ニット帽の幼女
白髪交じりの老女
スクロールする駐車場で
台本でもあるかのように立ち止まる
言語なき会話
紡がれる身振り手振りの無重力
窓越しに観察する月曜日のわたし
縁取る ....
僕が世界と繋がるために
涼やかな夜風を浴びながら
今日も一つの詩を書き留める
それは静かな吐息をついて
雨降る白壁に投映される
夢の間に間の幻灯機
巨大な毒蜘蛛を追いやって
雨滴を溢す紫 ....
日が照りつける
影法師が伸びる
足が自然と進む
古代の夢が息む
みかん畑の果てに
ゆらゆら震えて
沈んでゆく
日の光を見た
あんなに優しかったのに
あんなに大切だったのに
....
それから
一人きりの
安達太良山
空気が
薄くなり
シングル
エンジンが
かたかた喘ぐ
荷物が揺れる
夏だというのに
どこまでも寒い
ジャケットが
じっとり濡れる
本 ....
夜中に目が覚め
女の寝息を聞いて
自分が生きていることを知る
「眠りが唯一の幸福だ」
女の言葉が過る
死が永遠の眠りだとして
それを厭う理由はなんだ?
眠りと眠りの間を埋める ....
音楽の途中でぼくは飽きてしまう
本当は好きじゃないんだと思う
無理してるんだ、きっとそう
だってまた別のこと考えてる
ゆるやかにリムーブしていく
ああ、ああ
こんなはずじゃなかった ....
見えない四角
残された絵の具で空を描く
存在を潰すように雨は降るけれど
雨音が伝うものに耳を貸さなくていい
美しい言葉に救われないものだけに価値があるんだ
たどたど行こう
哀しみと ....
手荷物
持つのに疲れたら何処かに預ければいい
心の荷物
誰でも一つや二つ持っているよね
なかなか減らせないで
反対にふやしてしまう人もいる
心の荷物も
誰かに預かって欲しい
....
森は茫然と立っている
差し込む陽射しに年老いた裸身を晒す
来る日来る日は雑然と降り積もるもの
過ぎ去った日々だけが温かい寝床だ
森に佇む独りぼっちの木々たち
無表情に見合いながら黙り ....
薄々気付いていたんです
日本人に向いていないって
口当たりの良さそうなことを
何のひねりもなく
恥ずかしくもなく
堂々と言ってのける姿を
そこここで目にする度に
あれっ、俺ってこの人達と ....
人と人との意思疎通
向かい会って言葉を交わしていた時代から
離れていれば郵便手紙
電話にて感情を推し量りながら
時が流れて電子メールとなり
ラインへと簡素 ....
今日のお天気は朝から愚づついてる
身体に湿気が溜まり
心が泥濘む
年に一度の雨季
ウキウキ出来る訳ない
俺のなかの男
あの人のなかには女
出逢えない
男と女
女と男
....
マシン 短くて気が遠くなる
長雨の季節には藍藻入りのスープで夜をやり過ごす ことになる
不 ....
薄暗い部屋で
ヤクルト戦を見ながら
野球って
こんなクソつまらないものだっけかと
自分の記憶を確かめている
メジャーを見たってそうだ
さっぱり面白くない
大谷だって体格が外人と同じだとい ....
明日私があるなんて
きいてない、はしっておいかけよう
明日が来るのが嫌だから
夕陽を目指してはしってはしって はっ はっ
音楽家の作曲が冴えるのは
黒いレースの間から垂れたほつれを
....
おしゃべりに付き合って
笑いを上げ
面白くもない
延々と
無為な無為と知っている秒数が過ぎ
笑い声が重なる都度
頭痛が積み重なる
音を消そうとする指の先で
次の音が鳴っている
....
初夏の太陽光線をいっぱいに浴びて
鮮やかに咲けよ
ミモザよ
遠く去ったあの人に
薫りよ届け
あつく胸を焦がして
触れた指先が未だにあつい
君を悩ませる
哀しみよ、去れ
君の胸に
喜 ....
革張りのソファーに夏肌を吸われ、少しスケベエな気持ちになったり。
しかしそれが合成皮革だと気付くと、少しスケベエな気持ちが萎えたり。
○「深い人生」
深い人生は
涙とともにある
○「コロナ下」
今までの生き方や価値観を
見直す機会である
ちょっと飲み会が
多かったと反省している
☆「ありがとう!」
金はなく ....
僕は通りを見るのだ
何もない街の 空に
空の中からは遠い所にある
海を僕は見るのだ
そこの誰でもが背びれや尾びれをもっている
幼年時さかなだっただけなのだけれどね
そこの誰でもが哀しみを抱いている
それは
すでに干物になるまで
のこるのものかもしれないんだが
....
光がすぱっと切れるのを見る、閉ざされている。咄嗟の思考を掻い潜るように鳥の影が横切っていく。
摩天楼、
さよならの仕方も忘れてしまうような僕たちの頭上、四角い世界。枠外から枝が葉を揺らしては風の証 ....
世の中は壊れていった
人々が理解可能を捨てた日から
誰も彼も捨ててしまった
理解可能を捨ててしまった
自分は心優しい人間だと自負する
言葉の使い手までが口にしなくなった
長年の闘争の中 ....
夜風がすぅすぅ網戸から
入って来ては肌を撫でる
その微妙な心地よさに
うっとりしている午前三時、
電車は大通りを走り雪山へ
凍り付くよな身震いを
誘いぐんぐん進んで行く
鈍色空を背景 ....
足りない頭を短く刈り込み
制服着こんで姿勢を正せば
賢く見えるし金は貰える
笑いが止まらねぇ
あそれ 1.2.3.4
いかした自衛隊Blues
倒産失業ありゃしねぇ
おまけに ....
生きれば生きるほど
恥を重ねることになるから
早いうちに
けりをつけた方が良い
とずっと思って来たが
年を取るほど感じなくなって
何とも思わなくなるのも
どうやら本当らしい
恥をかきま ....
ひまわりを背に
端正な顔立ちがしっとりと崩れてゆく
シャッターの音が
シャッターの音だけが
あたり一面に 静かに 降り注いでゆく
火曜の午後
思いつくまま講義をすっぽかし
キミを ....
かの女は夢の隠語
かの女は愛の代名詞
そしてくずかかったおれを見棄ててしまう、
見殺してしまうなにかだよ、「ユカコ」
バウハウスの故郷の果てで摘み取った林檎が、
葡萄でなかっ ....
高台から遠浅の浜を眺めると波の照り返しには目が眩む。
鰯の群れを追いかけて飛沫をあげるスナメリが、
ハセイルカの一団を連れてやって来た。
小屋の喜三 ....
猿と云う現象のわたしの傍らに
犬と云う裝置が風のように現れ、くっついて寢ている
裝置は靈魂であり、
{ルビ何某=なにがし}かの意圖が具現化しそびれた餘剩らしい
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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