干からび抜いた{ルビ駱駝=らくだ}の骸骨
桃源郷から狙い澄まし
放った矢の数十と二本
駆ける羽音は雹の落雷
蝶食う鳥を焼き残し
劈く轟音無色透明
阿吽の痺れは醒めて婚せず
一毫{ルビ櫓= ....
思うに、人生で何かをするということは
鉛筆で書いた文字みたいに
やり直そうと消すこともできるけれど
すこうし跡が残ってしまうし
でも残しておきたいことでさえ
長い間放っておけば
薄くなって ....
疲れている
眠ることさえ疎ましく思えるほどに
疲れている
何もする気になれず
ただ
ぼんやりと
椅子に腰掛けている
ダイニングテーブルの下で
犬は
噛むと音のなるオモチャ ....
僕の言葉に意味なんてない
君の言葉にも意味なんてない
だからもう、ペンを走らせるのをやめて
その手を、僕の方にのばしてくれないか
僕も、君の方に手をのばすから
随分長いあいだ、僕たちは言 ....
そこは底だったけれど、回りまわってきたので、よかった。
*
気づいている、息をしていて、横と縦を感じている。音声と重量にとらわれている。風が強いのはなぜだろう、と考 ....
がらがらと開ける
明け方の雨戸に
ひょいと跳んできたら
ちょっとだけにらめっこ
あしどりかるく
自分のおまんまを
きちんと自分で稼ぎ出す
この勤勉な同居人は
何を食べたかもぐも ....
急な坂を登ると博物館があった。
湿っぽい薄暗い埃っぽい、
いかにも淋しいガラスケースの中、
脱脂綿の上にひっそりとその虫はいた。
大きな虫眼鏡で拡大して、
ようやく何やらイキモノに見える ....
「『牛の首』という怪談を知っていますか?」
「ああ、あれね。あんな恐ろしい話は聞いたことがない」
「はははっ。ということは"知って"いるんですね」
「知ってるよ。どんな話なの ....
ちいさく
きらめく おと
つれてって
つれてって
こばこのなかから
なつかしさ こぼれて
ないてもいいよって
いってくれる
にんしんしたいと言い出せないアタシは
子供に子供を産ませるアナタの苦悩に気付いて
抱き合う背中のうしろでそっと中指たてる
くそったれ
アナタの見てない世界でアタシはいつだってムテキなんだ
....
生まれた瞬間から
欠かさず毎日抱きしめてきた君を
今はもう抱っこをすることも
人前では拒むようになった君を
思い切り抱きしめたい
愛しさあふれて
君をつかまえては
ぎゅーっと抱きしめ ....
思ったよりも駅から近くて
古いけど
コンクリで出来てる
アパート
問う
問う
自分へのいろんな
振り切れれば簡単なこと
電車の音が聞こえて
窓を開けた
見えないけど
....
あの日のことを言い出すと
きっと君は泣いてしまうのだろう
と思っていたのに
パーティーで久しぶりに見た君の顔はもう
もう
とっくにお母さんの顔で
ふと見えたその横顔の一点
の中に
初め ....
なんにも
ここにはなんにもなくて
寂しい、とか 楽しい、とか つまんない、とか
あるわりには なんにもない
なんにも、思わない
素敵、とか好き、とか嫌い、とか
....
甘栗むいちゃいました
三点倒立で甘栗むいちゃいました
航空ショーで甘栗むいちゃいました
筋肉ミュージカルで甘栗むいちゃいました
死海で浮かびながら甘栗むいちゃいました
女性専用車両で甘栗むい ....
数える
夜を
その存在を
その版図を
人生の裏側から君は数える
吊るされたものが笑う夜
浮き上がるものが泣く夜
どんな夜が
君に魂の改変をせまっていたのか
わからない
わからないか ....
すき
きらい
すき
きらい
うみ
からい
こーひー
にがい
すみ
ひらい
まち
くろい
ぱすた
からめて
きみ
うまい
にこり
おはぐろ
きみ
こわい
ぼく
....
水の流れに
声は生まれる
ゆっくりとした高まりの
終わりのように反りかえり
声はまだらの身を起こす
鍵の花は水に咲き
傷をひとつずつ閉じてゆく
いつか流れに分けられた ....
おまえに綺麗な紙のきものを着せたったら
紙人形のように可愛いやろなあ
そんなこと言うてはったおじいちゃん
いつのまにか
紙のおじいちゃんになってしもて
あれは風のつよい日やった
....
フラッシュバックをください
飲んで飲んで飲んで飲んで飲んでその果てに見えるお花畑
いちめんの一年草
毒々しい色色色色色色高らかに鳴るラッパの音
這いずるように愛して
這いずるように
そ ....
家らへんの お祭りは日本一やかましぃ “石取り祭り”
この鉦の音にあわせて太鼓を叩く うらっ!
チャカ チャカ チャカ チャカ チャン
チャカ チャカ チャカ チャカ チャン ....
夜店行くと いつも買ってた
友達と みずあめがついた二本の割り箸くるくるまわして
透明な みずあめが空気をふくんで真っ白に変わる
しろぉーくなったら もぅ一本貰える
もぅ一本欲しくて
....
思ったより 大きな鳥
手に余るほどの 砂 足でかき混ぜて
思ったより 美味しかったワイン
雨にならない空 三日月 湿り気の中で 言葉を探す
耳を塞ぐほど
大げさな言葉
走り ....
ルイーズはいつも空っぽだ
ルイーズはいつもとんがっている、山高帽の
だらしない紳士の椎骨あたり
途方もない誘惑の笑み
ガムを噛んでいる
ルイーズは雪の降るのを信じない
雪だってみぞれに ....
髪の毛にエレベーターが刺さっている女の人と
危うくぶつかりそうになって
うっかり乗りそうになりましたが
それよりも階段の方が健康に良いので
大丈夫でした
自動販売機の前では
一匹の ....
海や土やマグマや風と
一緒に浮かんでいるという
私は
身体を選んだわけでも
心を選んだわけでもない
先にあるものから
たくされたような
安物の 腕時計が
地上 から ....
うでをくるくるさせるのも、
あしをくるくるさせるのも、
くびをくるくるさせるのも、
こしをくるくるさせるのも、
ぼくはとくいです。
だからぼくはくるくるぱーぁです。
....
眠いのを我慢して書いている。
日差しが強いのを我慢して寝ている。
コーヒーが熱いのを我慢して飲んでいる。
そういえば、昨日、道路に落ちていたガラクタは、
いつかの誕生日の母親からのプレゼン ....
ひとつの胴体に馬の首と牛の頭。小屋を出たところで、馬の首は走ろうとする。牛の頭は立ち止まろうとする。からだがよじれて小屋の前で回転するばかり。
首は二つだが、胴体はひとつで牛のからだだ。四本 ....
地面の琥珀色のステンドグラスの中に
ジュラ紀の蚊が閉じこめられていてあなたに助けを求めている
クリック500回で救えますよ!
でも助けたいのはプテラノドンであなたじゃありません
蚊を潰 ....
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