
置いていかれた僕は
ぼんやり煙草を吸って
吸い殻を踏み潰した
あはははは
くすく ....
自己都合
自己否定
自己提示
自己破壊
最近、僕は病んでいる
そして、君を失くした
僕を、肯定してくれた、君を
真昼の空に白い月
青い空の白い月
それはみえないけれど
そこにある幸せ
青い水に浮かぶ氷片は
おだやかな夢の途中で
幻のようにはかなげで
見落としてたものは
何だったか
忘れていたものは
何だったか
それすら忘れて
今日もほのかに
水色の恋
ゆくえは誰も知らない
愛しているよ
と
いう言葉が愛だよね
今は少しも不安じゃないから
水色の恋
ゆくえは誰も知らない
あなたが私を大切に想ってくれて
うれしい ....
愛してるから
あなたの白くて軽やかな骨
砕けた
破片と大小の粉
風に飛び散ってしまうのが怖いから
壺へ収めていく
手に取って 確かめて
愛しているから
1989年にベルリンの壁が崩れたとき、すでに日本野球もその歴史を終えていたのである。
太平洋戦争終結後の1946年に早くもプロ野球ペナントレースは再開された。戦後の復興の中で連盟加盟の8チー ....
きっちりとクリアランスの取れた部分を
むりやりこじって隙間を作る装置。
それがスキマチック。
できたスキマは通り道になる。
風の、水の、猫の。
隙間のプロから言わせれば、 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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