引っ越すと言うので
貰った8角形のコップ
口づける度
あなたの味して
使えません
空をみあげながら どこからが宇宙なんだろうと くびをひねる
はてしない
てのひらをみあげながら どこまでが自分なんだろうと ぼうようとする
らちもない
....
廃館の庭に迷い込んだ彼はひっそりと生きる私を見つけると
「なんと美しい」と褒めて優しく口づけをして下さいました。
恥ずかしくて堪りませんでしたが
私はそれ以上に嬉しい気持ちで胸が一杯になった ....
はっぱをめくればなめくじ
みんなにきらわれて
しおをまかれたりする
おまえなめくじ
うまれてからずっと
からだじゅうでないている
おれだっておなじ
みんなにきらわれて ....
窓ガラスを伝う結露と同じくらいの速度で
ミルクが部屋中に響き渡っている
ミルクの連れてきた君が、囁く
大好きだよ
君の傍らで、始終うなだれている夏は、
さようなら、と駆け出そうとして ....
仕事人は夜、
瞼のうらで明日の仕事をしている
目をこすると
蛙が鳴いているような
胸がすく音がして
ただ、流れる雫は軟らかい
五月雨ー、それは光沢のある色。
ゆきどまりのない
なっとくのいかないせかいで
しずかに たちどまる
はなかざり かざってみたり
へたなうた うたってみたりしても
つづいてゆく ふじょうりを
ごまかしきれなくて
....
よるのうた うたうのは
だれですか
よるのうた うたうのは
やねのうえ
よるのうた うたうのは
ちいさなこえ
よるのうた うたうのは
あおい まよなか
....
今日は月夜かと思ったら。
空にあいた穴からボトボト蛍光色の液体が流れてきた。
筏でも作ってあの穴まで漕いで行ってやろう。
穴はいくつも空いていき、様々な蛍光色の液が混ざり合って
風景が ....
生まれてからしばらく
うつむいていたのは
悲しかったのじゃなく
探していたの
欠けたコーヒーカップ
もうないって言われていたけれど
知っていたけれど
探していたの
粗末な客 ....
ひととひととひととひと
しんこきゅうをしています
ひととひととひととひと
しんこきゅうをしています
あさごはんは
だれもいないしょくたくで
おみそしるから
....
台所には大きな窓があって
お鍋やフライパンや
お箸 スプーン ナイフ
みんなわたし以上に器用に タマネギいためるのよね
バスルームはちょっと狭いけど
トイレのノブはしっとりと濡れているし ....
息が切れて
少し立ち止まったらもう
足元まで来てる
モラルやルールだとかから
自分を守りたくて
みんな夜の街を走ってるけど
この先は行き止まり
妥協の壁が待っている
あの娘 ....
朝、目が覚めると9時だった。
たったそれだけで
現実とかけ離れた甘美な夢の名残は一瞬にして暗黒に散った。
大急ぎで着慣れたブレザーに袖を通すと
1限目には間に合いそうもないなとか思いながら
....
波が波に描く絵が
次々と現われては消えてゆく
海を覆う点描が
鳥を照らし点滅する
蒼い光のひとがいて
歌い舞う花のうしろで
草に沈む岩を見ている
海からも声のなかから ....
へらへら笑っちゃいるが嘘つかれてんじゃねぇかとびびってんのさ
屈辱に身を裂かれても馬鹿みたいに{ルビ諂=へつら}ってんさ
権力振り回す間抜け面に何も言えないでいんのさ
なぁハローダセェ俺
....
駅の階段を上がると
おいしいトマトソースが食べられるパスタ屋さん
「どうして地下鉄が地上にあるの?」
そう聞かれても
コーヒーとパスタのセットは550円で
メニューは二つしかない
トマ ....
雨
降るのかしら。
今
先のことなどわからないから
ただ ありのままを見つめる
内側で降る
血の流れが
どうしようもなく
わたしを形作り
{ルビ廻=めぐ}る
こんなにも
....
{引用=(どうか、ユーエフオーと発音してください。)}
光
光る
夜の光
それは星でも 月でも 街の灯りでもなければ
眠る人々の心に点る
ささやかな光でもない
それはやってく ....
ダメダメマンは
とても駄目なヒーロー。
早とちりや勘違いなんて
日常茶飯事。
猫どうしの喧嘩も
止めることができない。
ちょっとした買い物を頼むなんて
求 ....
パラフィン溶けるセロファン
オイルの浮いた水面に流れる七色
トイレのついた睡蓮に剥がれる何色
爆発狂狩りの午後は機能停止の予感
バス発狂会のゴドーは昨日精子の悪寒
ハンバーガー回路ショートサ ....
24
折れた時計の針がキャラメル
23
の中に埋め込まれていてキャ
22
ラメルから生えているような
21
赤と青のワイヤーの両端はハ
20
ローキティの絵が描かれた ....
なんてことはないんだ。
今朝、母は雪を見ながら(正確には彼女にしか見えていない雪だ)卵焼きを作った。
キッチンに立つ母を見るのは久しぶりだけれどやはり、しっくり、とくる。
料理をするために洋 ....
キミの笑顔が懐かしくて涙が出る
そんな午後
キミのくれた手紙の文字が
奥にしまった記憶を揺り動かす
もう声すら思い出せないのに
ただキミの指差す方向には
いつも
青い空があっ ....
「まな板給夫のいる」は高架線下の天使と賭けをする。
手札の伏せてあるカウンターが震える。頭上に
ぶら下がっていた彼女の戦利品の数々。
その一つ、オレゴンの絵には
黄色のテント内、
突き出した ....
朝方早く、空は虹色をしていた。
世界にだまされている。
ベランダに立って、気がつけば、
世界は今も動いている。
給食センターのトラック。除雪機の眠った倉庫。
海に続く空気。
朝方早く、 ....
山道を登るときには足元を見るものだが
彼は上ばかり見て
其処にのたうつ木の根があるかも知れず
{ルビ泥濘=ぬかるみ}があるかも知れず
急勾配かも知れぬのに
彼は上ばかり見て
まだ立っている ....
夜のアンモナイトは仄かに蒼く光る。
海の恋人を想い出し、蒼くさめざめと光る。
遙か遙か白亜の海の底、アンモナイトの恋人達は。
手をつなぎ、心をつなぎ、ちゅらと散歩。
....
金魚もいないのに
君は金魚鉢を買ってきて
それから金魚の餌と
水道水の塩素を中和する
透き通った小さな薬品も
買ってきて
それでも結局金魚鉢の中を
金魚が泳ぐことはなかったのは
....
毎日は同じことの繰り返しのようでも
少しずつ違っているものだから
通勤電車の吊革をつかむ
君はまるで風に揺れる果実のように
その身を進行方向に傾けている
列車のドアが開くたび
....
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