僕はただ入りたかっただけなんだ
僕は一生懸命みんなを僕の中に入れたつもりだよ
どれだけ入るのかな?
自分の大きさなんて分からないよ
誰が教えてくれるの?
でも、君は受け入れてくれたよ ....
残酷な優しさも
臆病な気遣いも
震えがとまらないほど
哀しいよ
排水口から
垂れ流された
こらえきれない
ぼくの寂しさは
星空の下
ドブ川を
下ってゆく
釣鐘 釣鐘 釣 鐘 釣鐘 釣鐘
∵
∵∵∵
∵ ∵ ∵
∵ ∵∵∵ ∵ ....
おれのなかには
たしかに
ひとごろしの血が
どくどくと
ながれている。
その血は
おれを
きみを
あなたを
なにもかもを
しろくしろく
けしさる
おそらくは
{ルビ空=く ....
液晶が 関東平野を東へ走る青年 を映す 速度にまつわる素朴な
感嘆は冷気にあてるとしぼむ はずだから「ああ」という呼気をふ
くらまさず口のなか でビールと混ぜてのんでいる 速度よりも ....
「風の強い部屋」でした
後から後から津波のように
強い風が吹き寄せてきて
カーテンも
ソファも
窓も
床も
天井も
何もかも吹き飛ばして
部屋はなくなってしまいました
「風の強い部 ....
城に迷う
古城
朝から
指が動きにくい
朝
触っている感じが薄い朝
遠い朝
朝の雲の城
飛竜、城を囲む朝
巻かれてタバコの煙
指がすきとおり、幻想界から
想像階へ、ふるえ ....
けっきょくのところ
電光掲示板が時を刻み
一秒が正確に積み上がり
気がついたら明日になり
気がついたら年が替わり
華々しい花火が上がり
アーチストが絶叫しても
ただ今日が過ぎゆくだけで
....
窓ガラスが取り外されて
僕の部屋はとても魚通しが良くなった
あの窓ガラスには
たくさんの魚が詰まっている
三歳の頃窓ガラスが猛魚のせいで割れたから
あの窓ガラスはいわば二代目
それでも十四 ....
厳しく枯れたアスファルトへ
刺さり損ね
刺さり損ね続ける、冬枯れの枝葉の
その陰、から
密かな微かな摩擦、それは残像です
かつて彼らは節足動物でした
密かなのは、そ ....
なにか?
とあまりにも
涼し気に微笑む君
のせいで
僕はとりあえず
牛乳飲んで
落ち着こうと思う
確か僕は
君の肩に手をまわして
さりげない愛情と
そこからなにげなく続 ....
それなのに
知らないリズムだ
ヘッドフォンから
グレーの土手を
吹き上げる風をR/L
掬いとる
冷たい鼓膜
乾いたロック
冬をもう少し浴びていたい
サイドウォークは選ばない
影を広 ....
汽笛は尾を引き
遠いほうからかがやきになり
応えの兆しを耳にしながら
傷をまぶしく抱きしめている
水のかけらを見つめる間も
陰のまばたきは増えてゆく
とどろきは地 ....
この世界の崩壊を
ぼく自身の修復を
無限のピースを
はめ込んでゆく
気のせいだろうか
ぼくの周りに
散乱したピースは
増えている
昨日よりも
増えている
このパズル ....
愛しんでいるのか
こわしてしまいたいのか
このからだ
誰のからだ
ある、からだ
だ、からだ
涙が感情とずれて
頬を官能的に滑っていく
私が悲しいなんてことは無い
ただ、からだの構造上 ....
朝から、青い陽に、
波シブトガラスが
割れそうもない節理を抱いて
泣いているぞ
かあハア
丸山薫よ
くあーっ
鍬
轍の臭いだ
草の遠く
それが、銀河より遠く
発泡スチロー ....
鋼鉄のキリンどもが
夕陽に照らされて
朱く燃え上がりはじめると
このありふれた景色にも
特別に美しい瞬間が訪れる
陽が落ちきるまでのほんのわずかな時間
第3セクターで作られた
この海 ....
風が吹いたと思ったら
あなたはもういませんでした
見上げた空には
枯葉が一枚舞っていて
届きそうで届かない
私は
待っているのをやめて
風になろうと決めたのに
枯葉は ....
私は眠る
掛け蒲団の左右を身体の下に折りこみ
脚をやや開きぎみにし
両手を身体の脇にぴったりとつけた
直立不動の姿勢で
寝袋にくるまる旅人のように
防腐処理を施され
身体中を布で巻かれた ....
あなたが奏でる音は
悲しい音
気が付かなくてゴメン
気が付かなくてゴメン
土の下に眠るあなた
あなたはいつも
私の先を歩いていく
涙なんか流れない
言葉なんていらない
あなただけ ....
そう、
あなたみたいに
きっと、
ええ、
静かに眠ることなんて
それは、
このままでいたいってことと同じで
それならいいよって
怒ってしまってもかまわない
腕時計さえ
嘘を ....
暗闇で健常者が輪になって煙草をふかしている
その真中にもうすぐ頭がおかしくなりそうな奴がいてうなだれている
ダウン症の子たちは輪の外で子鹿と走り回っている
短歌はとにかく
詩というものは、
俗っぽくてはいけません。
繊細で青味がかかった伝統の自然色の赤
明るい日光を浴びた色は全て
赤
と表現された
白と赤
青は後ろに隠 ....
大体朝方か夜中この電車の中では
冬に汗をかく、しかし上着は脱がず
澄ますその澄ます顔、つまさきが浮いているぜ
イヤホンは耳にねじこむもの
ボリュームは選択肢を持たず
手の置き ....
出来損ないのアンドロイドであるところの私
溶けていくウイスキーグラスの中の氷
オイルの切れたネジがまた狂ってしまったようで
昼夜はいつかの「不適切な関係」になり
無理矢理ゼンマイを回そうとする ....
小さな銀色のスプーンですくったゼリー
宿る兎の魂に歌声を捧げて
長い耳をわたしから
盲目的に消して
善悪も知らないと
無垢を装ったわたしに
リボンを結んであげる
心も一緒に
飲 ....
疑いの芽を摘み取って
抱いた疑いの鳥を打ち落とす狩人を
狩人を
落とした涙の分からぬままでいいから
体が朽ちるまで可能な限りの羽を使い
あたためたい
私に出来ることはあたためることだけ
....
わたしはあなたを抱きしめて殺す
わたしはお腹を撫でながら泣く
ぼろぼろと泣く
両手に涙がたまったので
涙をお腹に擦り込む
気がついたらあたりは大河
汚濁した黒い水
さぶん
わたしは潜る ....
夜半の月は無情に蒼く
帰ると誓った影はない
白菊の花は夜露に濡れ
冷えた袖はしっとりと重い
長い旅だとあなたは言った
待てぬと叫ぶこの手には
あなたが残した一輪の菊
時は重陽、誓いの盃
....
夕暮れの後薄闇になって
築十七年のマンションの庭を見ると
芝生の奥の片隅に三つ葉が生えている
その向こうで子供がボールを蹴っている
一人はエントランスのマットに寝そべり
一人は自転車に乗った ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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