朝起きた途端に胃が震える毎日だ
31歳になった今日もなんら変わることのない不快感
誕生日を誕生日として祝う余裕のある友人数名より
メールをもらい電話をもらい家族に言葉をかけられ
ようやくそのこ ....
暑いから上着を脱ぎたいのと言って
見た目よりも重たいカバンを僕にわたす
君は少し地面から浮いたような身軽さで
肩を揺らして笑っている
僕が冗談をとばすたびに
うまいね!うまいね!と言う君は
カバ ....
断崖のふちに
ぽつんと一つ置かれた白いベッドで
僕は目ざめた
僕の上には
途轍もなく青く明るい空だけが
広がっていた
僕はベッドの上に坐ったまま
何も考えられずにいた
すると
空 ....
涙は
二人の恋を祝福し終わって
止まった。
彼女はギターを持って立ち上がり
老婆のような輝きで歌い始める
照明を受けた喉元に浮き上がった大きな
二本の筋は遮光カーテンのように波打ち
目じりに通じる無数のしわから生まれた笑顔が
若さとい ....
人間は
子供の代わりに
死ぬことができる
孫のために
生きよ ....
誕生日を祝う前に
あなたがどんな詩を書こうが
興味も無いんだと伝えたい
あなたがわたしに興味がないように
わたしもあなたに興味がないんだ
あなたの詩を確認するよりも
あなたの死を確 ....
使いかけの、ビデオテープ
しまっておいた写真
あの夏の昼下がりの、切符
片方だけの、イヤリング
買い置きのシャンプー
どこへでもいけるね、って言いあった
あの日の、
あの日の約束
....
あまりにも わたしに声をかけてくるので
もう 会話をするのがめんどうで
左手に 自分で買った指輪をした
一緒ね
否定してもしかたがないことに
必死にこだわって 会話を進めていくと
ピザ ....
ペットボトル
父さん
色エンピツセットの中で一番きれいな赤色エンピツ
母さん
観覧車の置物
兄さん
粘土
妹
テーブルに並べて
バカ男はいつもの席
....
あたしテレパスでなくて
ほんとによかった
あなたが
ウザイんだよって
こころの底で
それは聞こえないんだから
そろそろ
帰ってくれないかなって
そんなの
聞こえないんだから
....
かじりかけの春にあきて
手離すように
雪が吹雪いて
どこに
隠れて
泣いてるの
さすっては
旅立ってしまう
花びらのよう
歯をくいしばってたら
お姉ちゃんが
あんた何やっとるんって
涙を頬に留めていたら
弟が
どしたんって
鉛筆を芯が無くなる迄削ってたら
ラブラドール犬のラブちゃんが
....
キミの声が聞こえる
キミの声を聞いている
思わず笑ってしまうような話も
大切な言葉も
僕を探して
空を飛んで
雨に濡れて冷たくなってしまっても
”優しさ”はまだ残ってた
だ ....
約束した覚えが
そこはかとなく
ある
わたしんちには仏壇があって
歩いてゆけるすぐの距離に先祖代々の墓があって
春彼岸には野ビルが伸び
秋彼岸には彼岸花が咲く
いまは野ビルが伸び放題 ....
どうしょうもなく渇いてしまえば
身軽になるものだというように
からから笑いながら
波打ち際の空き缶の口元を叩く
浜辺の砂
昨日までわたくしは海の中におりました
かつては地殻の内側で赤々 ....
ドアを閉めて
もう1度だけ
あなたの名前にさようなら
相談もせず
何もいわず出て行くけれど
これが僕の
最後のわがままで優しさだよ
これが僕の手
....
悲しみを乗り越えて
僕は君と出逢った
辛い別れの後
僕は君と出逢った
もしもできるなら
君だけのために生きてみたい
迷いながら
時にはやけになって ....
気だるい 午前十時の 太陽
這い上がる ベッドの上で
誰もいない 部屋
敵もいないのに
手は震える一方で
煙草に火を付ける手が
覚束無い
静寂を切り裂いて手にした 晴天
....
秋は
透き通った声に満たされた夜を僕らのもとに運ぶ
ほら、聞こえるだろう?
稲穂の群れに
目を閉じてじっと聞き耳を立ててごらん
星の向こうから僕らの時間を歪めているアンドロメダ
小さな ....
木製の、キシキシ音のする、大きな橋。
緑色の柳が揺れるたび、懐かしく思い出す建物。
透明な、湖の、湖上に浮かぶ、大きな橋。
鉄製の、熱を忘れた、冷ややかな橋。
茜色の夕焼けに、灰色の幻影が ....
山の上にも
春が来て
キタキツネも
やって来る
遊ぶふりして
野蒜が伸びる
南の斜面で
欠伸する
北の国では
雪が残って
だんだら模様
裏の斜面で
ひっそりと
冬の孤児
....
たばこをやめたからって何が変わるの?
って君は言う
とりあえず
服につく煙と
キスのときのにおいが
無くなるんだから
少なくとも僕にとって都合の良いことが2つはあるわけで
でもタ ....
ほしにうつらぬひとがたを
そっとかかえてかがみにひたそ
にじんでこぼれるほしがたを
なみだとまぜてゆめからぬぐを
ほしのかたちはいびつにまるく
ひとのかたちはうすれてくらい
....
売れないたこ焼き屋をやってる子を好きになった
屋台の前に置いてあるスツールを意味なく動かしたよ
すごくドキドキする
どうかテントの骨組みの重しに
僕のこの空気抜けタイヤを使ってくれないだろ ....
轢ダンスー朱 架空するレースの白に
全ての妄執を流し込む A.B.C
ダイナモ!石炭の輝きに咲く華!
「黒馬を視たり」、裂かれた腹に覗く華!
車輪が影を轢断すれば朱が散る
百度でも!千度でも ....
「樹齢」とあるが
墨で書いてあるから、先がかすれて読めない。
注連縄は幾重にも新しく
度重なる、史実に残る落雷に維管束をぶちまけながら
幹ばかりで、枝を短くひょろつかせた神木は
それでも春に ....
わたしは猫であったかもしれない
黎明の月にひと声ニャーンと啼いて
死んでしまった猫であったかもしれない
わたしは何万年も前の骨であったかもしれない
アラスカの雪の底に眠る
まだ発見されて ....
流れにさからってのぼってゆく鮭の産卵のよ
うにうたうたうものは自らを束縛するすべて
のものに抗いうたうたう水の飛沫がとびちる
ようにうたのかけらはとびちりその濡れてふ
とった水を全身に浴びて鰓 ....
明るい陽が僕の顔刺した。痛いと悲鳴を上げる瞳
の
見える窓は僕と他人を繋げてる唯一のモノ
か
らは、楽しそうに遊ぶ子どもが見えます
....
5753 5754 5755 5756 5757 5758 5759 5760 5761 5762 5763 5764 5765 5766 5767 5768 5769 5770 5771 5772 5773 5774 5775 5776 5777 5778 5779 5780 5781 5782 5783 5784 5785 5786 5787 5788 5789 5790 5791 5792 5793
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