闇に近い木々の群れ
線路を叩く車輪の甲高い音
幼い日に出会った少年の俯き
裏から見たエイのような雲の顔
それを包む灰になりかけの蒼の空
大きく両手を振りながら坂道を下る僕
みんなどこか ....
退屈を嫌う甥が「私の相手」に飽きて
玩具箱からソフトビニール(そしてきっと抗菌使用)の怪獣を乱暴に持ち出した
嬉しそうに昼前にはもう遊び尽くしたトミカ製のプラレールと私を押しのけて
甥が向かった ....
車では
足を組まない
「車で足を組むと骨盤がゆがむ」
昔、恋人が言った
忘れていたのに習慣になっていた
「今度の土曜海に行こう」
という最後のメール
私がいなくなったら彼はどれだけ
....
僕よりずっと歳の低い声が
楽しそうな悲鳴を上げているんだ
そして蝉の声は初夏を告げて
其れに誘われた蜂を 翠の葉に見る
君は何時も憂鬱そうに
「消えて行きたい」等と云 ....
取り込まれ包まれるというのは
人生の全てではない
密閉された生ぬるい海の底では
尾ビレは腐って泳げはしないだろう
腹の内で何を思っているかを
馬鹿正直に打ち明ける必要はない
....
ら
うたが
ら
らら ら
うたが聞こえる
ら
静寂のみが記された
らら ら
白紙のページに埋もれた夜に
....
コンクリートの丸いもようは、踏んじゃだめよ
って、
しあわせになれないから
って、
きみが言ったとき
さっき
二度ほど踏んでしまったぼくは
ちょっと泣きそうになって、あわてて
声をだし ....
〜夜明け〜
森の呼吸
白く霞む朝
誰かの声
遠く響く
満たされる
満たされる
静かに濡れた空気
新しい命
〜静かな午後〜
緩く開いた手のひらを上に向けて
目を ....
雨に濡れて光る電車の中の床が
消えそうになるほど
綺麗に見えた/
弾丸
車窓を撃ち破って
黒塗りの天使の額を
貫通する
後頭部くだけた
液体の ....
頭中に鳴り響くコンパッショーネにオモイ馳せる。
ゆらゆらと蠢く音流に瞼を閉じる。
ユニゾンのベースが弾き出され、心は静かに足踏みを始める。
***
ウチ ....
夜が街を歩いている
きらきら きらきら
瞬く星や月を身にまとって
夜が昼間の街を歩いている
きらきら きらきら
なんとゴージャスな
きっと昼食もゴージャスに違いない
誰もが夜に注目してい ....
子供が扉をあける 暗がりの重い扉を
そして漂うように群集を掻き分けると
重い扉の先の道を一人で歩いていく。
鋼線の擦れ合う音が身体を刻んでいく。
ふと、懐かしい声が耳もとをかす ....
子供が死んだ
祖父が狂った
夫は痴漢で
署まで連行
家に帰れば
赤字の家計簿
生活に疲れ
何もかもが
投げやりになると
ガラスが割れて
悲鳴が聞こえる
息絶えた獲物
ふたりは狩 ....
おじいちゃんへ
そちらは暑くないですか?
もう何年も声を聞いていないから―また聞きたいな。
私は元気です。昔、母さんとケンカして、心配かけた事もあったけど
今は仲良くやってます。母さん ....
硝子の破片を踏み締める感触
裏から赤が流れ出し反射する
握れば滴り落ちて
届かない思い叶わない願い
僕は床に散らばった破片を
両手に掬い上げて
ゆっくり握り滴る液を眺める
頬が涙を伝 ....
瞬き一つで
百の竜巻と
千の地震が起きるくらい
長いあなたのまつげ
震わせて
百万の津波と
いちおくの洪水
引き起こす涙で
「心配になるくらい好きだった、たまに
それしか出来なく ....
僕がまだ販売員だったころの話だが、一人の女性客に「30分くらいで戻るので、良さそうなのを適当に三つくらい選んでおいてもらえるかしら。」と頼まれたことがある。おいおい、商店街の魚屋じゃないんだからとあっ ....
君の心を
透視したら
僕の醜さが
見えた
僕の遺した足跡は、
遥か彼方の土地の下
君と僕が居た場所は、
誰もおぼえては居ない楽園
あの日々を思い出すのは、
僕たちだけで
あの日々を作っていたのも、
やはり僕たちだけで
....
ひさしぶりに親父に会った
釣ったばかりの岩魚をぶらさげて
反りかえって山道を下りてくる
いつかの河童に似ていた
秋になると
川からあがって山へ帰ってゆくという
そんな河童を村人はセ ....
海の見えない
深い森の中で
事件は起きた
たまごから
孵ったばかりの
おたまじゃくしは
幼いから
なにも知らずに
鰓呼吸をする
木の葉が沈んだ
たまり水で育つ
藻を食べて ....
あの人は優しさを装うけれど ちっとも優しくなんかない
もっと切れ味の鋭いナイフが必要なのと言ったら
きっとどこかから見つけてきて私に差し出し
そして 私が楽々腕を切るところを見ているわ
八本足 ....
『後三日で貴方は抹殺されるかもしれません』
いや、√2みたいな事言われても
生憎 手前は0か1かの判断基準しかないもんで
そいつが罠か 真偽を確認したくなる訳
『後三日で貴方は抹殺され ....
ぼくたちはきっと
とても遠いところから
やって来たのだろう
永い旅の果てに
僅かな智慧も
言葉さえも失くし
全くの無力な姿で
ようやくここに辿り着いた
その握り締めた掌は
大切な ....
優しく
大切に
決して
壊れぬよう
育てた
頼りない
種は
やがて
小さな芽を
出し
いつの日か
咲き誇る
そう思っていた
幻想だった
いつまでも
小さな芽は
小さなま ....
「白線の内側で恋はしないでください」
なんか、ゆううつ。
レモンスライス…に
〜恋を少々〜
混ぜて み か
....
ヨーロッピアンのバイクで
袋小路にはまった場合
ハンドルの切れが悪いので
往生する
一度でUターンできるような
道幅があれば袋小路とは言えない
単なる行き止まりである
小路だから ....
袋小路共依存というタイトルで
なにか書けないかと思案していると
「歌声の消えた海」
という新作ドラマの
タイトルバックが写り込む
自転車で海へ行く主人公の
爽やかな笑顔が流れてゆ ....
たぶん
狐がついてるんだよ
って
教えてあげたいけど
あまりにも
幸せそうだから
何も言わずに
遠く離れた場所で
ただ
静かに観察している
昨日、うちに迷い込んだ、
丸い目をした子猫が
夜の空の右側と
夜の空の左側を
不思議そうに交互に眺めていました。
空は相変わらず広いから
多少のものは描くことができ ....
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