ノームの目には ほかに何も映ってはいなかった
青い空
白い雲
風にざわめく木々の枝
その目に写し取られた風景は まだ世界としての意味を与えられ
てはいなかった いまだどこにもい ....
夜、
扉は開かれる
恐れることはない
我々は誰もがそこへ向かっている
まずは 手による想像を洗い浄め
火をもってすべてを鎮めよ
みだりに本当のことを口にしてはならない
それは君を不幸にす ....
その夜の色の煙筒は
寒いからなのか白い
息を吐いていました
夜に
ため息がずっと続いています
何億光年前の光が
ゆっくりと流れて光の速さ
僕の上に留まっています
月は知る由もな ....
やあ、ぼくムツゴロウ
イサハヤ湾で死にかけている
人間どもが、ぼくの棲家を奪うんだ
でも、人間の中にもいろんなヤツがいてね
ぼくを原告にして裁判を起こして
くれたんだってさ
やあ、 ....
父さんと二人で散歩に行く
父さんに水を入れると
喜んで太陽の光にキラキラしている
しばらく歩いて河原の土手で一休み
河川敷では子供たちが野球をしている
ねー、父さん、
バカ ....
少女は少女のままで腐り、
そのまま氷のように頑なになって、
誰にも見向きもされなくなった。
りんごの端っこを噛んで、
少女はなけなしの塊だった。
どうにも止まらず、
「やめてくださ ....
いつまでもいつまでも変わらない感覚
今まであったのに消えていく感覚
結局エロくなければ動物絶滅
ボクは出家願いを心の中で提出した
剃髪した なぜか剃毛もした
そうすれば世界が変わると思 ....
駅の喧騒の中で、君を待っている
君ではない人たちが通り過ぎていく
時計の針は動いて行く
壁に寄りかかって、僕はゆらゆらと揺れている
君ではない人たちはどこにいくんだろう
....
君と僕が
離れて行こうと
君の心を
忘れたりしない。
君も僕を
けして
忘れないで生きてほしい。
....
大根の筋に見とれ
頭の真ん中が
すいと 浮かんだ気がした
ぼんやりと 窓辺で眺めていると
水色の自転車が
昼光の泣き声と共にやってきたので
天国から迎えに来たのかと思った
....
どろがはねて、さ
わらってるけど、さ
おちてくでしょ、ぜんぶ
だけど、ときどきないたり
でもやっぱりわったり
するのはなんでかな。
あした、ここに
そらいろのバスがくる、よ。
....
ひたりひたりと
せまりくる
真夜中の秒針
深い森の中の
足音
毛布の中の
ぼくは
凍えそう
まるで
ぼくだけが
汚れてゆく
みたいに・・
いつからか
迷い ....
やり続ければいい
いつか
いつか
かならず
答えは出るのだから
さよなら、と言って
去っていったあなた
の写真に
穴あけパンチで
はじっこから
パチン、パチン、と
等間隔で穴をあけていった
ら
もう、その写真は
あなたじゃない
かもしれない、と ....
発端は、森の奥で彼女が猫を拾ってきたことから始まったのだ。
「このこ、飼ってもいい?」
そのとき彼女が咥えていたのはセブンスターだったのかチュッパチャップスだったのかあるいは鹿児島は日奈久 ....
それは
ありふれた日常に
巧妙に
隠されている
たとえば
ほら
君が今朝飲み残した
コーヒーカップの底に
向かいのアパートの
窓ガラスの黒に
蝋燭の炎を眺めている
....
いつまでも
心に
残っている
あどけない
イタミ
治ってしまわぬよう
こうやって
思い出しては
ナイフで刺すんだ
何度も
何度も
こむらがえっちゃったってさ
えっちゃんが
プール開きの次の日にね
三四時間目の空はいつもより雲がすくなくて
直に空色が降ってくる
足をかかえながら歯を食いしばって
それでも泣いたり助けてと ....
空を飛ぶ うさぎが
いてもいい
綿雲と綿雲の間を
ぴょんぴょん飛んでいく
ついでにうさぎのしっぽから
青空のこどもがこぼれたら尚いい
うさぎの耳は何万光年先の
川のせせらぎを ....
おなじ空の下
姿は見えないけど
声も聞こえないけれど
おなじように息をしてると言うだけで
生きていると思うだけで
なんだか
とてもうれしい
あなたは今
何を思ってるの?
触れ ....
歴史にもしもはないという
死傷者の数はこれから増えていく
けれども
出来ることは出来たのだと思う
病院はくずれていなかった
街は街ごと崩れてはいなかった
死んでしまっていたかも ....
木簡記念日(文明論)
ハロー 僕らは
なんですか?
朽ちる素材の通信で
未来のチームに
遺跡しましょう
火種記念日(短歌)
しりとりを
しりとらな ....
夕焼けの空を見て
「こんな色がすきなのよ」と呟きながら
筆を走らせて君は僕を描いている
寒さも感じなくなってきて
最近は雨もなくて
今日は絶好の日和だね
何かを描いてる ....
こんなにも
色を変えている
お前は
不実でないはずがないのに
そうやっていつまでも睨むなら
私には瞳は要らない
そして今や私の瞳は液体で満たされ
誰にも見つからない代わりに
不自由な石 ....
彼女のお腹の中に宿った命の成長は
彼女のお腹の大きさで分かる
耳を当てればやさしい音
きっとコウノトリの鳴き声だ
魔法使いの女は星を司る蛇を探す
佇む兵士たちは闇夜を知ろうとして身を潜める
灯りの点った牢で捕らえられた彼らの膚に黙々と焼印を押す腕
悲鳴は押し殺された大地の果てに寒々と吹く
時は十二杯の ....
戸惑いながら空を見上げて
ごまかしきれない淋しさを
涙に混ぜこんでは地面に捨てた
心に 黒い 水溜り
求めてるのに避けていた
怖がってたるんだと思う
失うこと
びくびくしている
....
ぼくは 交通事故で 死んじゃった さくら。
切り落とされたさくらの木の隅っこに
ひとりだけ 咲いてる。
だれも お花見にきてくれないよね
こんな ひとりぼっちの さくらなんて
かわいくも き ....
赤いリボンに包まれたままケーキを大切に守ります
飲み込むことは許されず
これが僕の仕事とは思いながらも
ちょっぴり我慢ができず
クリームをほんの少しごちそうさまです
子ども達の笑顔
残念、 ....
飛べるはずもない身体を
立ち入り禁止のフェンスにあずけて
みるみる遠ざかる飛行機を見送る
だんだんと小さくなってゆくのは
きっと僕の方だ
手の届かないものたちが
近くに感じられてい ....
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