冷たい水で顔を洗うの
指先に赤く血の色滲んで
朝に凍り付く体
包んでも 包んでも
冷たく表層になるばかり
誰か 誰か
隣で眠ってはくれませんか
心安らかな人よ
無音 ....
わたしのあなたへの思いは
まるで散らかったデスクトップのよう。
いろんなファイルが重なってもう、
見つけ出すのすら面倒くさい。
文字で埋め尽くされたスケジュールを、
何度も読み返して ....
食べられるものを食べるのが
好きな人でした
食べられないものを食べるのが
嫌いだったところは僕とは似たもの同士
だったかもしれません
食べられないものを食べないのが
好きだったか嫌 ....
ポツ、ポツ
雨が降る
傘を広げ
{ルビ掌=てのひら}で雨を感じてみる
独りぼっちの雨道 淋しいな
ザアアー
雨が降り続く
水溜りに映る僕の姿
傘に入りきらないカバンが濡れる ....
裂かれた魚影は探知機にかからなかった。藻が以上に発生していた。魚影は藻の中にもぐりこんだのだろうか。藻は密生して揺れていた。海底深くはなかった。太陽の光がレンブラント光線のように差し込んでいた ....
藍が垂れとる
疲れとる
そこで枯れとる
干からびとる
金を借りとる
隠れとる
羽がついとる
飛び跳ねとる
ああありがたや
ありがたや
やあかなものや
かなもの ....
森の中で月を見て
青さ静かに、目に染みていく
あるかないかのカーブを
そろり、ふわり、降りていく
静かに、選ぶ言葉に僕の
音はどこかで回り続けているか
泳いでいるのは、あなた
そ ....
恋はナマステあたためて
君をナマステうけとめて
見つめてナマステ
そのままで
いつでもナマステ
そばにいて
ゆるしてナマステ
いかないで
みだれてナマステ
一つになっ ....
悲劇
ちいさいころ
とくと
味わう
繰り返しめぐり
冬が耳たぶに
増水し
コーヒ色になった
濁流
きらいでもすき
すきだけどしんどい
いじめてくる奴と
小四の時眺めた
....
こんがらがった むつかしい きもち
すれちがっていく つむじかぜに
ふりかえりつつ かたを すぼめ
どこにも ひらいては ゆけない
げんざいち しめしては
また たちどまり
せ ....
帰り道
空にまんまるお月様
冷たい風が冬を知らせる
いつまでも
季節が変わらないわけないじゃないと
つんとして月が笑う
でもね
ごらん
冬には ....
主人のために
軽快な羽音を立てて
働き続けてくれた
小回りが効くからと
八の字にぐるぐる回ってくれた
働き蜂との蜜月を
寄り添う相手のいなくなった
この狭いガレージで
いつまでも
思 ....
なまこだって恋をするんだろう
からだをくねらせて寄り添ったりするんだろう
どちらがおしりでどちらが頭か
わからないけどきっとキスだってするんだろう
海草のすき間に溶けゆくような
ひど ....
明日の人が
明日の話をしに
今日にやってきた
昨日もやってきたというが
僕は覚えていない
昨日ということは
明日の人は
今日の話しをしていったのだろうか
やっぱり ....
少しだけ陽がさしこむ
ほの暗い部屋
とても不思議な物語の本が
いっぱいに並んだ本棚に囲まれて
黒い服の少女が 座っていました
日がな一日 何も言わずに
物語を読んでいました
古い ....
この都市の、上空100m
本当の本当に 都市のど真ん中にて
風に乗って舞い上がり
そこに留まっている羽毛
が、もしあるとするならば
僕はこの都市が好きになる
本当の本当に ど真ん ....
大切なガラスの箱の中には
「無いこと」が入っていて
もう二度と開けることはできません
たくさんの絵本は
どこを開いても終わりのページです
お姫様は死んでしまいましたとさ
おしまい
....
不意に 認識が
足元から立ち上がって
見上げるばかりに
大きくなる
視界が 闇の中に 崩壊する
「ここ」が 彼方に飛び去って
見たことのない「ここ」が
目の前に立ちはだかる
....
完璧だった。
十月は週五日毎日通勤した。
無遅刻無欠席。
毎日詩を書いた。
せわしないが完璧だった。
シャガール展は最後のプログラム ....
皮膚のすぐ下は清冽
流れゆく血が私を
結びつけているのだ
家と人と肉と そして
全ての生きているものたちと
血によって私は
辿り直されることを許す
血によって私は
絶えず内 ....
紅葉にはきもちを高揚させる効用があります
とくに広葉の黄葉がうつくしく光躍します
紅葉は後葉のために
後葉は孝養のためにあります
すべてのもののねがいを請うように ....
雨を抱えた朝の傷
ただ静かに銀になる
ただ静かに鳴り響く
縦の傷をよけ
横の傷を踏み
円い傷の外周をゆく
点の傷を飛び越え 飛び越え
光のほうへ転ばぬように
....
廃墟に紅葉が溜まっている、捨てられてもう何年がたつのだろう。窓も壁も風雨にさらされて、朽ち果てている。草も枯れかかって、陽を浴びている。兎も、狐も、狸も、熊も、ここを宿にしたに違いない。獣の匂いがする ....
坂につないだ 果実の皮
無垢はついばまれ焼ける
霧の音が円の角に触れる
クロスされた糸が星宿し
かたこと 繁みが 飛ぶ
さめた雪 霜柱を 包む
泣いて、泣いて泣いた後に、
おもいきり、鼻をかんだら脳みその端が出て来た。
少しずつ引っ張れば思った程痛くはなくて、
こそばくて、
涙はたくさん出たけれど、
最後まで引っ ....
雪の舞う季節に
天使が舞い降り
世界を白くする
すべてを白銀の世界に
僕の前に天使が
舞い降りた
手のひらで受け止めるが
すぐいなくなる
振り返ると ....
始発の電車に乗り車窓を眺める
濃い青の空が
だんだんと赤みが 下から沸き出てくる
月と 太陽の 交わるとき
....
誰かが泣いていた
その傍らでは喜びがある
二つの間には 透明な壁が聳え立つ
どうしてそんなに悲しいの?
誰かが死んだ、彼と別れた、他に何かあるのかい?
人間には悲 ....
古い橋は渡らない
細い縦糸
ほつれた
少女の白いカーディガン
茶褐色の肌
それは鳥取砂丘
バンカー手前の
モスグリーン
国の名前
言葉の意味は
「寒波がやってくる」
ねえ寒いの
....
ちょうちょがひらり
とまったはながひくり
ひくりでまたひらり
たいようのひかり
さんさんとひでり
よすぎるひより
やけどでひりり
ひやしてひやり
プラマイゼロ
あのこはひ ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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