滑り台の上で滑り出せずにいる
後ずさることも出来ずにいる
飛行機が滑り込んでくる
地面すれすれ
空気が摩擦して
夏が濃くなる
毎日を鏡に映してみても
逆さになる他は何も変わらない
....
檸檬ドロップを一掴み、口いっぱいに頬張る
あまりのすっぱさに涙でた
いつも頑張る君にもいっぱいあげる
泣いてもいいよ
それはきっと
檸檬の涙を集めたドロップのせい
1 夜の庭で
白い米を
黒ずんだ木の升で三合量る
最初のとぎ水は
庭に撒く
立秋を過ぎたので
コオロギが鳴いていて
いるか座が光っていて
だから私はしばらく庭にいた
....
食うまえに
ちょいと
遊んでやろう
ゆとり
みせて
足で押さえつけた
とたん
ハクセンシオマネキの
大きな右手に挟まれ
苦悶している
不覚!
宇宙のように ....
コーヒーカップに水を少々
砂糖のないテーブルの腕が
彼の足をつかんで引きずって放さないままでいるので
ぼくは少しだけ安堵します
コーヒーカップに水を少々
窓の外には目のない彼女
旅を続 ....
わたしだけの ここにいて
わたしだけの ここを
すすめています
きっと
どんなおおきなものでも
わたしだけの ここを
うごかしたり ふりまわしたり
で ....
「メリーゴーラウンド」 3
夢のなか
夢のなかにいると判っているのに
夢から覚めることができない
くらいつまらないものはない
小説や映画な ....
わたしが ここに すわっていることが
わたしの いのちです
あなたが そこに すわっていることが
あなたの いのちです
どうして すわっているのか なんて
わかりませ ....
きみの部屋
わたし
ここで死んだらいい
ふたりで
いっしょうけんめい呼吸をして
いっぱいの
二酸化炭素へ
ほうむられるように
酸素なんか、
なくったって
生きられる
せかいへ ....
雨曝す心ひとつ
待つ身の程の隅々へ
ゆっくりと
行き渡るのが
夜の毒だから
ケチャップの夜は
泣き止まず
ただだらしない雨を
ひそかに運ぶ
可愛いひとを
手品の箱に
詰め ....
女の人と女の人が会う時の
一瞬の刑務所
風船を割りたいんだ
少女が持つ赤いまるい風船じゃない
ガオレンジャーで配られる
青く反射して歯がむきだしに笑っている風船
きれいにする
き ....
じゃりじゃりと砂利道を
靴擦れを我慢しながら歩く
足に絡まる浴衣も
履き慣れない下駄も
平気なふり
袋の中で金魚が揺れる
歩幅の広いあの人に
気づかれないよう小走りで
もうすぐ私はこの声を失うでしょう
うな垂れた君がそう云った
魚のような足を組みなおして
煙草から灰が落ちても彼女は俯いたままだった
売れないシンガーと売れない詩人な僕らは
その言葉で ....
朝早く起きて
思う事があった
いつも何かを繰り返している
何かを廻らせている
日常?
仕事?
四季?
それ以外の何か
それが何なのかは知らない
でも
続けている
解ら ....
そのときのぼくらといえば
朱肉の端っこについた
赤いカタマリをもてあそんでいたんだ
触れ合えるはずのない妄想だけが
部屋を流れてしまう風に色を与えた
トビラ、なんて開けたくないよ
必死 ....
どれだけの言葉を用いても
どれだけの比喩を探しても
ほんとうに伝えたい想いが伝わらない
どうしたら伝わるだろう
どうしたら届くだろう
ほんとうに伝えたい想いは
ありふれ ....
俺は なんどか地平線をみた
燃える太陽が 眠りにつくときをみた
夕映えのなかで 俺はどんな顔をしていた
綺麗だなとおもってみていたが
微笑んではいなかった
俺 ....
俺は 旅立つなら
ひとりで いくぜ
新しい何かを 手にすることが
できるかもしれないからな
旅立ちは 今 漆黒の時
最後に お前だけには別れを
旅立ちは 今 漆黒の時
まだ今 ....
花を 手折るのが
わたしであるうちは
わたしは花ではなく
手折られることもない
ナイフを構えるのが
わたしであるうちは
わたしは傷とはならず
痛みにうめくこともない
無数のあな ....
遠い世界のてのひらで
君は自由と笑う
熱を逃がさないように
風に切られないように
この世界の足元に
君はそろりと帰る
次の予告もしないまま
無駄な言葉を恥じた ....
あからさまに媚を売るエレジー
いい加減に反骨するジレンマー
二袋追加してプリーズ
またしても跳びはねるその日
一袋目でフロウ
当たり前の風邪のふり
レディとろけてしまう
一人じゃしか ....
秋風がク−ラ−のごとたちそめてことしの夏も花火
のようです
これからは手紙も赤くそまるでしょうトンボのように
君届くまで
ひびわれたアスファルトに咲 ....
こうばしいにおいは いつだって味方さ
ベッドルームでもキッチンでもトイレでも小ホールでも。
こうばしいにおいに 鼻をひくひくさせてさ
コーヒー飲めないくせに(にがいものはいっさいうけつけないのだ ....
縁側に座って祖母が勧めるように
スイカに塩を振ってみると
甘くなった
これは使えると思って
僕は彼女を呼んだ
彼女に塩を振ったけど
僕達の関 ....
魚肉ソーセージは
もう
冷蔵庫の隅に転がっていた
わたしにも
ママにも
アレックスにも忘れられて
オレンジ色のビニールをぎちぎちと太らせて
なんの目的があるのかも知らないけど
冷蔵庫の ....
紙切れ一枚
短い言葉が連なる紙切れ一枚
すっと指を滑らせて見たら紅い血液が
じんわり滲み出した
こんな薄っぺらい
微かな力ですら破られてしまう
この紙切れ一枚
等身大の紙切れ ....
夏休みも終わるころ
いまでゴロゴロしていたお父さんに
僕は言いました
ねぇドコカへつれてってよ
お父さんはいつも
忙しいからと言ってことわります
だけどその日はどう見てもいそがし ....
夜の商店街走る走る自分の後ろ漂うドップラー効果
追いかける裏返った足音その他
鉄である壁のシャッター光はくれない口も開けない
前にあるのは後ろと変わらぬ黒
トタン屋根でも世界は ....
オスカマキリが泣いているから慰めたら喰われかけた
彼女は僕を餌としか見てくれない
あの甘い日々は偽りだったのかと
嘆くオスカマキリの目の色は次第に変わる
新手の罠か
危ない、危ない
おとこなのだか
おんななんだか
おんななのだか
おとこなんだか
よくわからない
いまだけど
おおきくなると
ほとんど
おんなに
なってゆくけど
みんなと
いっしょ ....
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