どこかの方から誰かが去って
白い砂漠がぽつんとあって
顔のない人が歴史の本なんか読んでいるのでした
私は私を側に置いて
私を見つめ続けなきゃならないのでした
ひとつ思うことがふたつに別れ
....
3・2・1・ポン
で死ねるなら死んでもいい
って思ってた昔
もし、タイムマシンがあって昔に戻れるなら
そんな自分をぶん殴るだろう
「死」ってのは
とても実感が持てないもので
何らかの ....
今夜のごはんは牛丼よ
しかもコンビニお弁当
明日の朝のミルクを買って
部屋に着いたら
はい トイレ
今日の練習キツかったから
便座でため息
ふー
風呂をわかして
TVをつけたら
こ ....
木に耳をあて
聞こえるのは水の声
空からあふれ出す水達を受け止めた手は潤いを伝え
次々と降りかかるしずくを全身に受け止める
水は自由に体を渡り
必要なときに
必要なだけ
潤いをくれる
....
恋をしたら
ひとはみんな
詩人になるっていうけれど
詩人のつもりのぼくなんて
いつまでたっても
恋ができないのでした
六月の
ベルベットの小道を
今夜もぼくは歩きます
....
泣かないでくれよなんて言ってみたものの
ホントに潰れそうなのは僕なのです。
貴女の泣き顔なんて見たのなんて初めてなんで
どうして良いのかなんてわかんないのです。
君につられて言ってみた
....
信濃路にその名も高き戸隠の、
{ルビ白峰=しらね}の雪は幾重に積り、
今はいづこに紅葉やある。
夜はよい、昼よりよい、とおまんは思ふ。
からかひ囃す子らがゐない。
後ろ指指す大人も ....
月影とタブの樹が戯れる
静謐な真夜中のパーティー
白いガーゼを払いのけて
そっと そっと
足音を忍ばせておいで
そう 裸足でそっとだよ
誰にも内緒のパーティーさ
「死にたい魚」
....
白い
湖の上に立って
寄り添いながらじゃれては離れる
二匹の犬を見ていました
灯台の麓では、おじさんが夕暮れの写真を取っています
私に気づくとレンズが光りました
孤独が
....
日がな一日中考え。
また朝を迎え、一日を考える。
五月二十九回目の朝、今この時間。
五月二十九回目の朝を考えている。
三十四回目の五月。
死ぬ理由と生きる理由 ....
手紙は
シロヤギさんが食べました
シロヤギさんは
クロヤギさんが食べました
クロヤギさんは
僕が食べました
僕は夕方
手紙になりたい
枝葉を伸ばす像よ
木々の裸に似ている
きみの輪郭を見ている
眼球は潤いに黒く
星を湛えた
沼のようにも濡れる
白い肌の魚
熱病を折り込む
水草と語るのはお止しよ
重い ....
ザクセンの皇帝は狩りがお好み
きらびやかなダイヤのボタン
精密な測量機械
それらに混じって
皇帝の
狩猟用具一式がある
獰猛なナイフ
鋭利なスティック
そしてダイヤをちりばめた ....
濡れた鉄塔を越えて
そのままの振動で
ゆがんだステンドグラスを割らないように命は膨張する
このふしだらを運転する技師は
都市にいる幼児のみに聞こえる歌を
アドリブで歌う。
朝刊を配 ....
悲しい夢を見たあとに
声を上げて泣いてしまったのは
その夢が悲しかったからではなく
その夢が現実にほど近い
記憶だったからかもしれません
昔のことですから
もう数えきれないくらい繰り返 ....
時の流れがけして止まらないように
人の流れも止められないのかもしれない
感情と言う勢いは強い
どれだけ土嚢を積んでも
どれだけちがう川を掘っても
行き着く所は一緒で
それに気付いて ....
気が付けば、漂流している目覚め
手を伸ばすその先
十センチメートルで
落ちるばかりになっていて
とりあえずここに、漂っている
どうやら
世界の端は滝になっているらしい
落ちてしま ....
自分の言葉で
自己嫌悪にいたる
激痛
完全態になった
蛹のこころは
虚しい
朝のヒカリを浴びて
黒アゲハ
真っ昼間の
下克上の世を生きる
不完全態のコオロギ
昨日のことは昨日のことと
元気良く
薄暗いうちに
羽根 ....
みんな幸せになってほしい
と 思う自分が
自己中心的に感じる
かつて付き合っていた男の
すこしななめの背中
だらしなく歩く姿
流れる煙セブンスター
よみがえる感情の
種類の少なさ
想い出と言われる
類(たぐい)の記憶
日の沈む5分前から
....
電子の気配に
目覚め
点滅する記憶を再生する
あれは 5月だったね
細く開けた小さな窓から
ふたりして夕暮れを眺めながら
またこの季節が巡ってくるといい、と
小声で話した ....
この世界でボクは生かされている
何のために僕は生きているのだろうか
意味なんてないし意味なんて作らない
くだらないくだらないくだらない
こんな日々など消えて無くなってしまえばいい
こんなボク ....
一袋百五十円
色の付いた籾柄を
売っている
百円ショップの世の中に
百五十円では高い
五十円負ければ買ってもいいと
客のふりする
小父さん小母さんお姉さん
それと僕
バス代を ....
切り取られた断章
誘われる抑圧
黒一色に塗りつぶされた瞳
存在と実在の曖昧な実存
視野の主体性に収められた世界
交錯する本能
希薄化する理性
個性という苦痛
自由という憂鬱
破壊衝動 ....
くだらない、と思って
一生懸命だった詩を捨てた
でも よくよく考えてみると
私からその
くだらない詩たちを取ったら
何が残るというのか
もしかしたら
そのくだらない詩たちが
....
どこかですれ違っているとしても
ただほんの少しの我がままで
月が昇るまで、
朝陽が昇るまで、を繰り返した
無言の目が
今にも刺さりそうなほど
すれすれに突きつけて
僕はそれを見ないふ ....
月曜は、月がよろこぶの、
自分の日だ、って、
新月でもないのに、
月が飛んでいく。
二時ごろ、
線路に立っていると、
へんなかたちの電車が止まる。
車内は奇妙にあかるくて、
気がつ ....
幼い頃見た空色は、濁りの青になった
僕らが居た空地は、駐車場になってた
窓をのぞく景色は、灰色の建造ばかり
背伸びし手を伸ばした、あの母の頭は
地上160.12cm見下ろせる高さになった
....
遠くなっていきますものが
小さなものと大きなもので
知らないものがたくさんできて
そうして見知らぬひとになってゆくのでした
ありがとうがとても透きとおって
私の前で響いているのでした
....
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