押し出された空白
吸い上げられた空白
日常的に排卵は行われ
無償の避妊が配られる
ある尊厳の割れ目から
水は天竺へ注がれていきます
襖の先は闇でした
アクアリウムの膣でした
霧は晴れた 夜は明けた そして戦争は終わった
だからこそカーニヴァルがひらかれ
娘たちと青年たちはみな
陽気な音楽のリズムに身体を預け踊り狂ったのだ
レイヴンよ おまえは覚えているか
戦 ....
一九八七年八月五日、暗い森を抜けでるとそこは水門だった。水門は二重の柵に囲まれていた。水門を見つめているうちに私は携えていたノートブックとペンを川に投げ捨てていた。呼吸が乱れ歩行に苦しさが増す。私は ....
茫然としています
断たれたものは暖流です
亡霊ではありませんが
足はどこにもないようです
手紙を書きました
円い手紙です
噛みつぶしたひとさしゆびから
したたるもので書きました
あなた ....
ざめざめと泣きたい時があり
そういうときに本を読む
全く泣く気にならない
大事なものを壊されて
大事ななにかを失い
だが全く泣く気にならない
外に勢い良く出れば
感情だけがゆるり ....
ゴキブリは変わらない
うちの台所でも
熱帯樹林でも
恐竜が跋扈した古生代の森でも
同じような姿で
同じような生態で
どこにでも適応し
タフに何でも食いまくり
殺虫剤にも負けず
三億年 ....
適度な力加減で
君の腹部を蹴り上げた
外に音は漏れちゃいないが
別に気にしていなかった
どっちでも良かったのだ
見つかっても見つからなくても
蹴っても蹴らなくても
別にどっちでも ....
奇怪な生物が群れ泳ぐ
微細な海で
きみは自在にはねまわる
ぼくはきみをすりつぶす
人差し指の先っちょで
ぼくと君のあいだにある
屈曲率が
あんまり悲しいので
( ....
お前のタートルネックが真っ赤に色づいた
空から降り流るるシクラメンの雪崩
連続太陽は君の滑らかな姿態を凍り付かせ
自分の部屋であどけなくパンを噛む俺を認識した
アナルにワインを流し込む ....
丸の林檎に歯をたてて
肉を剥がすように
それが快感なのだ
私は何に恨みがあったのだろう
それともこれは本能か
殺生は繰り返され
それが罪とも気づくはずもない頃
罪なんてものは
....
眩しいライトをすり抜けて
光彩に映りゆくのはろうそくの火
生まれて初めて自分の影を知り
己を見つめる寸刻の時
さぁ始めようか、性成る夜。
君の織り成すビロードのマントは
私のサ ....
今朝から遊び相手がいないので
うさぎくんもいない
少し遠いけれど
こやぎくんもいない
丘の向こうのトラくんの家まで
きりんくんもいない
オイラは遊びの誘いに行く
さるくんもいない
すれ ....
女の子がクッキーを焼きました。
まる さんかく しかく
色々な形が出来ました。
星型だけはこげました
誰からも食べられなかった星型さんは
空に消えて
願いを一つ叶えました
『 ....
ぼくはマジメだと
云われることがある
たぶん、そうではないと云いたいし
否ありがたいなんて
ゆってくれる人の手を握りたいのだが
たぶん僕は何度も嘘吐きなので、実績はものをいうもので、
....
星に願いを載せようと
夜空を見上げ
待ち続ける
流れて
消えたものは
ね マナちゃん 今日はいっぱいおひさまがいるよ
母はわたしの名前を間違えたのだ 公然と 間違えたんだ
肩を抱くと 猫と同じにおい がする
今日の朝ごはんは 半分くらい食べたんだよ
....
玉虫色の存在と
黄金虫 ....
青さを残した空に
月は白く
急いだ僕の足を止める
あの時と同じに
記憶の糸を手繰り寄せ
忘れ去られた約束を
取り戻せるなら
引き替えに‥
差し出せるものなど
残ってはいない
約 ....
その言葉を待っていたんだと
小さな月の下で輝いて
遠い夜景と
遠くない息の間で
君とキスをする
やるせなさの上に
せつなさを置いて
焦がれる心は
風を泳いで
湿った舌と
乾いた ....
君は
いつも遠くを見つめてる
澄んだ泉のような深い瞳で
素直で優しい君は
いつも私を支えていてくれた
そんな君をいつまでも忘れない
今日は
昨日の続きだけど
毎朝 目覚める
毎日 日々新しい
昨日のぬくもりを胸に
今日の冷たい服を着よう
窓を開けて
扉を開けて
昨日とちがう
私 探して
雨でもよし
風 ....
いつまでも少女のままで
いれますか?
いつまでも少年のままで
いれますか?
名を呼ぶだけで心が痛くなる人が
いますか?
長い長い夢を見た
右腕の窮屈さに起こされて
見ると君が猫のように丸まって
僕にしがみつくように眠っていた
君を起こさないように
こっそり右腕を抜き出す
それに気がついて
君は ....
車に轢かれつづけた傘が
側溝の泥のなかで鳥になり
やせた鉄の羽をひらくとき
午後の空はもう一度泣き
街をゆく人々の手を濡らす
陽光ー 羊毛の浮浪する早朝は電気式
アナホリカのSun美花の種を摘む
衛生の天体を包んだガーゼをなめる桜色
カーディガンを浸す水溜リングを
横断するスイマーがキスを投げて寄越す
架空のくしゃ ....
一度降りたら乗り込めない通勤快速
今日も僕は力負けしてドアの外
入口付近の乗客が寂しげにたたずむ僕を見送ってくれる
さようならみなさん
僕は今日も迷宮を歩きます
そうなんです ....
妬ましきをみなの名を
記しては破り、
願へども叶はぬ懸想を
綴りては破り、
執心こめたる{ルビ玉章=たまずさ}を
{ルビ文車=ふぐるま}に納めしをみなは
{ルビ西方=さいほう}へ去りて ....
蛙が蛙であることは
とある詩人により確認されているが
虫が虫であることは
いまだいかなる学者も確認に成功していない
蛙が蛙であるとしても蛙は虫であり
蛇も虫であり
政治家も虫であり
....
【No.96 Re.0】 291
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そっと私にはつかめないもの
あなたは見つめることができる
輝く星はここにはないけれど
あなたには星がある
輝けるの
切ないあの音
あたしをまた隠して
意味がある私たちは
これか ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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